表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮面α  作者: 霧咲 ユウ
5/22

悪夢。

□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□




「……ん…………此処は……?」








……此処は何処だろう?








……何も無い場所……。








「………………」








…向こうから孝明さんが歩いて来た。








「孝明さぁ~ん!!」








…私の声は聞こえないのだろうか?








孝明さんは私に気付かず、目の前を通過した。








「……竜也!!」








「……奏太!!」








…アイツらも気付いてくれない。








……何だろう……








……凄く心細い……。
















「うっ…………やめてっ…………助け…………っ…………」








…この声は…








…渚っ!!








誰かが渚の首を締めていた。








…渚を助けなきゃ!!








……でも……








……身体が思うように動かなくて……








「…………ぁ……………………」








「渚ぁっ!!」








……どんなに足掻いても……








……そこに辿り着けなくて……








……渚は力尽きた……。








……私は渚を助けられなかった。








……すぐに足音がこっちにやって来た。








……恐怖で、私は後退りした。








…が、手はすぐそこに…








…長い指の大きな手が私の顔に触れる。








…私は手を伸ばした。








…ひんやりとした硬い感触…。








…これは……………………?!!!
















□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□




「……ぅわぁぁっ!!!!…………?」








…外は明るく、スズメの鳴き声…。








……午前6時……








……夢……だったのか……?
















「あっ、もしもし…渚?」


…よかった、電話に出てくれた。








…凄く不安だったんだ。








渚の声を聞いて安心したよ。


いつも通りだったから。








「うん、ありがとう。じゃあまた学校でね!」


少し話して電話を切った。








…いつも通りの朝じゃないか。


そう自分に言い聞かせた。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□


「あっ!涛生ちゃん、おはよう!」


「おはよ、渚。」




下足場で渚と会った。


元気そうだった。








…いつも通りの朝。








…たかが夢じゃないか。


…考え過ぎだ。








「こら涛生〜〜!」


「あっ…竜也…。」




同じ場所で竜也に会った。




「ひでぇなぁ〜、俺様を放って行くなんて…(泣)」


「ゴメ〜ン‼…忘れてた(笑)」


「ぬわに〜〜っ…ヒドイ…(泣)」




…私と竜也の漫才に渚はクスクス笑っていた。




「あ、今日は日直なんだ。先に行くね。」


渚は教室に向かった。




「なぁ涛生、朝飯食ったか?」


「いやぁ…実はすっかり忘れてた……(笑)」




…7時半。


時間はたっぷりある。


早起きして何やってるんだか。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□


「…って、朝から重っ‼」


座ってからの遅いツッコミ。




「俺、大盛りつゆだく!」


「えっっと…じゃあ…私も。」


「ほんで、お前も食うんか〜いっ‼」


…まぁそうツッコミ返されるわなぁ(笑)




…さあて、全部食えるかな〜?




「いっただっきま〜す!」


「うん、美味い!涛生よ〜、やっぱ男は黙って牛丼だな‼」


「口閉じろっ!」


…まぁ色々とツッコミ所のある男です。


食うか喋るかどっちかにせいっ!


…とか、


黙って牛丼…とか言って黙って食ってないし…


…とか、


私、女だし…


…とか…。








「今朝はゴメンね、勝手に先に行っちゃって…。」


改めて竜也に謝った。


「いいよ〜、気にすんな♪」


竜也は笑って許してくれた。


「…何かあったのか?」


続けて竜也がそう言った。


「…実は…………」








…私は竜也に今朝の夢の内容を話した。








「確かにヤな夢だな。」


「でしょ!」


「涛生が心配する気持ちもわかる。……正夢とかになったら……恐いし……。」


竜也から笑顔が一瞬消えた。


「…………えっ⁇…………」


その一瞬に私も動揺した。








…おいっ、そこ、冗談って言えよ。








「まぁでも、渚はいつも通りだったし、ホントただの夢だったよ‼ハハハッ…。」


…何か収集がつかなくなって、半ば強引にこの話題を終わらせた。




「今日は木曜日か〜。」


竜也が言った一言で…。


「木曜日……あっ‼今日は全校集会だったよ‼」


「やべぇ、すっかり忘れてた‼」


「お前もかっ!私もだ!」




…こりゃいかん、急いで食べなきゃ‼








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ