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手当ての達人  作者: たてみん
第1部 第1章:世界探訪「ドラゴン編」
9/63

行き先変更

よろしくお願いします。


昨日、無事に初作品「VR世界は問題だらけ」の最終話が公開されました。

読んでくださった皆様が少しでも楽しんで頂けていたら幸いです。

https://ncode.syosetu.com/n3556ex/


ただ、この先、投稿が不定期になります。

m(_ _)m

国境は流れの緩やかな川に掛かった橋と、その両側にある検問所で構成されていた。

検問所には10組ほどの馬車が列を作っている。

……あ。馬に二人乗りって、もしかして不自然かもしれないな。

そう思い、一度離れて気付かれないように馬車を出して行商人を装う。ってエリーは本物の行商人か。

そうして検問を待つ列の最後尾に並んだけど、身分証の問題が残ってるな。どうするか。


ギャオオォォォ…………


と、その時、西の山から何かの鳴き声が響く。

かなり離れた山からここまで届くってかなりの声量だな。一体何だろう。

検問所の兵士に聞けば分かるだろうか。そう思い、並んでるエリーにはそのまま居てもらって、ひとりで検問所の所まで行ってみる。

ふむ、兵士は鳴き声を気にしてないな。ということは、いつもの事なんだろうか。

近くにいた壮年の兵士に聞いてみれば分かるかな。


「あの、この向こうの山から響く鳴き声は一体なんですか?」

「あ?あれか。西のあの山は竜の山って言って、何種類かの竜種が住んでるんだ。何年かに一度、ドラゴンの気性が荒れることがあるんだ。まぁ、こっちに飛んで来たことは無いから、ここは大丈夫だがな。ただ山の近くは魔物達が活発になってて危険だから気を付けろよ」

「そうなんですか。ありがとうございます」


礼を言ってエリーの所へ戻る。


「どうでした?」

「西の山のドラゴンだって。山に近付かなければ問題ないみたいだ」

「なら大丈夫ですね」


そう伝えるとエリーは安心して列の先に視線を戻した。

ただ、翻訳スキルのお陰で、俺には鳴き声と共に送られてきたメッセージの意味が分かってしまった。これは救難信号だ。なら俺の取る行動は決まっている。


「エリー」

「はい、なんですか?」

「用事が出来た。済まないが先に行っててくれないか」

「……え?」


驚いて一瞬固まったが、すぐに俺の意図を察したのか険しい顔になった。


「西の山に行くんですか?それは、私達も一緒ではだめなのでしょうか」

「うん。どれくらい時間が掛かるか分からないし、その間にエリーはエリーのやるべき事をやっておいてほしい」

「やるべき事?」

「ああ。行商人として、腕を磨いたり、人脈を広げたりさ。その方面は俺では力になれないからな。適材適所ってやつだ」

「なるほど。それなら任せてください。ジンさんが帰って来たときにはびっくりする位の大物行商人になっておくわ」

「そうか、それは楽しみだ。じゃあ、行ってくるよ」

「はい、お気をつけて」

「バカウマも、エリーを頼むな」

「ヒヒィーーン(任せてくれっす!)」


手を振って見送ってくれるエリーに手を振り返して、俺は一路西へと走る。……無事に間に合えばいいが。

ちなみに鳴き声に乗って流れてきたメッセージはこうだ。


『我は西の山に住むフレアドラゴン。心優しき者よ。私の声が聞こえたら、どうか我が子の為に力を貸してほしい。我が子を狙う魔物達の手を払う為にどうか……』


気になるのは『心優しき者』って言ってるけど、そうではない者には聞こえなくしてあるのかな?それに、その基準はどうなってるんだろうか。俺って、この世界に来てから人殺しとかやってるんだけど、ノーカウントなんだろうか。

まぁ、その辺りは会った時に聞いてみれば良いか。


「さて」


エリー達と別れて出てきたのはいいが、さすがに走って行ったら何日掛かるか分かったもんじゃないな。

何か移動手段を手に入れられないだろうか。

理想は、向こうから迎えに来てもらう事なんだけど、俺が向かっていることにあっちは気付いていないだろうしな。

……いや、竜の山って言ってたから、多分あの声の主以外にもいっぱい竜が居るはずだ。なら、何か向こうの興味を引くことが出来れば、飛竜の一匹くらい飛んできてくれるかもしれないな。

よし、そうと決まれば、花火というか、閃光弾みたいなのを魔法で作ってみよう。

イメージは上空に投げ上げて、ある程度の高さになったら爆発閃光するようなものだ。

そう思って光魔法と炎魔法で作ろうとしたら「ある程度の高さになったら」という時限信管の役割の為に、もう一つ魔法を重ねないといけないみたいなんだが、今のレベルでは無理だった。……基礎がLV3に上がれば行けるかもしれないけど、ないものねだりか。

改めて、近くに落ちている石に強烈な赤い光を放つように光魔法を付与する。それをしっかり握り込むことで、自分はまぶしくないようにする。よし、これなら行けるな。そうしてそれを竜の山の方向に向けて大きく投げ上げる。

1回じゃ気付かれないかもしれないので、さらに色を変えながら2つ3つと投げてみる。


……どうだ?だめか。時間を空けてもう一回だけ試してみるか……


あ!西の山から何かが飛んで来たように見える。まだ遠くて点にしか見えないが、この距離で見えるって事はかなりの大きさって事だろう。ここまでは成功だな。

10分くらい待った頃には、姿がある程度は分かるようになった。緑色の飛竜、曰くワイバーンっぽい竜が3体居るようだ。

ある程度近づいてきた所で、俺は先程と同じように光を付与した石を、今度はほぼ真上に投げる。

よし、向こうもこちらを見つけたようだ。

そうしてさらに5分待った所で、ワイバーン3体は俺の真上まで辿り着き、そのうちの1体が近くまで降りて来た。


「ギャギャッ、ギャウ(全く突然東の空が光ったので何かと思えば、先程の光はお前の仕業か人間。いったい何が目的だ)」


お、この世界のワイバーンはそれなりに知性が高いみたいだ。なら交渉の余地は十分にありそうだな。


「あなた方の住む竜の山で、最近大きな声を上げているドラゴンを知っていますか?俺はそのドラゴンから送られてきたメッセージを受けて助けに向いたいのです。ですが、御覧の通り、俺の足では山まで何日掛かるか分かりません。なので俺を山まで送り届けては貰えないでしょうか」


そう伝えると、ワイバーンはじっと俺の目を見つめてくる。


「グルルッ(ほう。私の言葉を理解し、私に分かる言葉を発するとは珍しい人間だ。

ふむ。嘘は言ってなさそうだな。

……良いだろう。私の足に掴まるが良い。山までは連れて行ってやろう。

だが心しろ。今あの方は気が立っておいでだ。少しでも失礼を働けば一瞬で消し炭にされることだろう)」

「分かりました。ご忠告ありがとうございます。それでは失礼して足に掴まらせてもらいますね」


俺はジャンプだけだと届かなそうなので、さらに風魔法で体を押し上げるようにして、何とかワイバーンの足に掴まる。


「グガッ(よし。振り落とされないように気を付けよ)」


そう言って、ワイバーン達は俺を足にぶら下げた状態で西の山へと飛んでいくのだった。


という訳で、国境は越えませんでした。

ワイバーンとは戦って服従させようかとも思いましたが、穏便に会話で解決することにしました。


間違った次回予告:

ドラゴンダンジョン攻略!!

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