『世界』
その『世界』は平和だった
偉大なる精霊に守られ生命は謳歌し『世界』に満ち溢れ、強き幾多の神々の加護により、生命に知恵が生まれ文明を創りあげ、無数の種族による雑多な文化が交じり合う『世界』
価値観の違いや、教義の解釈による争いで小国家が滅びたり、種族が絶滅したりすることがあっても、それは『世界』全体からしてみれば些細なことに過ぎず、むしろ新たに生まれる、国や種族、技術や文化などで作り出される活力の総量でいえば、プラスに働くぐらいだった
だがある日『世界』は危機的な気配を感じる、放置すればわが身に満ちる生命の大半を滅ぼし、それだけに止まらず、『世界』そのものが檻に閉じ込められその成長を阻害されかねない気配だ。
『世界』は恐れた、生命が減ることはしょうがない、今までも在ったことだ。
他の『世界』の欠片や力の放射が強くなり『世界』を守る幾重もの衣を突き抜けて降り注ぐのは過去に幾度も在った、そのたびに衣を濃く厚くし生命を強く多彩に増やしてきたのだ。
だが檻は駄目だ、『世界』を見張り閉じ込めるだけで無く、その生命の成長も監視し制限しようとする
内部の変化の抑制だけでなく、外部からの刺激も制限される
『世界』の成長とは内包する生命の認識の拡大を意味する
生命が多様化し、総量が増え、文化が発展していけば『世界』は広がる