自分の評価と作戦立案
よろしくお願いします。
同じ人物でも相手によって敬語使ったり使わなかったりしてると、口調があやしくなってきました。
目が覚めると、ゲイルやフレイさんを始めとした何人かのドラゴンと思われる人と、竜人族の長老っぽい人が車座になって話し合っていた。
と、フレイさんが俺が起きたのに気づいたようだ。
「あ、起きられましたか、ジン様」
「おはようございます、フレイさん。みなさんは会議の真っ最中だったようですね。邪魔してすみません」
そう挨拶すると、俺に興味があるのか何人かが傍まで来てくれる。
特に竜人族の人は、俺の両手を握り締めて礼をしてきた。
「貴方様が救世主のジン様ですね。貴方様のお陰で同胞が多く救われたと聞き及んでおります。まだ満足に動けぬ皆に代わり、総長を務めさせて頂いております私、ゲリゲルスがお礼をさせて頂きます。本当にありがとうございました」
そう言って深々と頭を下げてくれる。ただ、褒められなれてないので、ばつが悪いというか、居心地が良くない。
「頭を上げてください。俺はたまたま皆さんを救う手立てを持っていたと言うだけです。皆さんも同じ力を持っていたら、同じ事をされたでしょう」
「いえ、それは違うわ。確かに同胞の窮地であれば尽力する人もいるでしょう。ですがあなたは、全く他種族の、それも特に利害関係もない者達に救いの手を差し伸べたわ。更には、死をも恐れず彼らの為に先頭に立って敵陣へと突撃したそうね。それらを行うものに我々は最大級の敬意を払うのよ」
そう答えたのは銀髪の女性・・・・・・あ、医者のお姉さんか。
「そうだな。高レベルの歴戦の勇者が余裕綽々でやったって言うならただの酒飲み話にしかならん。だが、ゲイルが言うには、お前さん、レベルもステータスもかなり低いそうじゃないか。本来なら『自分の命を粗末に扱うな』と叱ってやるべきなのかもしれんが、無事にここに居るなら、それは蛮勇ではなかったという事だな」
こちらは髭もじゃのおっさんっぽい人の発言。
そう言われて、改めてステータスを確認してみる。
「
名前:ジン・バンリ
種族:異界の民
クラス:救命士
レベル:10
HP:31/31
MP:48/48
STR:31
INT:48
VIT:31
DEX:46
AGI:34
MND:50
LCK:35
一般スキル:
基礎LV.3、浄化LV.1、救命LV.2、創造LV.1
特殊スキル:
アイテム空間、自動翻訳、手当て
」
レベルが10まで上がって、ステータスもだいぶ上がっている。
若干魔法寄りになっているのは、よく魔法を使っているからか、もしくはクラスがフリーターから救命士に変わっていからか。
あと『創造』スキルが出来たのは黒い卵を創った関係だろう。
ただ、比較対象が無いからこのステータスがどれだけ低いのかが分からないな。
「自分のステータスが低いのは知っているけど、他の人のステータスを見たことが無いんで、基準が分からないんだが、普通はどれくらいなんだ?」
「種族によって基準が異なるから、一概に数値だけで言えるものでもないけど、人間の場合、子供で10~20、特に鍛えていない大人で50~100、一般の兵士で200~300、隊長や将軍まで行くと500~700、1000を超えるのはほんの一握りってところだな」
ゲイルが指折り教えてくれるが、つまり俺は子供並のステータスしかないって思われていた訳だ。
成長した今でようやく大人に手が届くかどうかって所か。
これは確かに切り捨てられても仕方がない数値に見えるな。
「でだ。ジンのステータスは軒並み40くらいな訳だけど、さっきの戦いを見る限り、人間でいう所の500は越えていると見て間違いないだろう。そうじゃないとコボルドを蹴散らせたことの説明が付かないからな」
つまり見えているステータスの約15倍相当って事なんだけど、ゲイルは幾つか思い違いをしているみたいだな。実際にはあの戦いでレベルが上がったはずだから、突撃前のステータスはもっと低かったはず。
ま、あえて指摘する必要も無いか。ゲイルに恥をかかせるだけだし。それよりもだ。
「分かりやすい説明をありがとう、ゲイル。それとは別にいま、困ったことがあるんだ」
「ん?どうした、改まって」
「ここってさ、トイレってあるか?」
「は!? お前、プライベートルームはって、そうか。人間が持ってる訳無いか。しゃあねぇ、今回は俺のを貸してやるよ」
そう言ってゲイルが右手をかざすと、何もなかったところに扉が出来る。
「お前、アイテムボックスは知ってるか?これはそれの応用みたいなもんでな。物だけじゃなく生き物も出入りできるようにした代物だ。中は普通の人間の家と同じ造りにしてあるから、さっさと行って用を済ませて来い」
「なるほど、ありがとう」
扉を開けると確かに(こっちの世界の基準で)普通の家になっていた。開いている扉から部屋の中をのぞくと大分雑然としていて持ち主の性格をよく表してるなって思ったけど、今はそれどころじゃないので、さっさとトイレを借りて外に出る。
「ありがとう、助かったよ」
「まあ、気にするな」
ちなみに、気になったので出したものがどうなるかを聞いてみたところ、備え付けの魔法装置で跡形もなく分解消滅されているらしい。便利な世の中だ。
「そう言えば、俺が起きた時にみんなで話し合いをしていたように見えたけど、何を話してたんだ?」
「ん?ああ。今後のコボルド共の対策についてな。このまま防戦を続けるべきか打って出るべきかを協議していた所だ」
「ここはひとつ、ジン様の意見も聞いてみましょう」
フレイさんの一言で、全員が俺に注目する。いや、この中で一番状況が分かってないんだけど。
「えっと、その前に幾つか確認をさせてください。コボルド達の狙いはフレイさんの卵だって言うのは間違いないですね」
「そうですね。人間ならば私達ドラゴンを狙ってくる事もありますが、コボルドが狙う価値のあるものは卵のみです」
「では、卵が無事に孵ればコボルドは手を引くと思うのですが、あとどれくらいで孵るか分かりますか?」
「この部屋の霧のようになっている魔素が全て卵に吸収される頃には孵るはずなので、まだ1か月以上は先になります」
……あれ?ちょっと見当外れかもしれないけど気になった事があったのでフレイさんにそっと確認を取ってみる。
「それって、…………ですか?」
「……とも言えますね」
「それなら、皆さんで力を合わせれば…………」
「それは無理です。…………は出来ないんです」
あー、いや。うん、そうだよな、多分。
それが出来れば、この問題は解決だよな。
「それに、今回の事だけではなく、今後もあります。我々は10年~15年に1度卵を創りますから、今回の卵が無事に孵ったとしてもコボルド達を撃退しないことには同じことの繰り返しになります」
「それじゃあ、あと一つ質問なのですが、コボルド達をおびき出して、皆さんのブレスなどで一網打尽に出来る場所に心当たりはありますか?」
「ええ、それなら幾つか心当たりがあります」
「なるほど、それなら上手く行きそうな作戦があります」
そうして、俺の出した案は、前提条件が満たせるのであれば、という条件の元、実行することになったのだった。
ゲイルの勘違いは、主人公のステータスがこの値になったタイミングです。
実際にはレベルが上がる前に突撃戦を行ったはずですし、クラスが変わったのも大量の治療を行った後です。
そんなに間違っていない次回予告:
コボルド殲滅作戦開始。「薙ぎ払え!どうしたドラゴン」




