第7話 Encounter(危ないヤツら)
!超危険任務発生中!
『レベルアップを解決せよ』
「さて…………全員と逸れた訳だけど、あいつらマモノと遭遇したかな?えーっと確か(ゴソゴソ…)あった、カーラさんから聞いた話によれば、レベルアップのマモノは三体発見されている……か。
まず一体目——」
「……なんだかこの辺り……マモノの気配がするな……」
サワサワサワサワ…………
「……木々が騒めくだけ……か。気が立ってるのか……気配を感じたのは気のせい
——ゴッッ!!——(木の幹が絡み合った大槌にいきなり横から殴られる)
ウッ!!……いや……木のせいだったみたいだな…………!」
「幹や根を用いた奇襲を行い、場所が森林ゆえその全貌を把握することすら叶わない。自分以外の全てが敵となる樹木型マモノ、 “森林代弁者” こと『緑王』。
そして二体目——」
グルルル…………
「………………はっ!俺は一体何を……倒れていたのか……?」
グルルル…………
「随分長いこと歩いていたのは覚えているが……いや、そんなことより……」
時間が凝縮されたような空間を、切り裂くように存在感が現れる。その正体を五感は必死に探り、思考は焼き切れるほど巡り続ける。
そして気付く。目の前の存在は何だったのかではなく、ただ目の前の存在に恐怖していたのだということを。とっくに理解っていたのにも関わらず、認めたくなかっただけだった、ということを。
何故なら目の前の存在は、自分をいとも簡単に殺せるから。
「なんだ?虎」
この男を除いて。
「氷れ」ヒヤ——ヒュンッ
「…!?俺の氷を避けるのか……疾いな。だがな虎、あまり図に乗るなよ?お前が俺にとってどれだけ脅威になろうとそんなことは些末なことなんだ。何故なら俺には今、皆に置いてかれたかもしれないという危機に瀕しているからなぁ!!」
「機敏、俊足、電光石火……「速い」という意味の言葉を全て置き去りにする速度。気付いた時にはこちらが狩られる側の猛獣型マモノ、 “刹那主義暗殺者” こと『迫虎』。
そして三体目——」
バサ……ッ!バサ……ッ!
「お姉ちゃん!見て!大っきな鳥さんが飛んでますよ!!」
「本当ね。本当に大きいなぁ、それでいて真っ黒」
「わぁっ!はばたいたら風が!すごい!」
(風を怖がってない……)
「楽しい?カミラ」
「うん!あの鳥さんみたいに飛びたいですね!」
「……そうね!でも……気を付けないといけないぜぇ…です!なんたって……今日の天は荒れるからなあ!です!」
「真っ黒な巨軀が空を覆うと、夜が訪れたのかと錯覚する。小細工は要らない。デカい奴が飛んでいる、ただそれだけで人間にとって甚大な脅威足り得る。飛鳥型マモノ、 “闇天支配鴉” こと『黒宗』。
以上三体が目撃された “レベルアップ” ……。
お前もリストに入れた方がいいか?『猿』」
「適当な名だね、随分と。そのリストとやらには加えなくていいよ」
「名前が気に入らなかったか?」
「喋るマモノを見ても驚かないか…………とてつもなく肝が据わっているのかはたまた間抜けか……。いずれにしても、君のネーミングセンスへの失望は関係ないよ。リストに加えなくてもいいと言ったのはね……どうせ君がここで死ぬからだ」
「ちょっと喋れる程度で有頂天かぁ?猿は単純でいいね〜」
「……フフフ。大口を叩くのは目の前の相手の実力を測れない奴と相場は決まっているのだよ。分断に加え我々レベルアップと相対した不運。これを理解出来ていないのかな」
「不運?…………ハハハ、理解出来てねえのはどっちだよ。一つ賢くしてやるよ、猿。大口を叩くのは目の前の相手が取るに足らない場合もあるんだぜ?なあ、『遭遇っちまった』のはどっちだと思う?」
「……何?」
「チーターズの面子をナメすぎだ」
「八つ当たりだが、ここら一帯灼き尽くせば終わるか」
「腹が痛くなる前に終わらす。氷らないうちに逃げるといい」
「思いっ切り遊び尽くそうね、鳥さん」
「さあ、始めようぜ……マモノ共」
異世界に
漢字があったって
いいじゃない




