第四話 密談
第四話です。
目指せ、プロの小説家!
という心境ですが、まだ、目標は遠いので、日々精進。
そんな妄言を吐くグロッキー日比野です。
四日目もよろしくお願い致します!
6
警視庁新宿署刑事課強行犯係の神田令巡査部長は、ハコ(交番の隠語)時代の先輩である、中田恭介警部補に指定された、高円寺の喫茶店へと向かった。
喫茶店の扉を開ける。
「おぉう、神田」
「つまらない話だったら、帰りますよ」
「俺の勘は当たるというのは会社内では定説だろう?」
「刑事の勘なんて、廃れたものですよ」
「お前、現役のデカがそんなことを言ったら、デカになれなかった奴、敵に回すぜ?」
そう言った後に中田の座る席の向かいに立つ。
「アメリカン」
令がそう言うと、中田はコーヒーを飲みながら、サンドイッチに手を伸ばす。
しっかり、飯を食いだしている・・・・・・
「話はさっき、聞いたよな?」
「先日、渋谷駅で起きた騒動でしょう? ジンイチ(警務部人事一課監察係の略。ヒトイチとも言う)はその若い奴を探しているそうですよ」
渋谷駅前で現職のSPである、鮫島が痴漢行為を働いて、若い男とおぼしき男にぼこぼこにされて、逮捕されたというのはすぐにニュースになった。
若い男が鮫島の顔面を踏みつける、瞬間はSNSで拡散したが、警視庁の威信にもかかわる問題なので、同庁がすぐに削除要請を出した。
しかし、拡散がされているので後の祭りだ。
「そいつ、知っているか?」
「顔を見る限り、秋山結鶴に似ていますね」
令がそう言うと「誰だ? そいつ?」と言いながら、中田は手をナプキンで拭き始める。
「真木組に出入りしている、青川学院大学の学生ですよ。何でも、黒陽会会長の藤宮勇作の妾の子と言われていて、組織犯罪対策部と生活安全部に公安部までマークしていた、ヤバいガキですよ」
「ナマヤス(生活安全部を蔑視する言い方)がマークするって、相当悪いんだろうなぁ?」
「高校時代は真面目だったそうですが、キレると手が付けられなかったそうです。それで何度か、会社の世話になって、生安部のデーターベースに残ったそうです」
「ナマヤスで良いんだよ。あのオタク共ども?」
「中田さん、生安部の何が嫌いなんですか?」
それを聞いた、中田はタバコを吸い始める。
どうやら、この喫茶店は禁煙ではないようだ。
「あいつら、考えが読めねぇんだよ。気持ち悪くねぇか? まるでハム(公安部の隠語)を相手にしているかのような気持ち悪さだ」
「まぁ、あの人たちは物腰が柔らかいから、俺たち、強行犯捜査が仕事の連中とは違うんですよ、本題は?」
「ていうか、よく、その秋山って奴のことを知っていたなぁ?」
「真木組の組長が自慢気に教えてくれたんですよ」
それを聞いた、中田は目を丸くする。
「何すか?」
「マルBと堂々と接触するとか、咎められねぇか?」
「本意じゃないですよ。もっとも、会社内でもアウトローと見られているから、未だに本部に戻れず仕舞いですけどね?」
それを聞いた、中田はにんまりと笑いながら、サンドイッチに再度、手を伸ばす。
「そいつよぉ・・・・・・俺はなぁ? 思うワケだ」
「何すか?」
「事件起こすぜ? とんでもねぇ、事件だ。俺の勘は当たる。お前もそれは分かって言えるだろう?」
それを聞いた、令は微笑を浮かべながら「話がつまらないので、帰ります」とだけ言った。
「今、言った事を忘れるなよ。そしたら、お前等の出番だ」
「どうかな? マル暴と組むのはコリゴリだ?」
そう言って、令は会計を払った。
「俺のおごりだよ」
「世話になりたくないんで」
「相変わらず、可愛げないなぁ? 神田ぁ? また、遊ぼうぜ?」
そう言って、令が喫茶店の外に出ると、大雨が降り始めた。
まいたなぁ?
傘を持ってきていない。
令は気が付けば、走っていた。
続く。
次回、第五話 実行
明日はだいぶ、物語が動きます。
よろしくお願い致します!




