第5話 LvUp(突然訪れる)
チートみたいに強いのに、欠点が大きすぎる!!
最強にして時に最弱!問題児だらけのパーティー!
その名もチーターズ!!
「シリトさん、チーターズの皆さんを集めてください」
「え、そんなカーラさん!オレたちは確かにここ最近問題ばかり起こしてますけど!でもそれでも、ここで切って捨てるだなんてあんまりじゃないですか!!」
「はあ……違います。緊急事態です」
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「……集まっていただき、ありがとうございます。ちなみに……なんですけど……」
「はぁ…………はぁ…………」ガタガタガタガタ
「イヤダシニタクナイイタイノモイヤダコロサナイデイタメツケナイデ許して許して許して許して」ブツブツブツブツ
「「 ………… 」」ブルブルブルブル
「皆さん私のことをなんだと思ってるんですか!?」
「え……切って捨てるよりも酷い緊急な事態が始まるんじゃないんですか……?」
「なんて伝え方したんですかシリトさん!!」
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「改めまして、集まっていただきありがとうございます、チーターズの皆さん」
「本当に、こんなに改まっているカーラさんを見るのは久しぶりですよ」
「茶化すなザクス」
「今回集まっていただいたのは他でもありません。皆さんもお気付きになられているかもしれませんが、ここ最近増えているマモノの任務についてです」
「確かに、ここ最近は多かった方だとは思うが……カーラさんほどの人が、それほどまでに表情を曇らせるものなんですか」
「——!顔に……出てましたか。カロさんの仰る通り……いえ、それ以上に事態は深刻です。ここ一月ほど、異常なまでのマモノ討伐任務の発生率………幸い命に関わる重傷者はいませんが、負傷者は既にギルドの容量を超過しています………。
そして調査の結果………… “レベルアップ” が起こっていることが分かりました」
——レベルアップ——
マモノは千差万別であるが、 “強さ” で括って階層ごとに分けると、不思議なことにピラミッドのような生態系を成すことが共通事項として確認されている。
つまり、弱い者ほどより多く、強い者ほどより少なく存在するということ。
だがある時、不意にマモノの数が多くなり、今まで強いとされていた階層のマモノが増えることがある。これはつまり、今までピラミッドの頂点にいた者たちの階層が一つ下がったということ。
新たなる頂点が現れた、ということ。
これを通称「レベルアップ」と言い、文字通り、マモノが強大化する一種の災害である。
「ご存知かと思いますが、レベルアップに対処する方法は一つしかありません」
「……それはつまり、新しく生まれた頂点を墜とすこと。ピラミッドのレベルを元に戻すにはそうするしかない」
「はい……。本来であれば増援を待ちます。ですがここは本部からも遠い……そこで、チーターズの皆さんならもしかしたら、と」
「…………納得いきませんね」
「そう…………ですよね………。すみません、こんな危険な任……
「違いますよ」
「え?」
「オレたちが言いたいのはそこじゃない。だろ?お前ら」
「ああ!」
「そうだな」
「かかってこいやです!」
「です!」
「こんな時まで揃わねえなお前ら……。要はねカーラさん、そんな申し訳なさそうに頼んないでくださいよ。いつもみたいに厳しい口調で、『勝ってこい』ってパシればいいんですよ!」
「シリト……さん……」
(昔から……どれだけ仕事をこなせても、私にできることは “できること” まで。 “できないこと” を託すこの瞬間のこの苦しさに、私はこの仕事に向いてないのだと思ってしまう)
「分かり…ました」
(だけど——
「では、チーターズの皆さん」
——それでも信じて託せるから、チーターズは最強なんだ……!)
「ギルド・森林最奥支部『木漏れ日』、支部長カーラの名の下に、レベルアップの解決任務を言い渡します!」
「「「「 はい!!!! 」」」」
「しゃあ!行こうか!」
おお!やってやるです!総てを氷らす…!お腹冷やさないでくださいね?
「シリトさん」
「ん?どうしたんですカーラさん」
「『勝ってこい』とは言えません。レベルアップは各地で過去何人も死者すら出しています。ですから……
『帰ってきてください、必ず』
「…………任せてくださいよ」ニッ
!超危険任務発生!
『レベルアップを解決せよ』
カーラさん、ちゃんとシリアスに見えただろうか……(不安) ま、今さらどうにもならないですけど。
カーラさんは23歳で名前の由来は “辛口” です。仕事ができるが故の簡潔かつ的確な酷評によって、最恐の名を恣にしています。




