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第二十八話 警察側の暗雲

 第二十八話です。


 警察が結鶴を逮捕できない理屈付けの回です。


 今日もよろしくお願い致します!



33


 神田令は新宿署で仕事をしていると、内調の平岡亜里沙から電話がかかって来た。


(やっほぉー! 突然で悪いけど、悪いニュースと悪いニュースどれが聞きたい?)


「全部、悪いニュースなんですね? 映画のよくある質問のパロディでは済まされないぐらいに最悪の展開が予測されますね?」


 令がそう言うと、平岡は(首都高でドンパチがあったらしい。交通機動隊が今、交通整理しているけど、ウチの社長たる内閣情報官も情報収集に当たるように言われた次第なのよ・・・・・・そして、もう一つの悪いニュースは警察に関わることだよ?)と言い始めた。


「楽しそうに悪いことを言いますね?」


(サッチョウ刑事局捜査第一課課長の水野の息子が失踪しているらしい)


「最悪・・・・・・しかも、刑事局でしょう?」


(うん、しかも、息子が普通に悪い奴らしくてねぇ? 水野課長は家庭のことを鑑みないからさ? 今、サッチョウの知り合いにマークしてもらっているけど、水野課長は心ここにあらずなのよね、何か、おかしいと思わない?)


 令はふと考え込む。


「あれだけの抗争が起きたのに検問を行わなかった」


(敵も変に狡猾なところあるのよね? 多分、結鶴坊やだと思うけど、警察が市民の反発を恐れて、早い時間帯に検問出来ないのを知っている前提での犯行よね? 詰めが甘い点があるとすれば、あえて、警察を嘲笑うつもりで首都高をチョイスしたんだろうけどさ? それにしてもおかしいのよね? あれだけの騒ぎが起きても、ドライブレコーダーの映像が投稿されても全て消されるのよ)


「このネット社会でそれはおかしいですね? マスコミは何か言っていないんですか?」


(報道で言ったら『関連を調べております』って奴よ、大きなマスコミは言うて、政府の圧力に弱いからね?)


「・・・・・・国家公安委員長が抑えられているだけでここまでの無法が許されるんですか? いくら、閣僚を抑えているからと言って、ネットまでコントロールできるとは思いませんが?」


(案外、出来るかもよ? 世の中が時事ネタには興味無いのが日本という国なのだから? それと、サッチョウの水野捜査第一課長も裏工作に加担しているんじゃないかと思われる。息子は刑罰会の運営するクラブのVIP会員だからね? いずれ、とんでもない事件を起こすか、弱みを握られるぞ、この坊やと思ったら、警察にも大打撃を食らう形になるとはね? 本部でも警戒させているよ)


「もはや、政府や警察がらみで黒陽会を貪らせている状況ですよね?」


(黒陽会は警察や政府の情報が欲しくて、しょうがない連中だからね? 国家公安委員長や水野だけじゃなくて、案外、もっと大きなところまで連中は食い込んでいるのは確定よ、はっきり言って、バットマン抜きのゴッサムシティを国家規模でやっている状況よね?)


 令は頭が痛くなってきた。


 そしたら、日本は犯罪大国の仲間入りだな?


 絶望がこの国を支配し始めているような感覚も覚えた。


(ところで、現場レベルで今回の抗争とか首都高のドンパチの証拠も何か、無くなっているとか聞いたけど、新宿署にも情報挙がっているかな?)


 それを聞いた、令は驚きを覚えた。


 証拠が無くなっている?


 事件を内部から何者かがもみ消したと言う事か?


 そんな発展途上国の警察みたいな事がこの日本で行われるのか?


 ますます、バットマン抜きのゴッサムシティじゃないか?


「聞いていません」


(まぁ、首都高は管轄じゃないからあれだけど、原宿署管内の抗争事件も報告が遅いのよね? 渋谷署の中田係長ともあんた、仲良いでしょう? スパイがいる可能性も考慮して、連絡を取ってごらんよ。今のところは確固たる証拠ないけど、水野課長が裏で手を回した可能性あるし?)


「早急に連絡します」


 そう言って、令は平岡との電話を切ると、渋谷署の中田に連絡をする。


(何だ?)


「今から、俺が言う事にははいといいえ以外では答えないでください」


(・・・・・・はい)


 中田も事態を察したようだ。


「例の秋山結鶴と思われる大学生が鮫島を暴行したヤマの捜査は難航していますか?」


(はい)


「所見としておかしいと思う事はありますか?」


(はい)


「何か、挙動不審な警察官がいるとは感じ取れますか?」


(・・・・・・はい)


 最悪だ。


 本当にスパイがいるのか?


 いや、だが、これは全て、仮定の話なのだ。


 だが、平岡の情報は毎回、正確ではある。


 令は迷いを確かに見せていた。


「非番の時に俺はそちらへ向かってよろしいでしょうか?」


(はい)


「切りますよ。メールを後で送ります」


(はい)


 そう言って、中田との通話を切った。


 こういう時に本部勤務じゃないのが痛いな?


 所轄勤務であることを赴任して、初めて、悔やんだ、令だった。


 続く。


 次回、第二十九話 共闘


 結鶴と鈴のパパンがウルトラセブンのメトロン星人の回のように語り合います。


 明日もよろしくお願い致します!



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