料理研究は口喧嘩から始まるもんらしい
白夜に熊扱いされるグランであった。
大きい影と迫力が威圧し、近くにくればわかるが片目に傷があり料理人ってよりはやっさん系にいてもおかしくない風貌に後ろに束ねた髪はオレンジで首筋に刺青がある。
大きいな菊っぽいな。
「へえーあんた近くでみればみるほど熊っぽいな。」
「.......は? 熊だと!!!」
「体格的に熊じゃん、あーだからあんな荒い料理作れるのかー納得!」
「!!!! てめえーーいまなんて言いやがった!」
ギロっと眼光に鋭さが現れ、俺の服の襟を掴む力は本気のようだ。さすが料理人だな、料理貶されたら腹立つと見える。
ちらっと3人をみたら喧嘩止めようとしているみたいだが、ここで止められると困るんだよなーーこういうやつの扱い慣れてるからと気づかれんように3人にサムズアップしておいた。
「同じ事を俺が言わんと理解できないほどに耳悪いんだな、もう一回言ってやるよ荒くて不味い料理は風貌に関わるんだな!」
「...............てめえええええええ!!!!」
「ふ、やっぱりこういうやつ....扱いやすいなああーーーー!」
サッと掴まれた服から素早くかわしたあと下へと回りこむと足蹴りし体勢を崩した後に背負い投げで投げておいた。
熊は廊下に当たりドンとあたり俺は手の誇りを払う。
さすがに厨房にあんな図体でかい熊はあてられんし、貴重な料理場を汚すのは俺のプライドが許さん。
「あ、やべ! 思いっきり投げ飛ばしたが熊は大丈夫か?」
廊下みれば熊はいってえーとか軽い口調で頭を撫でて座り込んでいた。
「ほうー結構頑丈じゃん。ってうわーー。」
急に後方に引っ張られ体勢が崩れそうになるが、引っ張った方向を仰ぎみればギルバートが何故か怒っている。
左右にも怒りモード炸裂してる2人がいた。
「何か怒ってませんかね?」
「自覚なしみたいですぜギルっち。」
「反省してない態度ですよギルバート。」
「びゃーくーーやーーさーーーん!!!!」
「ひえええええ!!」
この後に思いっきり説教されたーー小30分ほどに。
何故に怒られたんだと口走ったら説教延長コースにいきそうになったものの、熊の料理長が止めてくれた。
おーありがてえーと感謝したのだが、熊料理長が止めた理由は俺自身の身体能力とか気になるのもあるがとか口濁しをしてたものの、料理が本当に不味かったのかと詰め寄られた。
いやーだから迫力と威圧してくんなっての。
「嘘偽りなく不味い!」
ピキ、ピクピクと眉が反応しているがグッと我慢しているようで何処がどうー不味かったのか言え!! と見下される。
くそー俺も背はまあまあー高いのに、身長高いとムカつくな。
ムカつくから思いっきり色々と言っておいた。
まずはここに調味料は塩しかないのか? とか思ったが実は調味料はまあー多少なりにもあり、組み合わせが実験程度でしっかりとした物になっていないらしい。
だから大概は塩だけで塩茹でとか、醤油漬け時間短縮とかして味染み渡る前に焼くだけでタレもお粗末らしかった。
ほかにも料理工程聞いたら、色々間違えた知識があったり足りない調味料があったりとあったようだった。
で、俺たちが酒の肴に食ったものは、熊なりには頑張って作った自信作であったために腹が立ったようだ。
「でもようーーもう少し上手くつくってくれないか、せっかくの酒がまずいんだよ! 俺は料理と酒は一色単に食べたいんだよ!」
「ぐぬ、なんかすまんと思うが、素直に謝りたい気持ちにならん。」
「まあーあんたなりに客人への配慮を無下にされたからだろうしな。実際不味いし、俺だったら美味いの食わせられるえぜ。」
「ほほうーーオレに喧嘩うつきか?」
「はっはっは! 喧嘩買うぞ!」
思いっきりにこやかーに笑んでやると熊は睨んでいるが後方からの3人からの威圧感にとどまる。
まあー俺にもその威圧飛ばされてるが気にせずに、どうする〜って挑発したら、作ってみろと厨房の場所へと移動した。
案内されたなら承諾ととった俺は厨房の一角に案内してもらうと三口のコンロがあり、近くのは中華鍋にフライパンなどが並び立ち。
辺りを確認すると調味料が塩、コチュジャンにターメリック、醤油、胡椒、ゴマ、ウイスターソース、料理酒、みりん。
他にも小麦粉と片栗粉に、唐辛子と味噌か。
まあまあーいいの揃ってね。
油はあるかねえーーって探せば、使いかけの油が置かれている。
「これ、使っていいか?」
「は?」
「いやーだからこれ、使っていいかって聞いたんだけど。」
えらくキョトンとして、そんなもん使ってどうすんだって顔をされる。
シスイはそれゴミじゃねえのってアオイをみてるがアオイ自身は首を振り怪訝であるも疑問が沸いたようで聞かれた。
「捨て油使うんですか?」
「ああーたぶんこれさっき俺らに作った唐揚げの油だろうし、捨て油ってのも一回二回とかで悪くなるもんじゃねえからな。それに良い味でんだぜ、こういうの!」
「.......使っていいが、腹壊す料理作ったら殺す!」
「いちいち口悪いなー、まあー見とけって!」
さてとまずは肉だな、冷蔵庫らしい場所に行って中みると野菜類はあるが地球のものとは形や色が違うものが多く。
いちいち聞きながら揃え、肉類は鶏肉っぽいものと牛肉っぽいものがあったから取り出しておく。
包丁も結構な業物みたいで軽く肉通したら切れ味抜群すぎて家にも欲しいと思ってしまう。
話しはそれたが、最初に作るなら唐揚げと決めてるため下味をつけておく。
塊肉の鶏肉は5、6センチぐらいの大きさに切っておく。
もも肉とかしわにくは部位によってことなるが、ここはもも肉しかないようだし我慢。
分厚い時は真ん中に切り目を入れて大きさを整えておくといいぞ。肉を切ったら次に塩胡椒を振ってなじませておく。肉の水分があるからよくても5分おくといい。
その間にボールに調味料を入れておく。
今回が醤油唐揚げでいいか、普通サイズの大さじに醤油2杯、にんにくはないし生姜もないから、みりんと料理酒に軽めに塩と胡椒、片栗粉は小さじ1杯、小麦粉は2杯を入れて先程の肉を入れて混ぜておく。
汁気がなくなるまでなじませておくのがポイントだ。
そして30分〜1時間おいて味を染み込ませるんだが、ここでじっとしてるのも時間がもったいないので2品目をつくっておく。
お吸い物もいいよなーー。
キョロキョロ探してると昆布に鰹節があった。
使われてないのか無造作に置かれていた。
「へーいいじゃんこれも使おっと。」
「おい!!」
「ん? どした?」
「それも使うのか?」
「そー言ったろってイチイチ驚くなよ面倒くさいな。」
「いや、料理手順は凄いしいいんだが、使っている素材が奇異なせいか、疑問ばかりが浮かぶんだよ!」
「それ探究心ってのかもな、まあー手伝うか?」
「ああーーお前の腕を間近でみたい!」
「だから近いっての、玉葱あるなら笹斬り頼む。1個でいいからな。」
「任せろ!」
いちいち近くで話いかけるから頼むとめっちゃいい笑顔で返事するもんだから調子が狂う。
熊は熊の可愛いさあるんだな。
さてと止められたし作業続行しますかね。
ちょっとした白夜の強さをだしてみました!