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手当ての達人  作者: たてみん
第1部 序章:ここはVR?それとも異世界?
7/63

国を出よう

よろしくお願いします。

明け方。

王都の南門の外で野営をしながら、開門時間を待つ。

それにしても、VR空間ではないってことは、今後の身の振り方を考え直さないといけないな。

まずリアルとVRで何が違うかって言われたら、死んでも復活できない所だろう。

重病、重症のたぐいも、魔法でどこまで治せるかが分かるまでは慎重にするに越したことは無い。

行動制限についても、VRでは出来なかったことが出来るようになっているし、VRならではの例えば水中でも(ものによっては)呼吸が出来る、なんてことは無いだろう。

最後に魔法を含めた身体能力なんだけど、これはどうなんだろうか。VRだって思い込んでいたのはリアルに比べて、ずっと自分の能力が高かったことにも起因する。

ちなみに、今のステータスはこんな感じだ。


名前:ジン・バンリ

種族:異界の民

クラス:フリーター

レベル:4

HP:13/13

MP:13/13

STR:13

INT:13

VIT:13

DEX:13

AGI:13

MND:13

LCK:13


一般スキル:

基礎Lv.2


特殊スキル:

アイテム空間、自動翻訳、手当て


ゴブリンの群れと戦ったお陰もあってレベルが上がってるな。各パラメータの上昇は満遍なく1ずつか。

レベル4で各パラメータが10台ってかなり低いはずだ。あの姫様の対応から考えても間違いないだろう。

それでもなお、騎士達を反撃もさせずに倒せたり、ゴブリンの死体を魔法で焼き払えたり出来たのは、きっと数字通りの意味合いでは無いってことなんだろう。

これはまあ、もう少し様子見だな。幸い上がり幅は大きくないようだし、すぐにどうこうって言うのはないだろう。

あとは『基礎』か。魔法が使えたことから、魔法の基礎も含まれてるんだろうけど、どこまで適用されるのかが分からない。

こうして考えていくと分からないことだらけだ。まあ幸い、時間はあるからゆっくり検証していこう。


そうやって色々考えていると、開門時間になったらしく、南門が開いていく。

エリー達は……あ、いたいた。向こうもこっちに気が付いたみたいだ。バカウマがひく馬車が目の前で止まる。


「おはよう、エリー。バカウマもおはよう」

「おはようございます。ジンさん。用事はもう済んだんですか?」

「ああ、滞りなく。エリーさえ良ければこのまま行こうと思うが、大丈夫か?」

「はい、私のほうの用事も済ませてきました。ですので、乗ってください」


俺が御者台のエリーの横に座ると、馬車が走り出す。


「そういえば、ジンさん。これからどこに向かえば良いでしょう」

「あ、そっか。南門から出るとしか言ってなかったな。特別目的地が決まっている訳じゃないんだが、まずは他国に出ることが優先事項だ。その上で出来ることなら地続きで行けて、遠くなく、治安が安定した国ならなお良しだ。心当たりはあるか?」

「……そうですね。ここからですと、南西のセルジス王国か東のビル公国でしょうか。セルジス王国の方が近くて、このまま何事も無ければ5日くらいで国境を越えられると思います」

「じゃあ、セルジス王国に向かおう。よろしくな、エリー」

「はい。って、あれ?」


ふと、何かに気が付いたのか、エリーが俺の顔を覗き込んでくる。ん?なにか顔に付いてるのか?


「あの、ジンさん。気のせいかもしれないんですけど、昨日お会いした時に比べて、えっと、やさしくなった?

あ、いえ。前がやさしくなかったという訳ではなく、怖くなくなったというか。……憑き物が取れたっていうんでしょうか。なにか変わりました?」

「あぁ。抱えてた悩みがひとつ解決したんだ。そのせいだろうな」

「そうなんですね。それは良かったです」

「でも、そうかー、俺は怖かったのかー」


そう言っておどけると、慌てるエリーがちょっと面白かった。でもまあ、当分はこの世界で生きていくことになるんだ。楽しまないと損だよな。

そうして王都が見えなくなって少しした時、バカウマから声が掛かる。


「(そういえば旦那。急ぎなのであれば走りますがどうっすか?)」


なるほど、バカウマは元々は馬車馬で、それがパワーアップした状態だからかなり余裕があるのか。でもなぁ。


「バカウマが本気で走ったら、この馬車、分解するんじゃないか?って、そうか。馬車を仕舞って、バカウマに直接乗ればいけるのか。よし、バカウマ。一旦止まってくれ」

「(うっす)」


エリーと共に馬車を降りて、前後に人影が無いことを確認してから馬車をアイテム空間に仕舞う。


「え?ジンさん、馬車が消えましたけど、いったい何が起きたんですか?」

「何って。アイテム空間に仕舞っただけだけど」

「ええ!ジンさんのアイテム袋って馬車が入るほど大容量なんですか!?」


聞けば普通に出回っているアイテム袋は、大袋6~10個分くらいなんだそうだ。

そっか、これはますます他人の前でおいそれとは使えないみたいだな。


「そのあたりは、道中で説明するよ。まずはバカウマに乗るよ」


そういってまずは俺がバカウマに飛び乗る。そこからエリーの手を引いて俺の前に引き上げてしまう。


「あの、ジンさん。私、乗馬はしたことが無いんですけど」

「俺も無いから大丈夫。幸いバカウマは頭が良いからね。一緒に慣れて行こう。そんな訳で、最初はゆっくり歩いてくれ」

「(了解っす)」


ポクポク歩くバカウマに合わせて、乗っている俺らも上下左右に揺れる。うーん、鞍が無い分、安定しないから疲れそうだな。鞍は次の町で買うとして、今は風魔法を使って保護することにしよう。

慣れてきたところで早足くらいに加速する。うん、今はこれが限界かな。


そうして俺たちは馬車の数倍の速度で街道を進んでいった。

無事にリアルなんだと受け入れたので、ここからは伸び伸びと行く予定&悪事は控えめです。


間違った次回予告:

国外逃亡を計るふたりに追っ手が襲いかかる!

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