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運も実力のうち!  作者: 沙河泉
一章 第一部
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混乱の記憶

僕たちが門へと向かう途中、何が起こったのか亡くなっていた魔法兵長の記憶や、砦副将さんの話から断片的な推測をし…おっと、伝令さんの記憶が一番正しそうだ…。



「さぁ!食事だ!皆のもの!良くやった」


「「はっ!」」


「いやぁ…敵兵の数が少なくて助かった」


「これも火砲兵と魔法兵の相互運用のありがたさよな!」


誰が誰だわからないけど、笑顔で敵を退けたことを称え合ってる。おっ!食堂だ。


「皆、思い思いに食すのだ!今日は物資が…「失礼いたします!」なんだ?」


「輜重隊第一陣、到着したとのこと!」


「「おぉ!」」


「待っておった!よぉし!輜重隊の面々も一緒に食事を!」


おぉ…なんと太っ腹…。その後も輜重隊は続々と到着していき、食堂内に招かれていく…。砦将さんが裏切った…というわけではなさそうだけど…。おっ!僕たちの前を行っていた隊も到着した。ふむふむ…。


みんな食事を楽しそうに摂る。それだけ、不安を抱えていたんだろうなぁ…。ん?さすがは伝令兵さん。一瞬の違和感を床に感じたんだね。確かに…床の石材が動いてる…。あっ!


「「うわぁぁぁぁ!」」


「はっ!?」「へっ!?」


突然の事で驚くことしかできない。それもそのはず、今、目の前で一緒に食事をしていた同僚が、突如として姿を消したのだから…。長机8つ分も…。


「なっ…なっなっ…何が起きたのだっ!?」


おぉ…砦将さんが現場に近づいてきた。皆驚きながらも穴に近づく…。


「…のために…」


「ん?お前何か言ったか?」

「いんや?」


「のためにッ!」


「おいっ!誰ぞなにか申したか!?」

「いっ…いえっ!」


「!ためにぃぃぃ!」


「「聖国のためにぃーーーーっ!」」


「グワッ」「ギッ…」


穴から突然伸びてきた四本のはしご。どよめく堂内。穴から出てきたのは、完全武装した聖国の兵士。皆目が血走ってる。ふむ…幻影ではなくて、実態か。その後始まったのは、一方的な蹂躙だった…。


「敵襲!敵襲!皆、食堂から出よ!」


「「うわぁぁ!」」


ありゃ…狭い入口に皆が殺到…。あっ!この人は最初に抜け出せたんだ。あとは…。



「主っ!」


「へっ?あいたっ!」


大隊長に声をかけられ、思考の海から飛び出たら、柱に激突。いてててて…。


「考え込むのもよいが、今は手を繋ぐことはできぬのでな。もう少し時と場を…」


「ごっごめんなさい…。でも、なんとなく掴めてきた。合流したらみんなに伝えるね」


「うむ」


敵の存在が不安だけど、援軍が来たら、食堂を調べないと…。ホムンクルスと幻影の兵士の謎を解かないと…。でも…たぶん…。

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