混乱の記憶
僕たちが門へと向かう途中、何が起こったのか亡くなっていた魔法兵長の記憶や、砦副将さんの話から断片的な推測をし…おっと、伝令さんの記憶が一番正しそうだ…。
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「さぁ!食事だ!皆のもの!良くやった」
「「はっ!」」
「いやぁ…敵兵の数が少なくて助かった」
「これも火砲兵と魔法兵の相互運用のありがたさよな!」
誰が誰だわからないけど、笑顔で敵を退けたことを称え合ってる。おっ!食堂だ。
「皆、思い思いに食すのだ!今日は物資が…「失礼いたします!」なんだ?」
「輜重隊第一陣、到着したとのこと!」
「「おぉ!」」
「待っておった!よぉし!輜重隊の面々も一緒に食事を!」
おぉ…なんと太っ腹…。その後も輜重隊は続々と到着していき、食堂内に招かれていく…。砦将さんが裏切った…というわけではなさそうだけど…。おっ!僕たちの前を行っていた隊も到着した。ふむふむ…。
みんな食事を楽しそうに摂る。それだけ、不安を抱えていたんだろうなぁ…。ん?さすがは伝令兵さん。一瞬の違和感を床に感じたんだね。確かに…床の石材が動いてる…。あっ!
「「うわぁぁぁぁ!」」
「はっ!?」「へっ!?」
突然の事で驚くことしかできない。それもそのはず、今、目の前で一緒に食事をしていた同僚が、突如として姿を消したのだから…。長机8つ分も…。
「なっ…なっなっ…何が起きたのだっ!?」
おぉ…砦将さんが現場に近づいてきた。皆驚きながらも穴に近づく…。
「…のために…」
「ん?お前何か言ったか?」
「いんや?」
「のためにッ!」
「おいっ!誰ぞなにか申したか!?」
「いっ…いえっ!」
「!ためにぃぃぃ!」
「「聖国のためにぃーーーーっ!」」
「グワッ」「ギッ…」
穴から突然伸びてきた四本のはしご。どよめく堂内。穴から出てきたのは、完全武装した聖国の兵士。皆目が血走ってる。ふむ…幻影ではなくて、実態か。その後始まったのは、一方的な蹂躙だった…。
「敵襲!敵襲!皆、食堂から出よ!」
「「うわぁぁ!」」
ありゃ…狭い入口に皆が殺到…。あっ!この人は最初に抜け出せたんだ。あとは…。
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「主っ!」
「へっ?あいたっ!」
大隊長に声をかけられ、思考の海から飛び出たら、柱に激突。いてててて…。
「考え込むのもよいが、今は手を繋ぐことはできぬのでな。もう少し時と場を…」
「ごっごめんなさい…。でも、なんとなく掴めてきた。合流したらみんなに伝えるね」
「うむ」
敵の存在が不安だけど、援軍が来たら、食堂を調べないと…。ホムンクルスと幻影の兵士の謎を解かないと…。でも…たぶん…。




