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相思華  作者: 夜空 星
4/5

気になるアイツ

家にいても、葉はうるさかった。

食卓で、宿題もそこそこに、声を弾ませて言う。


「なぁ花、クラスにすげぇやつがいるんだよ。琥珀って言うんだけどさ、まさか同じクラスに生徒会長がいるなんてびっくりだろ? テストも首席から落ちたことないんだって。マジですげぇよな」


僕はスプーンを置いて、少しだけ笑った。


「ボク、知ってるよ。入学の時から先生たちの間で“神童がいる”って噂になってたから」


「やっぱり花も知ってたんだな」

葉はうなずきながら、少し真面目な顔になった。


「琥珀ってさ、運動もできるらしい。でも……なんか話しかけづらい雰囲気あるんだよなぁ」


そんなことを口にする葉は珍しかった。

人を気にかけるなんて、もっと珍しかった。


――だからこそ、僕の心はざわざわした。


葉の知らないところで、新しい友達をつくるなんて。

その想像だけで胸の奥が熱くなる。


「……葉は琥珀君と友達になりたいの?」


問いかける声が、少し震えた。

葉は顎に手を当てて、曖昧に笑う。


「友達……かぁ。そうかなぁ。なんか気になる存在なんだよな。話しかけてみようかな」


――ダメだ。


僕の胸の中で、声にならない言葉が渦を巻いた。

葉の世界に、ボクが映らなくなるなんて、許せない。


兄さんは、ボクのものだ。

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