100万円で、あなたの彼女にしてください!
「お願いがあるの・・・100万円で、あなたの彼女にしてください!」
「・・・へっ?」
俺の思考回路が一瞬フリーズした後、頭の中が?マークで埋めつくされたのはいうまでもない。
事の起こりは、今朝の1通のメールだった。
俺は休みということもあって、惰眠を貪っていた。
ピロリ〜ン
「・・・ん・・・?・・・メールか」
俺は、頭のすぐ上に置いていた携帯をとって、とりあえず送信者を確認した。
意外な人物からのメールだった。
送信者は絵美だった。
絵美は2年前まで付き合っていた元カノだ。
友人の紹介で、見た目もなかなか好みだったこともあり、絵美の方から告白して来た時に付き合った。
まーそれなりに上手くいってたと思うが・・・俺の浮気がばれて、あっけなく振られてしまった。
そんな元カノから、今更のメール。
気になって、開けてみると・・・
「 達也、久しぶり!
ちょっと、大事な話があるんだけど
近々会えないかな?」
という内容だった。
大事な話ってなんだ?
あれから2年だぞ?
もしかして、ヨリを戻そうとか?
先月彼女と別れたばかりの俺は、ちょっと会ってみるのもありだなと思い、早速返信することにした。
そして、今にいたる・・・
「お願いがあるの・・・100万円で、あなたの彼女にしてください!」
「・・・へっ?」
絵美は思考回路が止まった俺に、さらに追い打ちをかけてきた。
「1年でいいの!1年間だけでいいから100万円で私の彼氏になってほしいの」
な、なんなんだ・・・この美味しい話は!?
コイツの彼氏になるだけで100万円!?
しかも、1年間だけ。
こんな美味しい話あるもんなのか!?
いや、こーいった美味い話には裏があるっていうじゃねーか!
「ってか、何で?」
俺はとりあえず理由を聞くことにした。
「それは、言えないの。でも、達也が損になる話じゃないと思うよ?ダメかな?」
「ダメなわけじゃないんだけど・・・」
「じゃあ、引き受けてくれるの!?」
絵美の声が期待のせいか、少し弾んでいる。
「いや、でも・・・すぐには返答出来ない。
少しだけ時間が欲しいんだけど」
これが、今俺が唯一だせる答えだった。
「そーだよね
急にこんな事言われたらびっくりだよね
じゃあ1日時間をあげる
期限は明日の23:59分!」
「えっ?!明日?!」
「そう、明日まで!
ごめんね、いっぱい考える時間はあげられないんだ
こっちも急いでるから」
「急いでるってなんだよ」
「それは、言えない」
またでた。
言えないってなんなんだよ。
「とりあえず、1年間だけ私をあなたの彼女にしてくれたら、あなたは100万円getできるの!
達也に求める答えは、やるかやらないかどっちかだけ」
絵美はもうこれ以上の話し合いは無しって感じの口ぶりだ。
「じゃあ、これだけ聞かせてくれよ
お前、まだ俺の事、好きなの?」
絵美の顔が一瞬固まった気がした。
でも、それも気のせいだったかの様に、次の瞬間には笑顔で
「好きだよ」