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仮面α  作者: 霧咲 ユウ
2/22

雨。

□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□


「…最近物騒だよなぁ。」


ため息混じりに私は呟いた。








今、私はインターネットカフェにいる。


学校帰りに、此処に立ち寄る事が多い。


大好きな作家の小説を読む為だ。


それに話し相手もいる事だし…。








「これで3人目だっけ?」


私の背後で返答した店員は、【浦星 孝明さん】。


気さくに話せる兄貴的存在で、良き友人でもある。


孝明さんが言った【3人目】とは、今騒ぎになっている連続殺人事件の被害者の人数。


これがまた奇妙な事件なんだけど…。








「あ〜恐い恐い。」


「こんな所でサボってていいんですか?」


話し出したら止まらない。


孝明さんの悪い癖だ。


「やべっ店長だ。まぁ、お前は大丈夫だと思うけど、気ぃ付けろや。」


トレーを持って立ち上がった。


「何が?」


「涛生は可愛いから!」


私の頭をクシャッと掴んで、孝明さんは持ち場に戻った。


「……可愛い?…何処が。」


ハネた髪を直しながら、私は少し不機嫌になった。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□


…まずは、この事件の説明をしなきゃいけない。








それは一ヶ月程前に遡る。


ある路上で、美しく装飾された死体が見つかった。


被害者の顔には黒い仮面。


そんな事件が今回で3件。


警察は連続殺人事件として捜査。


必死の捜査にも関わらず、犯人の情報は未だ不明。


被害者が仮面を付けられて発見されている事から、マスコミは犯人を【ペルソナ】と呼んでいる。








3人の被害者は、いずれも有名なお嬢様学校に通う綺麗な子ばかりで、おちこぼれ高校に通う馬鹿な私とは訳が違う。


髪も短く、男みたいな気性…私のような奴が狙われるとは到底思えないのだ。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□


「…雨。」








……最悪。








店を出ると土砂降りだった。








…もっと早く帰るべきだった。








が、後悔先に立たず。








今夜は止みそうに無い……そんな声を聞いた。








…待つだけ無駄だ。








傘を持っていなかった私は、諦めて自転車に乗った。
















□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□


「…あぁ……疲れた…」


何とか家に辿り着いた。


…もうびしょ濡れ。


一緒に住んでいる母は、夜から仕事の為、家に居ない。


ベランダの洗濯物は…手遅れだった。








「…あ〜あ。」








仕方が無いので、ソレを再び洗濯機に入れる。








その時……!!!!








大雨に紛れて別の音が聞こえた。








…何だろう?








妙な胸騒ぎがした私は、表に出てみた。








近所の犬が吠えていた。








「ポチ…どうした?」








傘を差して、犬の所まで行ってみる。








「…なっ……?!!!」








誰か倒れていた。








「だっ…大丈夫ですか?!」








冷たかった…。








死んでるかも…。








警察を呼ぼうか…。








そう思った時、倒れていた人が私の手を握った。


「ひゃっ!!!!」








…生きていた。








私は、どうしたらいいか解らなかった。








…無我夢中で。








気が付くと…その人を家まで運んでいた。








□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□

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