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本日2話目です

 二人の交際は順調に進んでいだ。

 たいていは週末にどこかへ行くか篤の部屋で過ごす。試験前には心優の自宅で家庭教師も務めた。

 時々熱が出たり体調が悪いこともあったが、入院するほどでもなく自宅療養ですむ程度で、たいていは篤が出向き診察した。


「彼氏が医者だと便利ねぇ〜」


 と、母は言うけれど心優は恥ずかしくてたまらない。


「なんかずるくない?」


 ものすごく忙しいはずで、なんだか悪い気がして気が引けるのだが、麻子は笑うだけだ。


「篤さんも心配で仕方ないのよ。自分で心優の状態を確認して安心したいんだから良いじゃない」


 篤に言っても同じだ。来なくても良いと言う心優に

『直接心優を診ないと心配でたまらないし、心優に会う口実が出来て嬉しい。医者で良かったよ』

 などと臆面もなく言ってのける。

 キスだって、頬とかおでことか瞼とか…

 もう恥ずかしくて恥ずかしくて全然慣れない。

 大人っていうか、経験値が違い過ぎる。


 そう。あまりにも違うのだ。それは過去恋愛経験のない心優にもわかる。篤は大人だから今までに絶対誰かと付き合ってそうゆう関係にあったと思う。

 なのに心優と付き合い出して半年。ハグと触れる程度の軽いキスだけ……


 それで良いんだろうか?


 学校では性教育の授業はあるし、経験のある友達はそれなりにいて色々話は聞く。女子校の会話は反応に困るくらいかなり明け透けだ。

 男の人は我慢出来ないって聞くけど、篤はそんな素振りを見せない。

 それとも心優と出来ないから他の人と……って想像しかけて慌てて首を振る。篤さんはそんな人じゃない!って思いたい。


 誰かに聞こうにも、実のところ心優は篤のことを友達には内緒にしている。年齢の近い彼氏ならともかく、一回りも年上の大人となれば皆の興味好奇心の的になるだろうし心優自身どこまで話して良いかわからなかったから止めておいた。

 実際止めておいて本当に良かったと今は心から思う。どう見ても心優達カップルの進展が一番遅いんだから……


 何を言われるか、たまったもんじゃないわ………


 あぁあ〜とクッションを抱き込む。


「あらあら、どうしたの?」

「なんでもない」

「なんでもないじゃないでしょう?

 篤さんが、どうかした?」


 先ほどの流れから何を察知したのか、麻子が面白そうに笑う。


「恋愛相談なら、お父さんに内緒で聞くわよ。

 何か気になってるんでしょう?」

「なんで……」

「あら、わかるわよ〜経験値の低い心優が一人で悩むより

 篤さんに直接聞いてみる?」

「無理!無理無理!」


 慌てて打ち消せば、麻子がさらに笑う。


「ほらね。じゃあ、試しにお母さんに話してごらんなさい」


 んんん〜〜………………

 暫し躊躇したが、自分でいくら考えても答えはわからない気がする。だったらダメもとで母に言ってみるか…


「あのね、彼氏のいる友達はね、その……彼氏と色々…してるの。

 でも、篤さんは……その…そんな素振りがなくて…

 私…お子様なのかな?魅力ないのかな…?と思って……」


「あらあら……

 心優、まずこれだけは言っておくわ。心優はとっても魅力的な女の子よ。でなきゃ、あの篤さんが付き合うわけないでしょう?」

「そうなのかな……」


 憂い気な娘はいつの間にか色気を纏いハッとするほど美しい。恋をして愛されるだけで人はこんなにも美しくなるのかと麻子は改めて感心していた。


「そうよ。親の欲目を抜いても心優は素敵よ。

 それに、篤さんのこと信じられない?かなりもてる人だと思うけど、心優一筋じゃない。

 篤さんの場合は、一生懸命心優の為に我慢してくれているだけよ。不安なら篤さんに聞いてごらんなさい。ちゃんと答えてくれるから」

「………」

「じゃあ、心優はどう思ってるの?篤さんとしたい?」

「えっ……そんな、急に言われたって……」

「でしょう?心優の準備が出来てないんだから、篤さんが何かしてくるわけないじゃない。

 篤さんは心優のことを待っているだけよ」


 私の為?母にそう言われてしまったらなんとなくでも納得できた。

 やっぱり心優がまだお子様なだけ。わかってはいたけど、先に進んでみたいけど…まだちょっと恐い。

 複雑だけど、ちょっぴり安心した。

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