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30話 再勧誘

 


 ゴンっ!!!!


 腹部に衝撃が走った。思わず「うえっ!」となる。そしてこれは私が知っている起こされ方だ。


「えほっ! げほっ!」

「起きたか、バカ?」

「うえ~……これ久々……げほっ……」


 私のお腹に、思いっきり踵落としをしたいっちゃんの足が乗っかってる。いっちゃん、舞も花音も唖然としているよ。


「過激すぎない、一花?」

「えっと……葉月、大丈夫?」

「ケホっ……平気~……いつも通り~……」

「馬鹿野郎が……」


 いっちゃんは昨日の夜、棚にしまったケースを持っていた。あ~あ。ばれちゃった。


「後で説教だ」

「昨日のでもういっぱいだよ~……」

「とっとと起きろ、遅刻するぞ」


 いっちゃんは舞を連れて、自分たちの部屋に戻っていった。うへ~。昨日に続いて、今日も説教か~。


「葉月……ホントに大丈夫?」

「ん~平気~。前までいっちゃんにされていたのがこういう起こし方だったし」

「そ、そうなんだ……」


 苦笑いの花音。まぁ、こういう起こされ方は舞の言うとおり過激だもんね~。


「でも、なんでいっちゃん来たの?」

「あ……ごめん。私が呼んだの。葉月全然起きないから、どうしようって思って。もしかして、やっぱり昨日どこか打ったとかしたのかなって」


 あら~心配かけちゃった。ごめんね。そんなつもりはなかったんだよ。


「大丈夫だよ~。昨日のはホントに怪我とかしてないからね」

「そっか。それなら良かった」


 そういって安心したように笑う花音はマジ可愛い。


「花音はホントに可愛いね~」

「かっ!? もう、朝から何言ってるの……ほら顔洗ってきて? ご飯よそっておくから」


 相変わらず可愛いと言われて顔が赤くなる花音は超絶可愛いと思います。そして、花音? 完全に母親化してるよね?



 □ □ □ □


 お昼休み。

 私たちは今どこにいるでしょうか? 答えはここです。じゃじゃん。生徒会室! の前の廊下。

 何でここにいるかって? 寮長から今朝花音に「お昼休みに生徒会室に来てほしい」って言われたんだよ。「じゃあ、私も行く~」って言ったらちょっと、いやかなり嫌そうな顔をされたけど。


 そして、今私といっちゃんと花音と舞は、生徒会室の前にいるわけです、はい。


「葉月、いいか? よく聞けよ」

「なんだい、いっちゃん?」

「昨日みたいに暴れるな。まずこれが一つ」

「うん」

「相手を怖がらせるな」

「うん」

「おちょくるな」

「え~」

「え~じゃない」

「むーわかったよ~……」

「そして……」

「そして?」

「お茶っぱに雑草を隠し入れるな」

「仕方ないな~」

「いやいやいや、一花。最後のおかしいおかしい」


 舞がいっちゃんに突っ込んでいるけど、前にやったことあるよ。あの人たち一流気取ってるくせに、美味しい美味しいって飲んでたけどね。

 そして花音さん? ボソッと「あの人たちなら雑草で十分じゃない?」と言わないで。目が怖いよ? どんだけ低評価なの?


 何てやり取りをしていたら寮長が生徒会室から出てきた。「廊下で変な話しないでちょうだい」ってげんなりしている。


「というより、なんで神楽坂さんまでいるのかしら?」


 え~、生徒会室行くって言ったら「仲間外れにするな~」って言ってきたんだよ。可哀そうじゃん、置いてけぼりにするのはさ。


「え~あたしがいたら駄目ですか~?」

「まぁ、別に構わないけど」

「やったね!」

「はぁ……じゃあとりあえず入って頂戴。あ、小鳥遊さんは部屋のものに触らないでね」


 ありゃ、さっきの最後の話聞かれてた。


 部屋に入ると生徒会メンバーは勢ぞろいしていた。皆ソファに座っている。会長が昨日と同じような態勢でふんぞり返っていた。


「きたか。座れ」


 ちょっと~。昨日謝るって言ってたのに~。その偉そうな態度がカチンときちゃうんだよ。ほら花音の笑顔がちょっと怖くなってるじゃん。


 と、感想を抱いていたら寮長が会長の頭を殴っていた。ざまあみろ~。


「ごめんなさいね。ふてぶてしい態度取っちゃって。座ってちょうだい? 今お茶淹れるから」

「寮長、手伝うよ?」

「あなた、さっき私に何て言われたか覚えてないのかしら? 部屋のものに絶対触らないでちょうだい」

「わかった。じゃあ、自分が持ってきたもの触るね」

「待て、葉月。何を持ってきたんだ?」


 いっちゃんに言われて、ポケットにいれた瓶を取り出す。ハンカチで覆っているけど。


「会長にプレゼント」


 会長がビクッとなってる。大丈夫だよ?


「い……いらん」

「そんなこと言わず受け取ってよ?」

「ちなみに小鳥遊……それ中に何が入ってるのかな?」


 童顔先輩が顔を引き攣らせている。私は会長の前まで歩いて、覆ってたハンカチを取った。


「昨日言ってたトカゲ」

「いらんわ!? というか近付けるな!!」

「え~、自宅に送られるの嫌だって言ってたから、わざわざ用意したのに~」

「そういや葉月っち、今日登校するときに草むらに入ってたね……」

「油断も隙も無いな……」


 むー、結構この子可愛いよ? あ、そうだ。


「花音~この子飼っていい?」

「う~ん……自然に還してあげようね、葉月」

「え~だめ~?」

「葉月が玉ねぎ食べられるようになったらいいよ」

「還す」


 玉ねぎ無理。絶対やだ。生徒会室の窓を開けて、トカゲを放った。

 振り返ったら皆が花音を驚愕の目で見ていた。ちょっとオロオロしている。


「桜沢さん……今、何やった……?」

「え……? えっと、東雲さん……?」

「花音、すごいね……葉月っちが一言で動いたよ……」

「舞まで何言ってるの?!」

「小鳥遊さんに言う事を聞かせられる人材がここに……ここにいたなんて……」

「しょ、東海林先輩まで!?」


 良かったね、花音。凄い尊敬の眼差しで見てるよ。

 でも、玉ねぎ入れられるの嫌なんだもん。前、花音のプリン食べたら、無言で玉ねぎ食べさせられたんだもん。「私のプリン食べた代わりにこれ食べてね」って。食べ終わるまでニコニコしながら目を離さなかったよ。花音は怖い時は怖いんだよ。それ以来、食事関係は口出さないって決めた。


「小鳥遊が言う事を聞いた……?」

「これは……確かにすごい人物なのかもしれないな……」

「(コクコクコクコク)」


 生徒会メンバーも感嘆の声をあげている。

 いやいや、皆あの花音を知らないからだよ? 知ったら、花音には誰も口出さなくなるって。


 会長がふうと息を吐いた。トカゲがいなくなって安心したのだろう。


「とにかく、お前ら座れ。おい、東海林。さっさと茶持ってこい」


 会長の一言で和んでいた場が凍り付いた。主に花音の顔が。ホント偉そうなんだから。


 ハアと溜め息をついて、寮長がお茶を淹れてくれた。会長のコップに土を入れようとしたらいっちゃんに怒られた。だってトカゲ無理だったからさ。


 お茶を飲んで一息入れてから、何故か全員が黙ってしまう。はて? 会長が花音に謝るんじゃないの? 

 沈黙を破ったのは何故か舞だった。


「あのさ~。なんか用があるから花音の事呼んだんじゃないの?」


 正論ですね。


「そだよ~? 花音に言う事あるんでしょ~? 会長~?」

「葉月。お前はちょっと黙ってろ」

「でもいっちゃん、つまんない」

「つまらなくないから黙ってろ」

「会長の髪の毛抜いていい?」

「何でだよ!? というか何に使う気だ!? いいから大人しくしておけ!!」


 いっちゃんに口を手で押さえられてモガモガしていると、寮長が溜め息をついた。


「ごめんなさいね、桜沢さん。無理にきてもらったのに」

「え、いえ……」

「鳳凰君。昨日のことちゃんと謝るんでしょう?」

「っ……ちっ……」


 うわ~不服そう。舌打ちって。あのね~。私昨日言ったよね~? 誠意のない謝罪って腹立つって言ったよね~?


「会長~? 悪いと思ってないなら謝らないで~?」

「っ……お前が謝れって言ったんだろうが……」

「言った。でも思ってない人の謝罪は迷惑だからさ~。無理に謝らなくていいよ」

「……んだ、そりゃ……」

「その代わり一緒に屋上バンジーね?」

「誰がやるか!?」


 え~譲歩してあげたのに~。そんな顔青くしなくても。

 コホンと花音が咳払いした。どしたの?


「謝罪はいりません。結構です。葉月が言ったように、悪いと思ってない人の謝罪は迷惑なだけですから」


 花音がはっきり言い切った。舞といっちゃんも驚いている。普段優しい所しか見たことないから、こんな花音は初めてだろう。私は玉ねぎの件で見たことあるからね~。怒ると怖いんだよ、花音は。特に普段と違う笑顔が。

 見かねた童顔先輩がフォローに入った。


「あはは、手厳しいね。だけど桜沢さん。翼もね、悪いとは思ってるんだよ。ちょっと強引だったってちゃんと反省してるんだ。僕たちもね、ちょっと驕ってた部分はあるから。その部分は謝るよ。本当にごめんね。ほら、綜一も宏太も」

「……ふん。すまなかった」

「……ごめん」


 おいこら。ツンデレ先輩はともかく、眼鏡先輩。あんたのは謝ってるように見えないんですけど~? ちょっといっちゃん。何で腕押さえてるのかな?

 花音は無言だ。


「翼も。昨日はちゃんと謝るって言ってたじゃないか。意地張るの良くないだろ?」

「っ……」


 自然と会長に視線が集まった。プライドが邪魔してるの~? 小学生か。


「…………悪かった……」


 会長がボソッと呟くように謝った。生徒会メンバーがホッと息を吐いている。花音の方を見てみると、仕方ないというような顔をしていた。


「私も……すみませんでした。失礼な物言いをしてしまって。ですけど、こちらの意思を無視するような真似は、今後控えていただけると助かります」


 花音、すごいな~。はっきり言ってる姿がかっこいいんですけど。しかも自分の非もちゃんと認めてるし。寮長がとても満足そうな顔をしてるよ。


「もちろんよ、桜沢さん。謝罪を受け入れてくれてありがとう」

「いえ、東海林先輩は何もしてないじゃないですか。こちらこそ子供じみた態度取ってしまって、本当にすみませんでした」

「なぁ、葉月。お前、ちょっと桜沢さんの爪の垢煎じて飲め」

「そうだね葉月っち。ちょっとかじったほうがいいかもしれないよ? 花音かっこよすぎ」

「わかった~。花音~爪切って~?」

「「そういう意味じゃないんですけど!?」」


 花音に言ったら苦笑しながら「それはちょっとな~」って言って困ってた。当たり前だけど。


 生徒会メンバーは会長含め、感心したように花音を見ていた。君たちも見習いなさ~い。え? お前が言うなって? そりゃそうだ。


「これでお互い、わだかまりはなしね。じゃあ、本題に入りましょうか」


 寮長が飲んでいたカップをテーブルに置いた。本題とはあれか? 生徒会勧誘かな?

 花音が真っ直ぐ寮長を見ている。


「……東海林先輩、私に生徒会に入ってほしいということですか?」

「ええ。もちろんあなたの意思を尊重するけど、入ってほしいと思ってる」

「……すいません。先輩。昨日も会長たちには話したんですが……お断りしたいと思っています」

「……理由を聞いていいかしら?」

「学業に専念したいんです。思ったよりも授業についていくので精一杯で……」


 え~? それが理由? 花音なら大丈夫じゃない? 毎日ゴロゴロしている時、ずっと机に向かってるじゃん。


「いや、桜沢さんなら大丈夫じゃないか?」


 と思っていたら、いっちゃんが寮長のアシストをした。そっか、いっちゃんは花音に生徒会に入ってもらいたいもんね。イベントとかいうのを見るために。


「んー……そう言ってくれるのは嬉しいんだけど、成績落とすわけにはいかないんだよね」

「あ~そっか。花音は特待生の枠から外れるわけにいかないからか」


 舞の言ったことに花音は「そういうこと」って困ったように笑っていた。

 ん~? 花音はそれが理由で入らないの?


「でも、桜沢さん。あなた、中学の時は生徒会に入ってたのよね?」

「それは……そうですね。けど、あれは学業と両立出来てたからですし……手伝う程度だったので」


 なんと!? 中学で生徒会に入ってたの? まぁ、花音は生徒に頼られそうだよね~。あれだけ面倒見がいいし。たった3週間で私の母親ポジションですしね。


「桜沢さんは生徒会に興味がないのか?」


 いっちゃん、グイグイ行くね~。よっぽど花音に入ってもらいたいんだね。ちょっと焦ってる感じあるもん。


「ない、わけじゃないんだけど……中学の手伝いはちょっと楽しかったし……」


 ないわけじゃないの? じゃあやればいいのに。


「桜沢さん的には学業との両立が問題なのね? それだったら問題ないわよ? 私たちでも分からない事は教えられるし」

「え……? うーん……」


 これは魅力的な提案ですね。寮長の教え方は上手いからね。寮の中でも評判がいいんだよね~。

 チラッと花音が私の方を見る。


「……葉月はどう思う?」


 全員の視線が私に突き刺さった。男性陣はともかく、寮長といっちゃんの圧が凄い。これはあれだ。余計なことを言うなよっていう目だ。


「寮長の教えは上手いからいいとは思うけど、花音は本当はやりたいの?」

「んー……そう言われると迷うっていうか」

「興味あるならやってもいいと思うけど?」

「うん……ただ帰りがいつもより遅くなるかなって思って……」

「ん~? それが何か駄目なの?」

「葉月のご飯作れなくなっちゃうかなぁと……」

「え? それはやだ。花音のご飯食べたい」


 ゴッと隣のいっちゃんの肘が脇腹に入った。


「気にするな、桜沢さん。食堂もあるんだから」

「いや、いっちゃん。私の胃袋はもう花音のご飯しか受け付けなくなっててね?」

「確かに花音のご飯は美味しいよね~。分かる~」

「ほら、いっちゃん。舞もこう言ってるよ。いっちゃんも花音のご飯好きでしょ?」

「葉月っち? 私たちの場合は週末とかたまにお裾分け貰ってるだけだよ。葉月っちみたいに毎日ありつけるわけじゃないんだからね~」

「大丈夫だ、桜沢さん。こいつのことは心配するな。食堂の食事を突っ込んでおけば、何も問題ない」

「いや、問題ありだよ。いっちゃん」


 ありありだよ。花音のご飯食べれないなんて。なんて残酷な判決を出すの?


「あはは……違うの、東雲さん。私も葉月にご飯食べてもらうの嬉しいから。ただ、帰りが遅くなると葉月のご飯の時間と合わなくなるなって思って」


 あれ? 時間の問題? じゃあ問題ないよ。


「じゃあ、花音の帰ってくるの待ってる。それから作って?」


 花音以外の全員が、呆れたようなジト目を向けてくる。何さ、私はもう花音のご飯なしじゃ無理なんだよ。


「葉月……お前図々しいという言葉を知らんのか? いや知らないよな。バカだもんな。失礼した」

「葉月っち……もし花音が生徒会に入ったら、花音の負担が増えるでしょ。それなのに自分のご飯の世話もしろってさすがに無いと思うよ? 夕飯ぐらい食堂で我慢しよ?」


 むー、何さ何さ。いっちゃんも舞も花音のご飯好きなくせに。生徒会メンバーも知ったら、絶対花音のご飯毎日食べたいってなるのに。


 そんな非難の目を浴びる中、花音がクスクスと笑い出した。


「葉月、私が帰るまで夕飯我慢出来る?」

「っ! 出来る!」


 にっこり笑って花音は寮長に向き直った。


「東海林先輩。勉強、合間に見てもらってもいいですか?」

「っ!! ええっ! もちろん! それじゃあ……」

「私なんかで役に立てれば」

「歓迎するわ。鳳凰君たちもいいわよね?」

「ここで否定できるわけないよ。歓迎するよ。桜沢さん」

「……まぁ、小鳥遊を止められる存在だからな」

「(コクコクコクコク)」

「…………ふん」


 こうして私のご飯は死守できた。え? 違うっていっちゃん? あ~そうだね。間違った。こうして花音は無事、いっちゃんの願い通りに生徒会に入った。これからいっちゃんのいう色んなイベントとやらが本格的に入ってくるのだろう。

 良かった良かった。これで花音のご飯を食べられる。


 □ □ □



「いや、ちょっとは桜沢さんの負担を考えろよ」

「いっちゃん、その花音がいいって言ってるんだよ?」


 花音たちと別れて教室に戻っている最中に、いっちゃんが呆れた声を出していた。

 え~、でも花音はどのみち、生徒会入っても帰ってから自分の分だけはご飯作るつもりだったらしいし、それに私の分が入るだけだから問題ないよね?


「勉強に生徒会にお前の世話って多忙すぎるわ……お前はちょっとは自分で出来るようになれ」

「それが出来たら苦労しないよ、いっちゃん」

「苦労する気もないだろうが」

「その通りだね」

「認めるな!?」


 え~無理~。そんなことより、自分がやりたい事を優先しますけど?


 溜め息をついたいっちゃんが、ポケットから何かを取り出し、私にポンと投げてよこした。

 んん? おお~。今朝いっちゃんに没収されたケース! なんと一杯入っている!


「朝一で連絡して持ってきて貰ったんだよ」

「さっすが、いっちゃん!」

「あのな、葉月……それはあくまで毎日飲むものじゃない……分かってるよな?」

「……勿論だよ、いっちゃん」


 よーく分かってるよ……でも今はこれが必要だからね……。


 ケースを見てる私を、いっちゃんは怪訝な目で見てくる。


「……桜沢さんに部屋を替わってもらうか?」

「……ん~? 大丈夫だよ……?」

「…………そうか……」

「うん……ありがとね、いっちゃん」

「……昨日みたいに用量だけは間違えるな。あと前みたいな使い方はするなよ?」

「分かってるよ~いっちゃん」


 大丈夫だよ、いっちゃん。そんな目で見なくても。毎回同じこと言わなくても。


 大丈夫。大丈夫。大丈夫。



 自分がおかしいことが分かってるから、大丈夫。



 何度も何度も、頭の中で繰り返した。


お読み下さりありがとうございます。

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