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【Another】星の代理戦争~Twin Survive~  作者: 一 弓爾
二章 星の代理戦争 後編
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九十七話 修行の成果と因縁の対決

 その日以降、一週間は修行の時間が主となった。


 ここ一週間、カイザーと比賀は二人で集中して修行したい技があるとのことで、別行動をしていた。


 ◇◇◇


 ――七日目。


 今日も光葵、頂川、綾島、朱音でアジトから少し離れた山で修行していた。


「全員かなり強くなったんじゃないか? 動きのキレも上がってるし、魔法の出力も数週間前とは大違いだ」


 光葵はみんなに声をかける。


「おう! 綾島さんと修行してから『知覚力、感覚』が上がって今までとは見える世界が変わったみてぇだぜ。魔法の扱いも上手くなった気がするしな」


 頂川が快活な笑顔を見せる。


「だね。頂川君と修行できたのは本当によかった。私も見える世界が変わったし、魔法の出力調整、魔法の技の種類も一気に増えたよ」


 綾島は穏やかに微笑み返す。


「いいね! みんな強くなってる! 私も前よりマナ出力の調整が上手くなったし、魔法の技の種類も増えた。戦力になれるように頑張るね! そういえば、光葵も新しい魔法の練習してるんだよね! どんな感じなの?」


 朱音が明るい表情で尋ねる。


「《想像的生成》の方は実戦で使えるくらいになったんだ! 『攻守』と強い魔法が使えるようになったからよかったよ。あとは《理の反転》だな……。この魔法は扱いがかなり難しくてな……。実践で使えるほどではないんだ……」


 光葵は後頭部に手を回す。


「《理の反転》は前に光葵に教えてもらったけど、理解するのも難しかったよ……。少しずつ感覚を掴んでいければいいと思う!」


 朱音が笑顔で言葉を返す。


「そうだな……。早く強くなりたいけど、焦りは禁物だよな。今日のところは、修行はこれくらいにして、休んだらアジトに戻ろうか」


 光葵の言葉に、全員賛成とのことで、持ってきていたお弁当を食べてアジトに向かい戻っていく。




 みんなで話をしながら帰っている途中で守護センサーが反応する。

 全員の顔に緊張が走る。


「商店街の方だな。あそこはもうさびれてるから人はいないだろうな」


 頂川がゆっくりと声を出す。


「……行くってことでいいか?」


 光葵は短く全員に問いかける。


「そうだね……。今私達は四人いる。勝率は高いと思う」


 綾島が賛成し、他の者も同意する。



(影慈いこうか)


 光葵は念じることで影慈と会話する。


(うん、みっちゃん。新しい技もある。一緒にみんなを守ろう……)


 影慈は落ち着いた口調で応えてくれる。


 ――〝人格共存〟左右の瞳は琥珀色、陰のある黒へと変わる――。




 広いが寂れている商店街に着くと、そこには三人の敵がいた。

 美鈴、志之崎、至王だ。


「会いたかったよ、お兄ちゃん達。すぐ殺してあげる……」


 美鈴が狂気じみた瞳を向ける。


「美鈴、無茶だけはするなよ。俺もいる……。一緒に仇を取るぞ」


 志之崎は静かに話す。


「フハハ。どうやら、因縁があるようだな。どうする? 分断するか?」


 至王が問う。


「あの天パは確実に殺したい。俺の魔法で分断する」


 志之崎の声が殺意を帯びる。


「分かった。そこは任せる」


 至王は短く答える。


「《風魔刀――駆天風魔くてんふうま》……!」


 志之崎の詠唱と共に、縦五メートル程の巨大な風の斬撃が飛んでくる。


 凄まじい速さの斬撃で光葵達は二組に分断される。

 光葵、頂川組と朱音、綾島組だ。


「まずはお兄ちゃん達からだね……」


 美鈴の《インビジブルゴーレム》が光葵と頂川を、商店街の別の区画へと一気に押し出す。


 志之崎もそこに続く。


「ぐっ……。前よりも出力が上がってる。頂川! 複合魔法で弾くぞ!」


 光葵が雄叫びを上げるように声を出す。


「おう! いくぜ! 《複合魔法》《闇魔法×雷魔法――黒雷こくらいの鉄拳》!」


 光葵の闇魔法を頂川の拳に纏わせて、強烈な一撃を放つ。

 結果、インビジブルゴーレムを弾き飛ばすことができ、地面に着地する。


「あの見えない攻撃は本当に厄介だな。しかもパワーが上がってる」


 光葵は思う。末恐ろしい少女だ……。


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