晴れた暗闇のその先に
無音の砦の暗闇の廊下を一筋の光が通る。ただ光るコイン?いやいや。狙いは…。
「そろそろ…かな。さっ門の影に隠れて」
「うむ」
「3、2、1…」
キンッ!という音とともに、影に隠れて目をつぶってもなお、明るいということがわかるほどの閃光に包まれる。光が収まってくるのを感じ、目を開ける。
「まだ…少し違和感があるのであるが…ふむ。どうということはないのであるな」
「そう?なら良かった。目を開けていたら多分失明するレベルだから…」
「うむ。それほどの威力を込めたのであるか」
「いや…正直い言って予想外。周りの魔力を…暗闇の正体を吸収しながら進むようにしていたんだけど、どうやら吸収する物が多かったみたいなんだよねぇ…」
「そうであるか。では、進むとするのである」
「うん」
先程まで、暗闇に覆われていた廊下は、これまで歩いてきた廊下と同様に光が差し込んでいた。楼台に登るための階段付近には、2体の人型の物体が転がっていた。
「ふむ…どうやら、光が強かったのはこれの存在もあったみたいだね」
「ほぉ…ゴーレムであるか?」
「いや…これはホムンクルスだね。それもかなりの技術だ…。今は機能を停止してるけど…」
そう言って、僕は1体のホムンクルスの身体を調べる。あっ!やっぱり…。
「おぉ…。これは…見事な…」
「なんの魔物の魔石かなぁ…。よくわからないけど、少なくともドラゴン級だね。あの魔法じゃ、この石の内包する魔力は吸い取りきれない。でも、機能停止位には持ち込めたから、よかった。念のため、魔石を外して…」
「空間魔法を使えるというのは、やはり…便利であるな」
「あはは。いつも黙っていてくれてありがとね。とりあえず、もう片方の魔石も外してっと…。これでよし。この2体は…」
「主の好きにすれば良い」
「うん」
許可をもらったところで、2体のホムンクルスも、僕の空間魔法に収納。帰ったら、中からデータを抜き出してみよう。なにかわかるかもしれないしね。
「しかし…。やはり音は戻らないのである…」
「いや?多分だけど、ことは終わっているんだと思う。上に何人か人の魔力を感じるから」
「ふむ…。ここからは主に先導を頼んでもよいか?流石に魔力探知は不得手とするのでな。大隊長を拝命しておきながら、誠に恥じ入るべきことなのであるが…」
「うぅん!大丈夫!適材適所!できることを互いにやって、補っていかなきゃ!そこに部下も上司も関係ないよ!そのかわり、護ってね?」
「主に護りが必要なのかは、甚だ疑問ではあるのだが、任されたのである」
「うん!じゃぁ…行こうか!」
そう言って、僕と大隊長の2人は、楼台を登っていく…。




