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手に馴染む武器を作ってもらうぞ

まさかの発言にマジ!!? と叫びそうになるがギルバート見れば虎視眈々で単調だし頷く姿は本当だと確信できる。


シスイ見れば威厳や知能はあるしプライドは高そうとは思っていたけど、王子ねえーー。まだ短い付き合いだが全然そんなふうに見えないんだよな。

親しみはあるぶんは嫌いではないが。


「ところでお前さんがくるとは何か用でもあったのか?」

「あー今回は俺じゃなくて、友人の白夜が用があってな。な、白夜!」


ニシシとイタズラっぽく笑うシスイが思いっきり話題をコッチに向けてくるもんだから一瞬戸惑うもドルチェに会釈後に謝罪と自己紹介をしておいた。


「急にアポイント取らずに訪ねてしまいすみません。俺は西城院白夜って言います、実は警棒を作りたくシスイに頼んだらここを紹介されたので来訪させて頂きました。」


敬意と来た目的を簡略して告げるとドルチェが一旦の間をあけつつもクククと笑みを浮かべ俺に要件を聞いてきた。


「.......白夜と言ったか、お主が作って欲しいのは警棒だったか....それは何なのか教えてもらいたいんだが?」

「え? いいのか? さっきの客には作るのを断ってたようなのに?」


あーとドルチェはさっきの出来事を思い出したようでククっと笑みを浮かべ楽しげな表情をしていた。


「あれはいいんじゃ、前から強引にワシに作れと命令しておったやからだし侮蔑ある態度にいい加減嫌気があったんじゃ、まあーどうせ今後はこんだろうしのう。」


チラっとシスイに視線を向けるとニヤッと笑う。


うん、こいつ何かする気まんまんだな。


「悪い事考えてるだろシスイ。」

「さあーなあーー。」

「あとシスイが認めた友人は根本的に信頼しているじゃよ。」


なるほどね。シスイの信頼度が高いわけか。

なら思いっきり利用させてもらうか。


「そかそか、ならシスイの信頼に甘えさせてもらって頼む。詳しい情報いるだろ、絵と構図に設計なら書けるからそれで制作してもらえるか?」


俺特有なら作る時につけておく必要なものが幾つかあるんだよな。普通のものだけでもいいが、つい改造して怒られてたが、手に馴染む物を身につけておきたいと思うもの。


それにせっかくの異世界なら今後のためにも好奇心ってのが疼くもの。制作するならばなおのこと作っておけるなら技術あるものに委ねて制作してもらいたいのだ。


「ほうー知識あるもんを絵に書けるとは、なかなかに見所がありそうじゃ、設計図頼めるか?」

「ああー書けるもんあるなら今すぐに。」


提案にドルチェがすぐに大きな紙を持ってくると、インクと羽根ペンを持ってきた。

先っぽのは万年筆のペン先がある。


ボールペンで書けたらいいと思ってたが、これか。

まあー書けなくはないか。


「定規とかはあるか? こうー丸みある分度器と三角定規や丸みある湾曲定規にコンパスとさ。」

「なんじゃそれは。」

「ないのかあーーまあー期待してなかったからいいけどーーーせっかくあったら色々と細かいの書けたのに技術があるのに思いつかないもんなんだねえー。」


ククとほくそ笑む俺にドルチェの何かが気に障ったのか、イラッとしてワシに作れんもんはない!! と言い。

それも作るから書けと怒鳴るもんだから餌にかかったなとニヤッとした。


思惑に引っかかってくれる奴は面白い。


「わー白夜が悪い顔してるーー。」

「ハッハッハなんの事だいギルバートくん。」


さてじっくり作ってもらうぜドルチェさん。


****


一通りの制作の設計図と構図、詳しい内容と情報。

つけて欲しい物を計算式で書き連ね、他の分度器などの様々な役割をもとに書いて渡すと俺に、ドルチェが思いっきり呆れつつも面白いじゃねえかと鍛治士の沽券と能力にかけて今日中に作ってやると奥へと入っていった。


「そうそうに挑発するなよなーお前は。」

「ハッハッハ人聞きがわるなあーシスイ、タイミングとちゃンスは利用するものだよ君達!」

「白夜って時々、悪徳商人みたいだね。」

「それは褒め言葉かい?」


ニンマリと悪い顔で言えばギルバートがそれ! その顔が悪どいんだよ!! と文句言われた。

失敬だなーーまったく。


「ところでよ、警棒に結構な注文入れてたけど....そんなにいいもんなのか?」

「ん? ああー警棒って結構役に立つんだぜ、防御にも攻撃にも特化してるし現役だった頃は改造しては叱られてたもんさ!」


ハッハッハと自慢げに言い放つ俺にギルバートとシスイは思いっきりため息吐かれていた。


「現役って言ってたが、いまも同じ職場じゃないのか?」

「.......同じ職場っちゃ職場だが、あの頃と違って暇ではある職場にはなったかもなーーまあーおかげで趣味に没頭できるからいいんだけどなあー。」

「白夜さんの前の職場でやんちゃして下落した町交番って行ってましたっけ。愛される交番警察になってるからなーって自慢してましたね。」

「そそー俺は今後は平和を愛する警察官なのだよ!」


どやあーーと自慢すると俺にギルバートは苦笑し、シスイは何故か怪訝な顔をしやがる。

どうせ何かやらかすくせにって表情しやがって。


これでも大人しくしてるんだぞ俺は!


「ってか出来上がるのは時間かかるんだよな、すこーし町散歩したいんですがーーダメっすか?」


せっかく街に出たなら色々と料理の素材や調理器具とか有れば見てみたいのだ! それに酒あれば試飲したい!


ダラダラとグデグデとカウンターでやる気なく暇だあーーって感じを出しつつ提案をしたら、2人してお前は猫か!! とか言われた。


何故に猫?


「わたしゃーー猫ではないぞー。」

「気まぐれなとこそっくりですよ。」

「気まぐれ精神そっくりだぞ!」

「ええーーそんなに似てるならーー猫になるから連れてけにゃー!」

「可愛くしても男の猫はなあーー。」

「白夜さんの猫、可愛いーきが。」

「へ? ギルバート大丈夫かーーあれ全然可愛いくないぞ。」

「へ? あ、うん。でも出来上がるのに時間かかるみたいですし散歩行ってもいいよなーー。」

「白夜を甘やかすなっての、まあー暇だからいいけど、行くかーー気まぐれ猫白夜!」

「おーー頼む!」


キシシとイタズラげに笑うとシャキンと立ち上がり、一応書き置きして部屋を出ることにした。




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