第7話. ステータスを確認
--そしたらせめてこの世界では、より有意義生きてもらわないとだねー
そう言ってリンカ様は、まずこの世界のシステムを教えてくれた。
例えるなら地球のRPGゲームのように、この世界ではレベルやスキル、魔法などが存在するということ。
細かいところは追々ということで、さっき調べてくれた俺の現状、ステータスを知らせてくれた。
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【名前】ユウ(ユウ=クロチ)
【年齢】1日
【種族】ベビースライム
【レベル】2
【HP】25/25
【MP】15/15
【スキル】
[種族スキル]
<分解><吸収><再生>
[特異スキル]
<記憶><収納>
[汎用スキル]
<分析><祈り>
【耐性】
<物理耐性・小>
【適正魔法属性】
闇・土・水・時
【加護】
≪輪廻女神の寵愛≫
≪陰邪神の関心≫
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「…まって、最後の何なんですか?」
なんなんだよ≪陰邪神の関心≫って…
--きっと邪神ゲーデがユウくんをスライムに変えた時につけたものね……
そうだ、この姿は邪神によるものだった…変えてそのまま放置ってことにはしなかったってことか。
--消すことは出来なかったから、代わりにわたしの最上級の加護で限りなく薄めてあげたよー
最上級の加護…≪輪廻女神の寵愛≫のことだろう。ありがたいことだ。
輪廻女神のリンカ様は魂を司る女神の一柱として、転生や【スキル】に携わっているらしい。
「なんで【スキル】も…?」
--スキルっていうのは魂に刻まれ、記憶されるものだからだよー
そして俺の持つ【スキル】や加護に関しても教えてくれた。
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[種族スキル]--魔物や魔族などが個々に得られるスキル
<分解>--触れた対象を分解させる。生物の場合はは抵抗の度合いにより失敗、もしくは静物よりも時間がかかる。
<吸収>--対象を体内に取り込む。生物の場合は抵抗の度合いにより失敗、もしくは静物よりも時間がかかる。
<再生>--身体の欠損を再構築する。必要エネルギーが足りない場合は、補充されるまで低再生もしくは保留となる。
[特異スキル]--汎用スキルではなく、特別な条件下で個々に有する特別なスキル。所有対象が少ない場合は固有スキルとも呼ばれる。
<記憶>--過去の経験や内容を可能な範囲で無意識下に保持する。意識的に引き出すことが可能。
<収納>--対象を特殊な空間に保存し、出し入れが可能となる。緩やかだが時間経過が伴う。収納量はレベルや練度、適正、魔力量に依存して増減する。
[汎用スキル]--経験を重ねると習得の可能な一般的なスキル。
<分析>--対象の構成を知りうる限りで明らかにする。
<祈り>--祈りを通じて神へと意思を疎通させる。ごく稀に神からの神言を賜ることもある。神との結びつきが強い場合には、ごく短時間ではあるが言葉を交わすことができる場合もある。
【耐性】--対象への抵抗力。高ければ高いほど適応が可能となる。
<物理耐性・小>--物理的ダメージを少し緩和する。
≪輪廻女神の寵愛≫--魂を司る神、輪廻神リンカ=ショーネの寵愛。魂の成長を促進させる。悪しき干渉に対して抵抗力を持たせる。全てのスキルの習得条件解放させる。スキルの習得・成長を促進させる。
≪陰邪神の関心≫--陰と邪を司る神、邪神ハー=ゲーデが印したもの。そのほかの効果は不明。
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スキルたちは名前からおおよそ想像がつくけども、加護に関してはもう凄いとしか言いようがないな。
何なの全てのスキルの取得条件解放って…
--むふふ、どやぁー!
なんか残念な声が聞こえてきたけど、素敵な加護をくれた本人だし無下にはできないね。
それにしても≪陰邪神の関心≫…怖いなぁ…
--スキルに関してだけどー
そう言ってさらに詳細を話し出すリンカ様。
この世界に生を受けると必ず1つのスキルを賜るとのこと。また種族スキルは別枠として覚える。
<記憶>と<祈り>と加護に関しては、さっき接続した時にくれたとのこと。
--<記憶>があれば前世の知識の有効活用や、これからの出来事を逐一思い出せるからねー
ゲームでいうログだと思えばいいってことかな。なるほど記憶力がいいわけではないからこれはとても助かる。
--<祈り>と加護に関してはわたしとの連絡手段って考えてもらっていいよー
本来女神様との交信は限られた者が教会などの特殊な場所で祈祷を捧げて、短時間だけ行えるものらしい。
またさっき知らせてくれたステータスもそう言った場所で限定的に賜り、書き記さないとわからないのがこの世界での常識らしい。
--ステータスをみるって、つまり魂にアクセスするってことだから、一般人がやると疲れちゃうのよねー
サーバーへ負荷がかかるとかそういうものかな…?
……あれ?<収納>はどこで手に入れたものなんだ?
--<収納>はわたしの見た限りだと、草を吸収したときにできたみたいだね?
草…?……あぁさっきの草か!
あれを吸収した時……混ざりたくないって意識して、消えたと思ったら収納してたってことか!
--本当はもっといいスキル渡したかったんだけど、今のユウくんの許容量が少なくてねー…
「許容量??」
--端的に言えばレベルが低いってことだねー
あぁ……そういえば俺ってばレベル2だもんな。