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13話 俺とヨーヨーと衝撃の情報

「ゴホッどうやら倒しちゃってるみたいですね……」

「みたいですねって、スライムがゾンビロードを?にわかには信じられねぇが結果は出ているしなぁ。」


俺も最初は信じられなかったんだけど、ヨーヨーは嘘をつかない正直なスライムだから真実だと俺は信じている。

しかしゾンビロードか。道理でヨーヨーのレベルが格段に上がっているわけだ。相当に強かったんだな。


「ん?よく見たらお前のスライム赤くなってないか?進化してるのか?」


え、今気づいたんですか?結構分かりやすい変化だと思うんだが。

まぁヨーヨーの種族について聞くチャンスか。この2人、特にブーシェさんなら何か知っているだろうし。

俺はヨーヨーの進化した種族がヴァンパイアスライムであることを告げると2人揃って首を傾げる


「私はちょっと心当たりが……ブーシェさん、知ってます?」


まぁパムルさんには正直期待していなかった。しかしブーシェさんも似たような反応という事は


「いや、聞いたこともねぇ。赤いスライムってのは大抵フレイスライムっつー火属性のスライムなんだが、ヴァンパイアスライムなんて読んできた本の中にも存在しなかったぞ。」


やっぱり知らないかー。だがそれだとヴァンパイアスライムは新種の魔物ってことか?確かヨーヨーは出会った当初の種族はスライム亜種だった。亜種のため、普通の進化と異なる進化をしたってことか?

うーん、じゃあ誰もヨーヨーがこれからどうなるか分からないってことか。

まぁいいか、面白そうだし。


「ゴホッま゛ぁヨーヨーのことはこれから少しずつ知っていくんで大丈夫です。それより、ほら。報酬ください。」

「あぁ!そうですね、すみません。それではこれが今回の報酬です!」


どすんと俺の目の前にデカい麻袋が音を立てて置かれる。あれ?多くない?


「ゾンビロード討伐の報酬分の上乗せですよ。これ結構すごいことなんですからね?」


これはありがたいな、有難く受け取ろう。

んでもってこの金で今回の功労者、ヨーヨーに美味しいものでも食べさせてあげようじゃないか。


「ってかケンよ。お前妙に咳してねぇか?まだ風邪か?」

「ン゛ンッいやぁ、風邪は直ったんですけどねぇ、どうにも喘息になっちまったようで。」

「そりゃ災難だな。まぁあれだ。喀血症ってわけじゃねぇんだし、薬飲んでゆっくりしときな。治らねぇ病気じゃねぇんだし。」

「ハハッそうしますよ。それじゃ――ん?」


麻袋をアイテムボックスに詰め込み、外に向かおうとした俺の耳にブーシェさんから何か重大な単語が聞こえたような。

帰ろうとする体を無理矢理回転させ、受付に戻る。書類を片付けていたパムルさんとどこかにいこうとしたブーシェさんもぎょっとする。

だが今はそんなこと関係ない。重要なことじゃないんだ。


「ブーシェさん今何て言いました!?」

「は?そりゃ災難だな?」

「次!」

「喀血症ってわけじゃねぇんだし?」

「その次!」

「薬飲んでゆっくりしときな、治らない病気じゃねぇんだし?」

「はいそこっ!!!」


俺のいた世界では喘息を治す特効薬なんて存在しない。薬はあってもそれは症状を抑えるだけで喘息その物を消す作用はない。

だが今ブーシェさんは言った。治らない病気じゃないと。

つまりこの世界には


「あるんですか!?喘息の特効薬!」

「あ、あぁ。あるぞ?」


マジか!流石異世界!喘息を治す薬なんて存在するのか!ってかどんな薬なんだよそれ。

ブーシェさんのいう事なら信用できるが、アレルギーが一番の原因だと言われる喘息を治せるって元の世界の人が聞いたら喉から手が出るほど欲しがるだろうな。それほどの薬だよ。


「雑貨屋に行ってみな。多分あると思うからよ。」

「わっかりました!情報ありがとうございます!」


俺は駆けた。雑貨屋を求めて一目散に。






その前に喘息持ちなの忘れ、急な運動により途中で発作が起こって悶絶したのは内緒だ。

ゥオェッゲホッ

病気を主題として挙げている以上、皆さまが体験したことのある病気が作中に出てくる場合があります。

症状の表現がおかしいものもありました際にはご指摘のほどよろしくお願いします。

喘息は私は罹っておらず、ネットの情報のみで書きました。そのため無意識に不快に思われるであろう文を書いてしまう可能性のありますので、もしやってしまったらお叱り頂けると幸いです。

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