9、幸和子の手紙
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お元気ですか?
初めてお会いしてからもう十年も経つんですね。あのときは随分お世話になりました。
披露宴ではお会いできませんでしたが、とても忙しくなさっていたということなので、わたしも表向きはそれで納得していることにいたします。
ほんとうの理由は夫に聞いて知ってますけどね。三人の秘密ということにしましょうか。
さて、本題に入りましょう。ひとつお願いがあるのです。
あなたにお名前をいただいた娘が、どうしても誕生日会にあなたを呼んでほしいと、昨晩から頑張っています。
もしご都合がよろしければぜひうちにいらしてくれませんか? 顔を見せてくださるだけで娘もきっと喜びます。
追伸
近ごろ娘がませてきて、「みきおじちゃんと結婚する」だのと言いだしたので、夫はなにかと不機嫌です。わたしはそれを見て毎日笑いを堪えるのに必死です。
井島幹樹さま
木崎幸和子
(了)
*井島くんをもっとつついてみよう計画。
初めましての方もお久しぶりですの方もこんばんは、実アラズです。
サークルにて半連載中の警察シリーズですが、第一弾の亡目以外をまだなろうに持ちこんでなかったので、今さらながら投稿させていただきました。冊子に載せた形式上は短編のはずなのですが、妙に長いため分割して長編という体裁ととらせていただいております。
転載にあたって誤字脱字の修正をしました。が、どっかでひとつ見落としたきりどこだったか忘れてしまったので、まだどこかに残念なミスがあることと思います。加えて、水鏡の話で車に乗るシーンを落とすというふざけたミスをしでかしておりますが(場面転換の説明なく高任警部が「木崎、運転中は前見ろ」と不思議発言をかましてます)、自戒のためわざとそのまま掲載しました。
その他、読みにくい・わかりにくい個所や誤字脱字変換ミスなどお気づきになられたら、お気軽にご指摘ください。今後の参考にさせていただきます。
では、またお会いできることを祈りつつ。
2012年2月4日、実アラズ