あれから。
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「渚、おはよ♪」
「涛生ちゃん、おはよう♪」
…今日も下足場で渚と鉢合わせだ。
…あれから数日…。
…私達は日常に戻った。
…三條さんが逮捕されて、事件が公になっていく中、渚の心は大丈夫だろうか…という気持ちがあった。
…渚はいつも通り振舞っているが、やっぱりちょっと無理をしている様に見えた。
…彼自身もまた被害者という事もあってか、周囲の人はやや同情的だ。
…私達はなるべく普通に接した。
「お〜い涛生ィ〜…放ってくなよ〜〜。」
竜也がヘトヘトになって合流した。
「体力が足りんぞ〜‼︎」
体育教師っぽく言ってみる。
「人にチャリンコこがせといて〜こんのぉ〜〜‼︎」
…竜也が怒った(笑)
「あれぇ〜渚様ぁ〜お助けを〜〜(笑)」
渚の後ろに隠れた。
「それで隠れたつもりかーい、おバカさーん♪」
…このフザけた声は…。
「奏太ぁ〜‼︎」
「ぅわぁーw」
…そうそう、
今までと変わった事もあるんだよね。
「涛生ちゃんの勝ち〜‼︎さすが男子最強♪」
「一応、女子だっつーの‼︎」
「ぅはっ、ウケるーw」
「山田く〜ん、座布団10枚‼︎」
…うちのクラスの3バカは、4バカになりました‼︎
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…時々、あの時の事を思い出す。
「涛生ちゃん?」
…あの時…
…狂也は…………
「涛生ちゃ〜ん⁇」
「…へ?」
「次の授業、調理実習だよ。」
「あ…そっか。」
…あの時…
…狂也は三條さんと屋根裏の窓から転落した。
……なのに……
…警察が突入した時には、三條さんしかいなかった。
…彼は警察病院に搬送されたが、あの高さから落ちたのに無傷だったんだ。
…三條さんは、殺人と殺人未遂で逮捕された。
…それから…
…転落した三條さんの傍には、白い仮面が落ちていて…
…割れていた。
…私の手元にあった黒い仮面も。
…『切り離された心』の彼は、あれ以降見ていない。
…もう仮面には何の力も無いって事なのかな?
…何かスッキリしない。
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「涛生〜、この後カラオケ行かね?」
放課後、竜也が切り出した。
「ゴメ〜ン‼︎…今日は用事があって行けない。じゃあね‼︎」
私は急いで教室を出た。
「そか〜。じゃあな〜…。」
「竜也がフラれたーw」
奏太がからかった。
「じゃあ、僕達3人で行こう♪」
渚が仕切り直した。
「お前ら〜‼︎…よし、行こう‼︎」
「…つか、フラれた訳じゃねぇからな‼︎」
…竜也が間を置いてツッコミを入れた。
「いや、どうせフラれるよ。」
奏太がニヤニヤしながら言った。
「うん、竜也くんはフラれるよ♪」
渚も満面の笑みで言った。
「気持ち悪〜い片思いしてる奴に言われたかね〜わ‼︎」
竜也がちょっとムキになる。
「…あれを見たのか⁉︎」
…奏太がピクッとなった。
「あれって?ケータイの待ち受けが…………………………って事?」
「あーあーあーあー‼︎‼︎‼︎‼︎」
竜也を妨害した奏太。
「…奏太くんの待ち受け画面が…………」
「…渚くん?コレあげるから秘密にしようね。」
奏太が渚の肩を組み、何かを渡した。
「…これは…………」
「奏太〜、ワイロを渡すな‼︎渚〜、顔が赤い‼︎……俺も欲しい‼︎…………あっ‼︎…………」
…竜也が口を押さえたが、既に手遅れ。
「…え゛っ…」
「…竜也くん…それって…」
…2人がゾッとする。
「…………俺もだ‼︎」
…竜也が開き直った。
「「エエーーッッ⁉︎」」
奏太と渚の声がハモった。
「…つまり俺達は仲間…という訳だ。」
竜也が2人に歩み寄る。
「いや……ライバルだ…。」
奏太が火花を散らす。
「だとしたら僕の勝ち♪」
渚が満面の笑みで言った。
「「何で??」」
2人が同時に尋ねた。
「母性本能って奴だよ♪…こう…守ってあげたくなるようなキュンっとする男の子に、女子は惹かれるものさ♪」
「…自分で言うなw」
奏太がツッコミ。
「…いや、アイツに母性などない‼︎」
竜也が渚説を斬った。
「やっぱり男は体力と筋肉だよな‼︎…それにアイツとは間接キスもしてるし…………」
更に続けた竜也は、チョット照れながら言った。
「筋肉バーカw」
奏太がニヤリとした。
「…それって異性として認識されてないんじゃ……。」
渚が困り顔で言った。
「2人共わかっちゃいない。今ドキのイケてる男子は、オシャレでアクティブでねーと♪」
「…チャラっ‼︎」
渚が激しくツッコんだ。
「だからギャルとヤンキーにしかモテないんじゃね〜の‼︎」
…竜也が爆笑した。
「…で?結局の所、アイツは誰が好きなんだーい?」
奏太が言った。
「…う〜ん…」
「…誰だろう?」
…この3人のやり取りを私は知る由もない。
…その頃…
私は1人、ある場所へ向かっていた。
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