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手当ての達人  作者: たてみん
第1部 第1章:世界探訪「ドラゴン編」
17/63

行ってきます

よろしくお願いします。

章の終わりということで若干短くなりました。

(2000文字で短いと言える日が来るとは)

無事にコボルドの問題が解決した後、そのまま竜の山に残りゲイル達から魔法やスキルについて教わっていった。

その中で今まで何となくで使っていた魔法も、この世界の理論を知る事でさらに使いやすく応用が利くようになったし、逆に皆からは俺が全く別の理論で魔法を使っていた為に質問攻めにあったりもした。


そして今日はゲイルと一緒に飛行訓練を行っている。

この空を飛ぶっていうのがスキル習得の中で一番の難関だった。

ゲイル曰く、まず最初に魔力で背中に翼を生やすところからスタートして、翼を羽ばたかせて風を掴め!とか言い出したんだが、人間のDNAに翼を動かす知能は備わってないんだよと声を大にして言いたい。

途中でちょっと気になって、じゃあドラゴンの巨体でも翼で飛んでるのかって聞いたら、


「そんな訳ないだろう。翼はあくまで姿勢制御で、飛ぶのは魔力で押すんだよ」


とか言ってくる始末。そう言う事は先に言えよ。

じゃあ、背中の翼って無くていいよな。

魔力で押すってジェット推進みたいなので行けるんじゃないだろうか。

そう思って手足にブースターを取り付けて背中にジェットエンジンを付けて飛ぶイメージをして漸く飛べるようになった。

すると今度は突然急加速が出来るようになった俺を見て、ゲイルの方が逆にどうやってるのか聞いてきたんだが、エンジンの話をしても伝わらないし困った。

そうして飛行訓練を続ける途中、竜の山から大分離れた所で、澱んだ気配を感じた。

出所はあの森か?そこからさらに西に広がっているな。


「なあ、ゲイル。南の森について何か知ってるか?」

「ん?ああ。あの辺りはエルフ領だな。気になるのか?」

「エルフか。そうだな。良くは分からないんだけど、どこか嫌な感じがするんだ」

「ふーん。俺には分からないが、お前が言うんだから何かあるのかもな」


遠目だとそれ以上のことは分からないので、今は一通り飛行訓練を終えた後、ドラゴンの巣に帰る。

巣に辿り着くとレンが出迎えてくれる。


「おとーさま。おかえりなさい」

「ただいま。良い子にしてたか?」

「うん、ほら。もう自由にすがたをかえられるんだよ~」


そう言って俺に飛びつきながらドラゴンの姿になる。

って、待て待て。飛びつくのはやめよ、うぐはっ。

生まれたてとはいえ、ドラゴンの姿になれば既に全長3mを超えている。


「レン~。ドラゴンの姿の時は飛びつくの禁止って言ったよね」

「そうだったの。ごめんなさ~い」


ドラゴン姿のレンをそのまま担ぎ上げて、フレイさんの所まで移動する。

これも一種の肩車、なんだろうか。

そんな俺たちの姿をフレイさんが温かく出迎えてくれた。


「フレイさん、ただいま戻りました」

「おかえりなさい。レンもお迎えご苦労様」

「はーい、えへへ」


レンは人の姿になりつつ、フレイさんに抱き着く。

フレイさんもレンの頭を撫でつつ、俺の方に視線を向けてつぶやいた。


「……なにかあったのですね」


疑問形じゃなく断定形だった。

うーん、俺ってそんなに分かりやすいだろうか。


「南の森に異変を感じました。大事が起きる前に行って調べてみようと思っています」

「そうでしたか」

「ええぇーー!おとうさま、どこか行っちゃうの!?」


フレイさんは、いつか来るだろうと予測していたのか落ち着いた感じだったけど、それを聞いたレンはびっくりしてる。

さて、どう伝えてものか。


「レン。俺は救世主様なんだって。だから、困っている人達を助けてあげに行くんだよ」

「そうよ、レン。そのお陰で私達も救われたし、こうして会う事が出来たのよ。だから、他の子達も助けてあげましょう。ね?」

「うぅ~。おとうさま、すぐかえってくる?」

「そうだね。レンが素敵なレディに成長する頃には帰ってくるよ」


レンは、それを聞いてじっと考え込んでいたけれど、やがて一つの結論が出たらしく頷いた。


「じゃあ、レン。すぐにすてきなレディになるから、はやくかえってきてね♪」

「そうか、それじゃあ、頑張らないといけないな」

「ふふふっ。そうね、もし帰ってこなかったら、こっちから追いかけてあげましょうね」

「うん♪」

「じゃあ、ちょっと皆にも挨拶してくるよ」

「はーい」「いってらっしゃい」


まずは、竜人族の集落へ行き、長老に会いに行く。

するとなぜか長老を先頭に、竜人族の戦士と思われる人たちが500人くらいが片膝を突いて最敬礼をしていた。


「救世主様。先ほどここを出て行かれるとの事、フレイ様から念話でお聞きしました。

ここに集まった者たちはみな、救世主様に命を救われた者でございます。この御恩は決して忘れません。

もし行く先で、我らと同じ竜人族と出会う事があれば、微力ながらも必ずや力を貸す事でしょう。

また我らをお呼び下されば、例え地獄の果てであっても駆けつけてみせましょう」


あ、良く見れば確かに、あの瀕死だった人達や、突撃部隊で一緒に駆け抜けた人たちの姿が見える。

でも命を投げ捨てて応援に来られても困るしな。


「じゃあさ、先日のレンの誕生祝いが大っぴらに出来なかったんだ。

だから、次に俺が来た時に、ここに居る全員(・・)で盛大なお祝いを上げてほしい。

無茶なお願いかも知れないが、頼めるか?」


それを聞いた竜人族はさらに頭を深々と下げていた。


「我ら一同、その日が訪れるのを心待ちにしております」

「じゃあ、行ってくる」


その場を後にしても、竜人族たちは俺の姿が見えなくなるまで頭を下げたままだった。

続いてドラゴン達にも挨拶をしていく。

個々の反応は省くけれど、共通していたのは「今回の礼が済んでいない」と怒られたり「少ないけど餞別だ」と言ってアイテム袋(中身は金貨財宝だったり、ドラゴンの鱗とか生え変わった角とか牙とかだった)を渡されたりした。

最後にフレイさんとレンの所に戻って来て最後の挨拶をする。


「いってらっしゃい。帰ってきたら、レンに妹か弟を作りましょうね」

「おとうさま、いってらっしゃい」

「ああ、行ってきます」


あれ、フレイさんが妙な事を言っていたような気がするけど、まあ気にしない事にしよう。

そうして俺は竜の山を飛び立ち、一路南へと向かうのだった。

これにてドラゴン編は終了です。

気が付くと現地妻が増えて行く。


間違った次回予告:

鳥か?ドラゴンか?いや違う、あれは人間だ!!


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