シチューとハムエッグ
ハムエッグとシチュー講座など美味しい料理の回です
ギルバートが部屋を出て行ったあとに熊からやっぱり天然だなって言われたが、なぜそうなるとツッコミつつ朝食も食べとくかと提案され一瞬悩む。
夜と同じ味がなあーーと呟いたら、簡単なハムエッグとシチューもう少し手の込んだのを思いついたらしく実験感覚で試験料理作ろうと思ってたら俺らがいたんだと言われ謝っておいた。
「いいんだって、それよりも食ってみるか? なんだったら味の保証も欲しいしよ!」
「いいねえーそういうノリ。俺好みになるけどアドバイスやるぞ!」
「あー頼む!」
フライパンにハムっぽい燻製肉を入れてはあるが、見てる限り日本のより燻製してるような感じが甘いような気がする。
一切れもらい味見するとやはりと思うが、まだここは俺も試すのには材料が足りない気がするので黙っておく。
「ハムはどんな感じだ?」
「......まだ弱いな、味もまあまあだしー。材料次第だからいくつかまだ調整する必要ありかな。」
「そうか、これも今後の課題か。」
顎に手をあて悩む熊にちょい和みつつ、協力してやるから楽しもうぜー料理も挑戦と探究心が重要だからよ! と告げるとガハハと笑い。
そこは頼むと言いながら、ハムが少し焼けた頃合いに玉を割り入れ塩と胡椒を少々入れてフタをし蒸し焼きにしていく。
だいたい2、3分ぐらい蒸して蓋をあけてからお皿に盛り付ける。アドバイスは蒸し焼きと味付けだけ。
食べる時は好みで醤油かケチャップとマヨだが、俺はシンプルに醤油派である。
ケチャップとマヨねーんだもん。
あとシチューだが、ここはペシャメルソースを作る必要があると教えると熊がなんじゃそれと言われ、熊よお前のシチューは何作る気だったんじゃとつっこんでもうたよ俺は。
で、何を作るつもりだと教えてくれたのは昨日、俺が作ったのをアレンジするつもりだったんだらしい。
俺はてっきりクリームシチューでも作るのかと思ったのだが違ったようだった。
「ふむ。じゃあー汁物系に変更でやるか。」
「いやー白夜の言ったペシャメルソースだっけか? それの仕組みと作り方知りたいしよー。出し惜しみすんな、教えろ!!」
探究心で目がギラギラさせる熊がこええーなー。
「了解、少し面倒くさいが工程さえミスらなかったら美味いぞ! まずはなバターを50グラム鍋に入れるて弱火で温めてみ。」
熊は小鍋の鍋に切り取ったバターを炒め溶けた時に、小麦粉を入れる。量は大さじ2杯から3杯をよく混ぜ合わせる。
次に牛乳100ccを入れてひたすら混ぜていくと、とろみあるクリームができるのだ。
「ほほうーー美味しそうだな。」
「まあーな、でだ! ここに海鮮のエビとかイカとかマカロニあると良いんだが、ないよな?」
「うーむ、海の幸はだいたいはいまは取れてないしな。マカロニってのはわからん。」
「まじか! マカロニも色々種類あるからなあー。材料開発がまじ必要だなあーー。まあーないもんはしょうがないねえし、シンプルオブザベストで卵とほうれん草入れて味付けに塩胡椒、出汁のもとは昨日作ったから少し入れて作ろうぜ!」
「ああーそうするか!」
溶き卵を温まったシチューに回し入れて、ほうれん草を刻んだのを入れて調味料を入れコトコト煮ること10分後には美味しそうな匂いが充満する。
「美味そうだな、味見してみるか........うっ!!! うめえええええええ!!!!! なんだこの濃厚な風味と喉に通る時のまろやかな喉越し、舌に旨味がのミルクと卵が合わさると喧嘩することなく仲良くマッチしている。」
「食レポ上手いな、俺もちょいと味見っと。うんうん、いつも作ってる家シチューだ。」
本来なら少しのチーズとか入れたかったんだが、ないっぽいしな。
「少し遅くなったが食うか。」
「だな、熊のおっさんの手料理挽回できるといいけど。」
「白夜ーてめえー。」
「ははは、俺が手伝ったんだ、不味くなんねーっての。あと冗談なんだから怒んなって!」
「......はあー、怒るだけおまえの手のひらで泳がされてる気分になるな、もういいーー食うぞ!」
熊が思いっきり疲れたような態度にくくくと笑い、早いようで遅い朝食を食べたのだった。
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お腹も膨れてから俺は部屋へと戻ろうと廊下を歩いていると庭だろう庭園が見えた。
行きは料理の事でいっぱいだったせいもあって見回ってなかったっけと思いつつ眺めていると陽の光がサンサンと降り注ぎ、淡い風が仄かに吹くと庭園の花の香りが鼻腔をくすぐる。
「近くでみたいが、まだ変に見て回ってギルバート達に迷惑かけられんしなあー。」
だいたいが間違えて俺を巻き込み召喚したんだろうから、上とかに色々と動かないといけないと思うんだよ。
ラノベじゃー王様だっけ? その人と謁見したりとか色々あるんじゃなかったか?
それに熊も城の中って暴露してたし、変に俺という存在がどう出るか? って事や処遇もあるんだと思うのだ。
ギルバートにシスイやアオイも立場とか聞いとかねえとなーー今後の行動取るにも冷静に整理して行かねえと生き残れない気がするしな。
「最初にいた部屋に行っておくか。」
あんまここにじっとしてると他の騎士とか職質されたくないからな。
方向転換で部屋へと向かっていると僅かに視線を感じキョロキョロ見るが、誰もいないかと思い部屋へと歩いていたが、この時俺は気づいていなかった。
ほんの僅かだが黒い鴉がバサっと飛び立ち木々の葉が揺れていた事に。
最後まで読んでいただきありがとうございました♪
少しの怪しい動きなどが今後関わる展開ですのでお楽しみの