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シーカーの軌跡  作者: レイン
βテスト
3/25

3

視界がもとに戻ったときには俺は始まりの街の噴水の前にたっていた。


ついにゲームが始まった。

周りは転送されてきた奴等が草原に向かって少しでも早く行こうと競っている。

俺はそんな焦らずまずは街の探検だなっ♪


広場を出て、まずは市場を歩く、たくさんのNPCたちが露天を開いており沢山のNPCで賑わっている。


俺の持ち物はゲーム内通貨1000E《エル》、初期装備の武器、防具に初級HPポーション5個、それとチュートリアルで手に入れたドロップ品のみだ。


まず俺はドロップ品を角ウサギの皮3枚を1枚20E、角ウサギの肉3塊を1塊25Eで売り、持ち金は1135Eとなった。


市場を一通りみたが何も欲しいものがなく、門の近くまで来てしまったが外に出る気は今日はないので裏路地に入る。


裏路地は表通りとはうって変わって人通りは全くない、しかし何かないか、誰かいないかさ迷っていると気配察知のスキルで人の気配が僅かに感じられ、裏路地でNPC初遭遇かと思いそっちに駆けて行くとそこには白髪の老人がHPが残り2割ほどで倒れているのを見つけた。


「おい、じいさん! 大丈夫か!? 今ポーション飲ませてやるから待ってろ!」


いそいでインベントリからポーションをすべて取り出すとじいさんに1つずつ掛けていく、飲ませるのは大変だから仕方がないだろう。


そして、じいさんのHPは5本与えたところで漸く6割を越え、安全圏まで回復した。

その後、じいさんが話せるようになるまで待ってから家まで送ることにした。


「いやー、すまんかったのぅ。魔物の討伐にいって帰り道でゴブリンに奇襲されてしまってな、ポーションが足りず家までたどり着けそうになかったんじゃ。ホントにありがとう。礼をしたいから上がっていってくれ、何か役に立てることがあればなんでもする所存じゃ」


「そうなのか? 俺としてはなくてもいいんだが……まぁじいさんの気が済みそうにないし遠慮せずに上がっていくとするか。」


じいさんの家に着き、礼がしたいと言われて家に上がることになった俺は門をくぐり、玄関まで歩くと玄関には大きな看板に『御影流槍術』と書いてあり、偶然にも頼みたいことが見つかった。


「じいさん! よかったらその、お礼に俺に御影流槍術ってのを教えてくれないか? 鍛冶もしたいが凄いタイミングでこれを見つけちまったからな……」


「なんじゃ? ここの槍術に興味を持ってくれたのかいのぅ? ここで教えとる槍術は習得が困難なものが多い、お主らのような『来訪者』でも早くて一週間ほど掛かるぞ? まぁ、それでもわしらの10倍以上も早い習得速度なんじゃがな。」


「それでもいい、レベル上げながらここに通うさ。頼む! 槍術がならいたいんだ」


武術をしたことが無いならしたことあるやつに習えばいい。

その方が我流よりも格段に強いだろう。


「そうか、なら息子を紹介しよう。あやつは当代最強の槍術士でな、今の道場の師範をしている。ただ、通う必要は無いと思うぞ……一通り教えてもらったら自分で鍛練が基本じゃからな。 おい! 吏岳、お前にこの方の指導を頼みたい。頼んだぞ」


吏岳|《吏岳》と呼ばれた人がこちらに歩いてくる


「父さん、この方が父さんを助けてくれた? シーカー君だったかな? 父を助けてくれてありがとう。俺は吏岳だ、好きに呼んでくれ。指導についてだが全力で指導しよう。まず御影流槍術は気功法を習得してもらい、さらに体力を増やすことから始まり、その後……

………………

……というわけで先ずは体力作りと気功法を習得してもらいたい。指導は今からでもできるがどうする?」


吏岳さんの簡単な説明を聞き、早くやってみたいので今からお願いすることにした。


「今からでお願いします。ただ明日から他にもしたいことがあるので自分で修練できるよう一通り教えてもらえると助かるんだけど良いですか? 」


「よし、わかった。あとしゃべり方はもっと砕け、落ち着かんからな……

今日で一通り教えるのも無理じゃない。まだ午前10時過ぎだしただ毎日やらないと身に付かないからな。」


「そうか、わかった。それじゃあよろしく頼む」


そして道場で御影流槍術の指導が始まった。


「先ずは身体の中に宿る気を感じることからだ。気とは使った者の生命力を活性化させる。気を相手の身体に流し込み相手の気を乱すことで生命力を弱めたり、逆に整えて生命力を強めたりすることができる。

その他にも気の使い方はたくさんある、質量を持たせたり、普段気を纏うと身体が仄かに黄色く光るのだが御影流の始祖は気と似た蒼いオーラを身に纏い、流星の如く戦場を駆けたらしいが、今ではそれが何かわかるものすらいない。

まぁ、それはいいか、では気を感じてみてくれ、気は臍下丹田、つまり臍の下辺りに塊のような感じで留まっている。そこに意識を集中するんだ……早ければすぐにでも分かるぞ」


もっとも動かすのは大変らしいが


俺は集中しやすいよう、目を瞑り、臍の下辺りに意識を集中し始める……

もの音ひとつしない道場の中央でその空間に取り残されるような感覚がしはじめ、それはだんだん自分の身体に引きずり込まれていく感覚に変わる……

流れに身を任せ少したつとまるで火が燻っているような暖かい黄色い光の様なものを見つけた。

此れが気なのだろうか……俺は魅入ったように無意識に手を伸ばし、それを握ろうとする。

するとその光は弱々しくなり、消えていってしまった……


そのあと引き戻されるような感じになり、目を開けると目の前に吏岳さんが座っていた……


「そのようすだと気を感じることが出来たみたいだね、どうだい? 気に触れることができたかい?」


「あぁ、感じれたよ……なんか、凄い体験だった。深淵に引きずり込まれるような……

ただ、それは触ったら弱々しく消えていってしまった……」


自分の感じたことを言うと、吏岳さんが少し驚いく。


「ほう、初めてであの奈落に辿り着けたのか! 君は相当な才能があると見たよ! その様子だと燻っていた気を活性させるのに2日とかからないんじゃないのかな……」


そんなに早く習得できるもんなのか……


しかし、聞いてみると普通は『来訪者』でも5日以上掛かるはずらしい。


「眠れる才能に気づいた事は僥倖だったな、よしでは次にいこうと思う。

次は技の練習をする。御影流槍術は十文字槍や片鎌槍、両鎌槍を使う、だから普通の槍の突く以外にも切り落とす、巻き落とす、摺り込む、引き裂く等ができる。だが他の流派に比べ、技の種類が少ない、全部で6つだ、まぁ秘技、殲滅技、奥義をいれると9つだが俺は奥義は使えない。というより初代、2代目以降は使えたものがいないといった方が正しいな……そして、秘技、殲滅技はまだ教えられん。


ではまず壱之型:柊、だこれは言ってみれば只の突きだ。最も突きやすい体勢からの突きで、極めだ時の威力ははかりしれん。ただ、決まった体勢からのだけでなくとも放てる、いろんな体勢からの練習もするといいぞ。まぁ、それは魔物相手でもできるな。ではやってみろ」


まず俺は一番しっくり来る体勢を探す……

腰を落とし、槍を両手で持ち、後ろに引く、たぶん此れが一番オーソドックスだが一番しっくり来る体勢だ。


そこから的に一気に迫り、腰を捻り、腕を突きだす……!

初心者の槍が的に当たり、的の中心を貫通していた。


「ふむ、初めてでその威力は素晴らしいな、何かやっていたのか?」


そんなことを聞かれるが俺はリアルでもなにもしていない。

運動神経は並みくらいで、あえて言うなら動体視力と物事を並列してこなせる位だ。

あれか?運動神経が良い≠武術が強いってやつか?


「なにもしていないのにそれは凄いな。じゃあ次は2つだ。

先ずは弐之型:閃、だ。これは前方の敵を凪ぎ払う技で複数の敵を一気に切り裂くことができる。

そして、参之型:霞、これは防御貫通攻撃だ。防御力の高い敵に有効で他の技と複合で使うこともできるお勧めは壱之型との複合だな、なんといっても技の後の好きがほぼ全く無い、といって良いくらい少ない。それじゃぁやってみてくれ」


この2つもやってみた。

閃は柊と同じで最もやり易い体勢からのの一撃で5回ほど練習して一番しっくり来た形で此れからも練習する。


霞は気功法を習得していないと難しいらしくまだできなかった。


「次は三つ一気だ。

肆之型:桜、これは気の物質かが出来るようになると習得できる。オリジナルの突きと気でできた槍の突き、これが幾百、幾千となって敵に降り注ぐ。相当凶悪な技じゃ、ただ、技の後の隙が大きいから、敵のバランスを崩したりしたあとに使うのが良いだろう。突きの数が少なくなると隙が小さくなるからそれも覚えておけ。

そして、伍之型:砕、これは切ったり、穂先で突くのではなく石突きで相手の体を砕く技だ。人型が相手なら武器破壊もできる。これは突き、スイング、降り下ろし、どんな体勢でも打てるのが一番のメリットだ。

ラストの終槍:赤椿、は柊と桜の会わせ技だ。無駄の無い突きと、桜の突きの数が合わさる凶悪極まりない技だ。

人に見せるのは注意しなさい。それでは見本を見せるので真似てやってみてくれ」


結果から言うと砕以外は無理だった。気を出す事すら難しいのに物質かなどできないよ……

しかし、そんな感じで夕方くらいに気の練習に全ての型を教えてもらったので明日からは一人で修練できるから私に勝てるくらいになったらまた来てくれと吏岳さんに言われた。

そして、御影流槍術を使うのにその槍じゃあすぐに壊れると言われ餞別に十文字槍をもらった……


頑堅な鋼鉄の十文字槍

★★★☆☆☆☆☆☆☆

頑丈な鋼でできた十文字槍。

Str+20


これは……初期装備の槍に比べるとStrのプラス値が全然違う。


ただ、今日はもう遅いので泊めてくれるらしく、俺は夕飯を頂き、その後気の練習を続け、寝る前には動かして少しだけだが纏う事ができるようになった。

これは異様に早いようで吏岳さんもじいさんも驚いていた。

そして、その調子なら明日いく予定の戦闘で気功法を使いながら戦うと一気に習得できるかもしれないらしい。


ちなみに夕食はパンとシチューで、とても美味しくいただいた。


さて、明日からは街の外に出るか……鍛冶の師匠も欲しいんだけどな、それはまだ焦ることはない……

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