表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮面α  作者: 霧咲 ユウ
3/22

仮面の男。

□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□


「…う~ん…。」








私は腕を組んで悩んでいた。


運んでから悩む私も変だけど、それは明らかに不審者だった。








黒いマントに身を包んだ背の高い男。


何よりも不気味なのは、その顔に付けている仮面だった。








…まるでそれが彼の顔かと言わんばかりに、ぴったりとくっ付いて外れなかった。








私はそれが気になって、彼が意識を取り戻すまで、目が離せなかった。








…彼が眠っている間も、仮面は不気味な笑みを浮かべていた…。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□


「……っ…」








しばらくして男は目を覚ました。


「…あの……」








私は躊躇いながら、彼に話し掛けた。


けど、何て言えばいいのか解らなかった。








「えっ……ちょっと!!」








彼は突然起き上がって、部屋を出た。


私は彼の後を追った。








…玄関で蹲っていた。


まだ休ませないと…。




「涛生~。」


その時、外から声がした。








…ヤバイ!








「涛生~、学校行こうぜ。」


私の名前を呼んでるコイツは【水瀬 竜也】。


一緒に通学してる友達。




「竜也…ゴメン…先行っててくれないかなぁ…。」


鍵穴から届く程度の声で言った。








…このドアは開けられない。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□


「…はい…風邪気味で……ゴホッ……今日は欠席します…。」








…ズル休みした。








私は、彼を放っておけなかった。
















「お腹空いたでしょ。」


私は朝食を2人分作った。








…よかった。


食べてくれた。








「そろそろ母さんが帰って来るから、部屋から出ないでね。」


カーテンを閉めてそう言ったら、彼の手が止まった。


そして俯いた。


…自分は迷惑じゃないか?


そう聞こえた。




「…違う…迷惑じゃない。此処にいて欲しいの。」


何故そう言ったのか、自分でもよく解らなかった。




「何て呼んだらいい?」


欠伸混じりに尋ねた。


「…………狂也…。」




初めて声を聞いた。




「狂也……よろしく……」




声を聞いて安心したのか、急に睡魔が…。








…この人、いい人だよ。








何を根拠にそう思ったのは解らないけど…。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□


「………あっ…?!!!」








…もうお昼だった。


私はベッドに居て、布団が掛けられていた。








「…狂也?」








彼は部屋に居なかった。








出て行ってしまったのだろうか…?








私は家中探し回った。








リビングでは、化粧をしたまま母が寝ていた。


母には見つかっていないようだ。








私は玄関を出た。








家の前を数台のパトカーが通過した。








…嫌な胸騒ぎがした。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ