ろく(林)
次第に拙くなってく文章。
見ない方がいいんじゃないですかね?
五月四日。それは、人々にとってはゴールデンウィーク中の一日にしかすぎない日。
でも、あたし達には違う。なんてったてね、今日は────。
「あたし達の誕生日ー!」
「分かってるよ姉さん」
「えー! 何その反応! 森の誕生日でもあるんだよ!?」
「でもさ、僕達、家から一歩も出てないよ?」
そう、あたし達、家から一歩も出てない。
つまり、誕生日プレゼントを買う気がない。お金が無い。何より誰も来ない……。
あたし達は、自分の誕生日を祝う気がないのであーる。
「出掛けるぅ?」
「今何時ですかあ?」
「…………12時半」
「でしょ? 今から行ってもね~」
ふっふっふ……、森、大切なことを忘れてるよ!
この時が来るのを待っていた!
「森! あたし達、ご飯まだまだよね!」
「外食は無しでお願いしたい」
即計画が落ちたァァァァ!
もういいよ、せっかくファストフード店行こうと思ってたのに……。そう思いながら、あたしは手に握ったクーポン券をそっとポケットにしまって、外界からの情報をシャットアウトする。
なーにも聞こえなーいよー。
ピンポーン。
「はーい!」
「さっき小声で「なーにも聞こえなーいよー」って言ってなかったっけ?」
知らないよ? 誰それ言ったの。
とてとてとて、と廊下を走りドアを開けると、
「はいはーい──スイカちゃん?」
「と、俺な」
そこには、いつも可憐なスイカちゃんと、いつでも元気そうなレンレンがいた。
結構大きな荷物を持って。
「え? どうしたの?」
「どうしたのってお前……」
「今日って、林ちゃん達の誕生日だよね……?」
「? そうだけど──それってまさか……」
プ、プ、プレゼント!?
そ、そんな〜いいのに〜。
「うん、お泊まり道具」
「…………………………………………へ?」
お泊まり道具?
「だって、今日はお前の誕生日だろ? それに、近くで祭りもやるしな」
「一応……、プレゼントも、持ってきたよ……?」
「ホント!?」
でも、なんでお泊まり道具?
「お前、プレゼント欲しかっただけだろ」
ひぐっ!?
「しょ、しょんなわけないよ、レンレーン」
「噛み噛みだなお前…………」
動揺してるのバレちゃう……!?
仕方ないじゃん! だって、誰も祝ってくれないし、プレゼント用意してなかったし……。
「あれ? 二人とも何してんのさ?」
「おう、森」
「こ、こんにちわ……、森くん」
森があたしがリビングに帰ってこないのを心配したのか玄関に来ていた。
「なに、その大荷物────ってそうか今日泊まりだったね」
……へ?
何故か森はこの大荷物を持ってきた理由を初めから知っていたようですよ。
しかも、お泊まりですよ。お姉ちゃんに相談とか、報告とかなしにお泊まりですよ。どうですか、世のお姉ちゃん達。
「姉さん忘れてたの?」
「ふぇ? 忘れ、てた?」
「うん。だって、言ったじゃん……一昨日」
一昨日……?
………一昨日
森がお皿洗いをしてくれてるから〜、あたしはテレビみーよおっと。
「あ、ねえ姉さん」
「ん? どうしたのー?」
「明後日祭りあるじゃん」
「うん」
「その日にね、レンと河川ちゃんが泊まりに来るんだってさ」
「おおー! 明後日ってだからプレゼント持ってきてもらおうよ!」
「そうだね、あ、姉さんそこの皿取って」
「はいはーい」
あー、そんな会話したような気もするよ。
テレビ見てて全然覚えてなかったけど……。
「覚えてなかったんだね……」
「…………はひ」
覚えてなかったのは謝るよ! でもさ、ほっぺたずっと引っ張るのは違うよね!?
思い出したあと、あたし達はリビングに戻ったんだけど、ずっと曖昧な反応してたあたしを怪しく思った森がほっぺたを引っ張りながら質問していたの。
そろそろ、ほっぺたがヒリヒリしてきたんだけども……。
「そ、そろそろいいんじゃないかな……? 林ちゃん痛そうだよ……」
ナイスだよ、スイカちゃん!
スイカちゃんの言葉を聞いた森はため息を吐きながら手を離した。
ううぅ……、ヒリヒリするよ……。
「ねえ、森」
「なに? 姉さん」
「今ふと思い出したんだけどさ、陽くんとみっちゃんも来るよね?」
「…………」
「なに、その沈黙……? まさかと思うけど、森も忘れてたとか?」
そうだとしたらお姉ちゃんは久しぶりに雷を落とさなければいけないんだけど。
「忘れてましたすいません」
雷だよ……。
「久しぶりに林が怒ったの見たぞ俺」
「怖かったね……」
「…………」
怖くないよぉー。
なんでみんな怖いって言うのさ! あたしは怖くないよ!
「お前ら、浴衣って言うのか……? ……まあ、浴衣似合うな」
「おおー! レンレンありがt──ほぬべば!?」
「あ、ありがとう……」
痛ったぁ……。
浴衣褒めてくれたのに! プラマイゼロだよ!
ちなみに、なんであたし達が浴衣を着ているのかと言うと、近くでお祭りがあるからなんだ〜。
あたしが浴衣着たいって言ったら森が「まだ五月だよ?」って言ってたけど、浴衣に時期って関係ないよね!
というわけで、絶賛あたし達浴衣中なの。
それからちょっと歩いて神社の階段を登って境内に入ると、そこはもうお祭りムード。
あちらこちらから食べ物の美味しい匂いが漂ってきて、もうヨダレ出ちゃう……ジュルリ。
「り、林ちゃん、涎出てるよ?」
「ほうわぁぁぁ!?」
「汚ったね」
「ほら、姉さんハンカチ。早く拭きなよ」
「サンキュー森」
そう言って森からハンカチを貰い、ヨダレを拭く。
なんでだろう? 森のハンカチ凄くいい匂いする。
洗剤同じだよね?
「姉さん嗅いでないで拭いたら返してよ」
「あ、ごめんごめん。ほい」
「じゃあよ、どこから行くよ?」
「とりあえず、焼き鳥!」
「うっわぁ……、ジジくせぇ」
「むっ! お祭りの定番と言ったら焼き鳥でしょ!」
「あ゛? 定番はかき氷だろがよ!」
「にゃにおー!?」
「んだとー!?」
絶対に定番は焼き鳥だよ!
あたしとレンレンが睨み合ってると後ろから、
「な、何やってるんですか? あの二人」
「ああ、陽くんに光ちゃん、こんばんわ」
「あ、こんばんわ」
「こんばんわ。ところで、なんであの二人は睨み合ってるんですか?」
お? 陽くんとみっちゃん?
レンレンから目を離し、森達の方を見る。
「陽くーん! みっちゃぁーん!」
「こんな近いのに大声出さないでよ林」
「しかも、みっちゃんって大声で……」
相変わらず綺麗な黒髪を持つ兄妹だねぇ。夜の空に紛れてるんじゃない?
「で、なんで睨み合ってたの?」
ん? 睨み合う…………? あああ!
「そうだよ! レンレン、お祭りの定番は焼き鳥だから最初に食べるの!」
「はぁ? 祭りと言ったらかき氷だろって!」
「…………お兄ちゃん、この会話」
「うん、凄くくだらない」
ああー! くだらないって言った! くだらないって言った!
「くだらなくなんてねえぞ! これは譲れない戦いなんだ!」
「……じゃあさ、二人とも」
「「ん?」」
なにさ、森。
「焼き鳥買って、かき氷買って、焼き鳥食べてデザートにかき氷食べればいいんじゃないかな? かき氷が溶けるって言うならかき氷食べてから焼き鳥でもいいし」
「「…………」」
「あ、あれ? 僕なんか変な事言った?」
いや、森言ってないよ……。ただ、ただね。
「「天才か!」」
珍しくレンレンとの意見が揃った瞬間だった。
「焼き鳥屋、すげぇ混んでたな」
「あれは買えそうにもないね」
うぅ、定番だからって買いすぎだよ……。
「……ん? おい林、あれってよ」
「ふぇ? ……おお!」
まさかのあれは……!
「焼き鳥屋だぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁああ!!」
「姉さん! はしゃぎすぎだよ!」
もう誰の声も聞こえないよ! あたしは、自分の欲しいもののために走るよ!
結構離れてたけど、欲しいもののため、すぐに着いた。
「ハアハア……、姉さん速っ」
「ほ、ホントだね…………」
「ん? お前らこれ位でばててんのか?」
元陸上日本一、いや世界一のレンレンは全然平気っぽいけど、他はみんなダメそう……。しかも、陽くんとみっちゃんは近くのベンチに座っちゃってるし。
「ほらほら、早く焼き鳥買おうよ」
「わ、、わかった」
「焼き鳥くーださ……い?」
焼き鳥下さいと言おうとしたら、ちょっと驚く事が……。
「はイヨ……? ァなたは……」
「ああー! いつぞやの外国人イケメンさん!」
えっと、確か三日四日前に駅前であった人だよ!
「ほ、ホントだ……」
「……? ご注文ハ、何にシマスカ?」
すごくカタコトだけど、きちんと接客してくれてる……。なんか、感動。
「何があるの?」
「塩とタレデス」
塩とタレか……。んー、じゃ、
「お任せで!」
「フッ、おマかセて……フフッ」
え、なんか笑われたんだけど。
あたしおかしなこと言った? お任せでって言っただけだよね?
笑った外国人イケメンさんはスっとその場を離れて、数分後に戻ってきて、塩とタレの焼き鳥がいい塩梅で入ってる袋をくれた。
「お代ハ、500円デース」
「へ!? 安くないですか!?」
「安くナイヨ」
「だってさ、森」
「ええぇ……」
ちなみに、袋の中には三十本近く入ってる。
安くないって言われても……、これはあたしでも嘘でしょとは思うよ。
「ア、時間でス。サラダバー」
「え、いきなり!? って、お代受け取ってよー!」
「…………なんでもOKな人だったね」
「姉さんにだけは、流石にあの人も言われたくないと思うよ」
え、なんでよ……。
なんか回重ねる毎に文章力が消えてる気がします。
全体的におかしいと思うので、その度修正します。あと、見過ごすと思うので教えて頂けるとありがたいです←偉そう