1対31
31人もの男相手に綺汐はどのような戦術をとるのか!!
地下都市にて31対1という絶望的とも言える戦いが始まった。
まず見た目として30人の男たちは、みんな共通な格好でスーツの上に肩パットの入った真っ黒な鎧をつけている。その鎧のデザインはこれと言うものはなく、触り心地としてはツルツルしてそうなイメージである。
門番の男は、30人の男たちとは違い、スーツの上に真っ白な肩パットのある鎧を装備している。その肩パットもまるで翼のように横に広がっていて動きにくそうである。
暗明綺汐は、黒のシャツの上にクリスタルのついた鎧のようなものを装備しており、真っ白でモコモコとした毛がついた真紅のマントにより左半分は隠れている。
右のガントレットは白色であるが刺々しいデザインで禍々しさをも感じる。
下半身はマントと同じ真紅の布のようなもので隠そうとしているが、左脚、右脚のそれぞれ白、黒、といった色の異なる禍々しいブーツが隙間からチラチラと見える。
腰には胴のクリスタルのようなものと似ているデザインのバックルベルトが付いている。
試合が始まっているのにも関わらず、チャレンジャーであろう綺汐が全く動かない。いや、正確にはプルプルと小刻みに震えているようにも見える。その様子を見て門番は1つの感想を持った。
「どうした?まさか今更、怖気付いたのか?まぁ、無理もない。圧倒的な差だからなぁぁ!」
「怖気付く?その逆よ...むしろ....ワクワクしてきたわ!!!」
その声を張り上げて綺汐は口角を吊り上げて嘲笑いながら近くにいた男に攻撃を仕掛ける。
右腕の白のガントレットで男の頭を鷲掴みにし、高笑いを上げる。掴まれた男はその異変に気づいたらしく両腕で綺汐の白のガントレットを我武者羅に殴り続けるがそのまま掴んだままであった。だが、数秒の間に掴まれた男は声にもならないような音を発したきり動かなくなった。
「...あはっ!アハハハハハ!!!!!!アーッハッハッハ!!!」
動かなくなった『それ』を最も人数が多い所へ放り投げた。『それ』は円を描きながら男たちへぶつかる。
『リタイア!!』
「な...なんっだと!?」「そんなバカな!」「ありえない!」「たった一瞬で!?」
男たちから恐怖にも似た感情と驚きの感情が混ざりあった言葉が口々に発し始めた。
それを聞いて更に笑みを増す綺汐。
しかし、男たちの負の感情が、攻撃への感情へと移り変わるのにそう時間がかかることはなかった。
男たちは次第に攻撃魔法や、攻撃アビリティを発動し始めた。
「『魔法・フレイムファイアー』!!」「『魔法・グリンドブレイキング』!!」「『アビリティ・極寒冷凍』!!」「『アビリティ・疾風迅風』!!」
それらの魔法、アビリティが放射線状となりゆっくりと回転し始めた。やがて全て1つとなり虹色ともいえる多彩な色素をもつ1種のレーザー放となりて綺汐に向かう。そしてついには鼓膜を裂くかのような轟音、身体ごと吹き飛ばされそうな爆風、そう、巨大な爆発が起こったのだ。
「やったかぁ!?!?!?!」
「ふ、ふはっはっはっはっはっはぁ!!!!やはり小娘如きでは30人もの相手をするには無理があったのだ!!」
この爆発を耐えきるのは不可能だろう。何故なら放った我々も無差別に吹き飛ぶのだから。それほどの威力をもつ技を直接受けて無傷で済む筈がないとここにいるだれもがそう思った。
...ただ1人を除いては。
「お、おい!あれ..嘘...だろ!?」
その1人の声で全員が爆発の後によってできた煙をよく見る。
すると、ゆらゆらと歩いてくる人影が見えた。
瞬間!煙に1つの穴ができ、そこから光速に近い早さで何かが飛んできた。
綺汐だ。その勢いのついたまま、1人男の顔を掴み地面に叩きつける。そこを中心として、半径5m弱の円...いや、クレーターができた。
そして、その体制からグッと姿勢を下げ、次の『獲物』へと向かう。
男たちの頭を掴んでは投げ、叩きつけ、殴り、蹴り...と様々な手段で攻撃を始めた。
「う、うぁぁぁぁあ!!!やめろ!!やめてくぇぇ!!!」
男達の無様な悲鳴に対して好奇の目で無慈悲に攻撃を続ける。
これはまさに1種の快楽そのものだ。勝利を確信した者共を圧倒的な力でねじ伏せる。身体にゾクゾクと震えが走る!!
5、15、20、25...のようにあっという間に門番以外の30人もの男を倒したのだ。気がつけば、綺汐の周りに倒れた者しかいなくなっていた。
「さてと...次は...門番ね?」
「貴様...その力は!!」
ん〜ん
無☆双☆
色々と好きな小説の影響を受けているな...と思いましたw
なるべく、オリジナルを重視して頑張りたいと思います!!
次は時間がある時にします