第8話 Burning inside(たい焼き作戦)
!超危険任務発生中!
『レベルアップを解決せよ』
ギルド・森林最奥支部すぐ横、大森林 “フォレステスト” 。この国で最も広大で最も深くて、最も危険な森…………。
ここはフォレステストの中でも、幹が太く葉が多い、頑強な木が集まる地帯。
【 カロ VS 緑王 】
バキバキ…ベキベキ…ムキムキ……
「またかっ……!!」
ゴッッッッ!!!!!!
「ウッ……重い一撃だが、芸はないな!幹を絡ませ伸ばし大きな槌を作るだけ!でも結局お前はただの木だ!!なら、もういいかな!?」
ボッ…ボッ…ボボボボッッ!!
「…灼き払う…」
〈焼燬山岳〉!!!
カロは己の能で、 “焼き尽くす” ということしか出来ない。それはカロの制御がままならないだけでなく、『燠』という能が強すぎる、というのも要因の一つである。
故にカロは最低限、 “焼き尽くす範囲” を決める。
〈焼燬山岳〉は高さ優先の “焼き尽くし” ………………その高さ優に、3,000mを超える!!
「あんまり森を焼いちゃアカンと思って高さ優先の山岳にしたが…………結構焼っちゃったな…………」
ズズズ……
「まあ致し方なし!それより早く助けに——ズブ
(——!?……貫かれた!?)ビュンッ!!
「グハァッ——!!?ウ…………ウゥ…………」
(違う…………突き飛ばされただけ……でも……)
「今度は、幹の槍か…。にしても二体目とは……いや、樹木型マモノだもんな。木に囲まれてるうちは敵に囲まれているに等しいか…………なら、もう一度……!!」
(焼燬山岳!!)
プスンッ!!
「ぽへーー」
ズン——!!!!
「グハァッ!!」
(な、なんてこった…………!最悪だ!!
す…………空振った………………!!!!)
「クッ…………もう一回!」
プスンッ!!
「ぽへー」
ズン——!!!!
「グハァッ!!
…………クソッッ!!さっきまでと同じだ!!」
(それに、あの “木の槍” !あれが厄介だ!思ってるより威力がずっと高い!)
それもそのはず。槌・槍・棍棒…… 多くの武器が木偏を持つのは何故か。堅く靱やかな木材は、金属が台頭してくるその時まで、最も闘いに適していたのである。
ズズズズズ……………
「おいおい嘘だろ……」
つまりして以てして、樹木型マモノ……言い換えれば全身武器マモノ……となる訳だが
ズシン…ズシン…
「他の木を吸収してる…?いや……、それだけじゃない。幹と幹が絡まって……大きな……人形に……」
——巨木人——『緑王』
こうなってしまっては、無敵と言う他ない。
(人型に近付いた以上、恐らく強さは跳ね上がっている。槌も槍も、さっきみたいに幹を伸ばして戦えるんなら、数は無制限と考えるべき。というか既に、両手に……なんだあれ、棍?また殴られるのか…………。
何より………………火が出ない…………)
「でも、勝つしかない。いいね、燃えてきた…!」
ゴンッ——!!…………!?
「どうした木偶人形?さっきまでみたいに俺の身体が吹っ飛んでいかないのが不思議か?……秘密を教えてやろうか。気合いだよ。地面に根を張ってやっとこさ立っているお前には分かりづらいかもしれないがな」ガシッ!!
……!?……!?
「俺の能…『燠』は、読んで字の如く燠火のように、どれだけ俺が失敗っても芯は燃え続けている……俺の内側は常に高熱を携えている……!
チチチ……ボ!! ……!?
お前が木である限り、俺が触れ続ければいつかお前は着火する。どうした?驚いてばかりじゃないか。
……!! ズバ——!!!
燃えた部分を切り落としたってことは、火が燃え広がると困るって事だよな?……勝負の方法は決まったな…………。お前が灼き尽くされるまで、俺が攻撃を耐え続ける。耐焼作戦だ!!」
ザワザワザワザワザワザワザワ!!!!!!!
木の葉の騒めきが音と成る。
森ハ……怒ッテイル……!!
「人の身勝手さにか?奇遇だな……そういえば俺もだ」
焼燬 ⋯⋯焼きつくすこと。




