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8日が経ち、7月19日になった。
俺は今、○○△ホテルのロビーで主催者の説明を聞いている。
概要はこれから半日かけてVRシステムの適性検査や身体能力の検査などをするらしく、一人一人に番号札を渡されそれぞれ、配られた紙で決められた順に検査を受けていくらしい、俺はこの紙によると……まずは健康診断で健康状態を見て、そのあと適性検査、この適性検査が2時間かかるみたいだ……加速率あげてみたり、視覚や聴覚が正常かの検査などで時間がかかるらしい。
そのあとは部屋で睡眠をとり明日に備えるみたいだ。
検査室から出てきた俺は部屋に戻り夕飯を食う。
検査を結果、俺は健康でテストをするのに何も問題がなかった。
適性検査は相当疲れた。
視力は適正があり、問題なかった。
ただ、ゲームでは視力検査は全ての人が視力2.0に合わせられるらしく、みえかたがリアルよりよく見えるので違和感があった。
聴力物をなにも問題なくおわった。
そして、時間の加速率では俺の脳は驚くことに14倍まではなんの支障もなく活動可能なことがわかり、運営に頼まれたので正式版でのデータの採取に協力することにした。
アップデートで色々修正できるかも……とのことだ。
協力することでβテストから正式番への移行での特典で少し優遇してもらえるみたいだ。
ただ俺は安全マージンをとっても10倍と他の加速率を上げる人よりも加速率が高いので優遇も結構いいものにしてくれるらしい。
たが、βテストでは公平を期するためにテスター全員が1倍でテストにさんかし、倍率をあげてプレイするのは正式版になってかららしい。
まぁ、10倍でプレイとか移行時の特典を貰うのに有利すぎるからな……余計な妬みとかは受けたくないしよかった。
さて、夕飯も食べたしもう寝よう。
明日は7時に大広間『木の葉』に集合だ……
朝飯を食べて、俺達は部屋に戻りゲームを開始することになった。
「一也! お前何号室でゲームするんだ? 俺は3062室だ!」
「ん、あぁ? 冬真か、俺は3063室だな……てお前の部屋のとなりかよ……」
「スッゲー偶然じゃん! んじゃ夕飯とか一緒にいこうぜっ! 情報の交換とかしたいし」
「おう、いいぞ。そういえば妹もβテストに参加してるらしいからそのうち会えるかもな。」
「マジで!? 美月ちゃんに会えるかもしんねーの!?」
「あ、あぁ。食いつき激しいな、お前。親友も参加するっていってたから一緒に行動してるんじゃないのか?」
冬真の食いつきに若干引いてしまう。
冬真は前から妹に惚れてたからな……妹も好感持ってるし……
こいつが弟になるかもしれないと思うと憂鬱だけどな……
その前にどちらかが誰か他のやつと引っ付くのを期待しておこう。
「会えるといいなー! まぁそうゆうことで今日の夕飯時になー」
冬真と部屋の前で別れると俺はベットにセットしてある金箍を被る。
「リンクイン」
目を開けるとそこはホテルの部屋に良く似た、しかし、家具もなにもおいていない部屋に俺は胡座をかいて座っていた。
家具が置いてない部屋だとホテルの部屋と同じくらいの広さでも異常に広く感じるな……
『ようこそ、Backword Rgion Adventureの世界へ。ここではプレイヤーの皆様にキャラクターメイクをしていただきます。そして、キャラクター作成後転移した場所でチュートリアルを受けていただき、更に転移した先、始まりの街ファイスにてゲームをプレイ開始していただきます。
それではまずはキャラクターメイクをしてください。』
どこからか聞こえてきた声が終わると目の前に縦20㎝横30㎝の白い半透明の板みたいなものが出てきた。
そこにはステータスと一番上に書いてありそのしたにName、年齢20、種族、HP、MP、Str、Vit等の表示があった。
なるほどこれでステータスを決めるのか……
恐る恐る白い板の名前の欄をタップすると名前を打つ欄と、キーボードが出てきた。
そしてあらかじめ決めておいた名前を打ち込む……
よし、1つめのでOKだった。
次は種族。
ヒューマン、ビースト、エルフ、ドワーフ、ドラゴニュートから選ぶ、因みにランダムもあるが別に希少種族が出るとかそういうのもないので選択しない。
自分のこれから使うキャラを適当に決めたくないしな。
そして俺は初心者、上級者向けのヒューマンをタップして次の欄に移る。
次に決めるのはステータスだ。
ヒューマンは本当に平均的でStrなどの基礎ステータスの数値が全て20でそこには最初に振れるBP、50Pを振り分ける。
因みにHPは(Vit×2+Str)と計算し、MPは(Int×3)と計算する。
そして、このゲームは他のゲームと違うところがあるVRゲームの大体のステータス欄にあるLukのステータスがないのだ。その人の運はその人自信の運によって決まる。らしい……
隠しステータスなどもないようで本当に純粋なプレイヤー自身のうんらしい。
ステータスの項目の概要は
Str:物や武器や防具の持てる量や重さに関係する。
物理攻撃力を示す。
Vit:防御力やスタミナの量に関係する。
物理防御力を示す。
Int:魔法の威力や持続時間、射程に魔法や呪いの抵抗、状態異常からの回復に関係する。
魔法攻撃、防御力を示す。
Agi:移動速度を示す。
Dex:動作(攻撃や物作り)の精密さに関係する。
器用さを示す。
で全て重要なもので疎かにして良い物など1つもない。
特に俺は所謂戦闘と生産の掛け持ちなのでどの項目も大事だ。
ステータスにポイントを振り終えたので次はスキル。
スキルは固有スキルとは別にとるノーマルスキルだ。
そのなかにもノーマル、レア、ユニークとあるのだが……
これは最初に決めれるのは5つでそのあと10迄は全員が取得できる。そして、モンスターから稀に落ちるスキル石を消費してスキルを覚える。
そして、超レアドロップのスロット石でスキルスロットの拡張が行える。石一個につき一枠増加だ。
まぁ、スキルをマスターすればマスタースキルとして10個とは別に無制限にセットできるんだけどな。
そして全て決め終わった俺のステータスはこうなった。
Name シーカー
年齢 20
種族 ヒューマン
HP 90/90
MP 90/90
Str 30
Vit 30
Int 30
Agi 30
Dex 30
BP0
固有スキル
状態異常耐性(微)
スキル
槍術Lv1 鍛治Lv1 生産者の心得Lv1 土魔法Lv1 気配察知Lv1
空き5
となった。
まず名前はシーカー、他のゲームでも良く使ってた名前だ。
まぁ秋篠 一也って名前をもじっただけだけどな。
そして、種族はヒューマン!
状態異常耐性が嬉しいよね、絶対特以上にしてやる! いや……冷静に考えるとβテストでそれは無理か……?
あとヒューマンなら平均的だからオールマイティーで行けそうなので作って闘う俺にはぴったりそうだからな。
次はステータス!
これは全てに10Pずつ入れた。良く小説でやってる極振りに対抗して超平均振りにする。
良く言えばオールマイティー、悪く言うと器用貧乏。
俺が能力をしっかり使いこなせるかが重要だ!
BPは種族レベルが1Lvにつき5P獲得できるので全てに1ずつ振っていく予定だ。
そしてスキル、作って闘うんだから戦闘と鍛治は必須。
んで、槍は武芸やったことなくてもリーチ長いから闘いやすそうなので選んだ。
生産者の心得は生産に安定性が増し、作品の品質が良くなりやすい。
土魔法は攻撃、防御、鉱石集めとか色々できそうなのでとった。
気配察知は急襲されたくないし、敵が見つけやすく、急襲しやすそうなので取った。
まぁ、ゲーム内での一日目は街の探索で終わる予定なので問題ないだろ。
その探索でなんかスキルとれたら良いな……
さて、キャラクターメイクも終わったので転送してもらおう。
『プレイヤー、シーカー様のチュートリアルを開始します』
また何処からか声が聞こえ、視界が光ると俺は草原でウサギと対峙していた。
ウサギを見るとウサギの頭上に種族名らしきものとHPバーが出てきた。
名前は……『角ウサギ』というらしい。
『モンスターは、プレイヤーが認識すると種族名が出ます。
そして、倒すと青いエフェクトを出して散っていきます。
では、槍術を使って倒してください。』
声が終わると同時にウサギがこっちに走ってくる……
って、頭に角がっ! 突進を間一髪で横に避ける事ができた。
そして俺の手には知らないうちに木の槍が握られている。
これで倒せってか……? 頼り無さそうで今にも壊れそうだ……
だが、倒さないとゲームが始まらないと気合いを入れウサギと向き合う。
……殺気をぶつけられるのって結構怖いんだな。
ペットのウサギと同じとは思えない……
だけどこれもなれないといけないのか。
再びこっちに突進してくるウサギにリーチを活かして突きを入れる。
すると角ウサギのHPバーが3分の1程度減った……あと2回攻撃を当てれば勝てそうだ。
今度は自分から向かっていく。
いきなり距離を詰められ動揺している角ウサギにまずは一撃、尖っていない方の石突きでスイングするようにウサギを殴り付け、吹っ飛んだところに穂先を頭につき入れる。
そこで角ウサギのHPバーが0になり青いエフェクトを撒き散らし消滅する。
『おめでとうございます。倒した角ウサギのドロップがインベントリに収納されています。
インベントリの開き方は右手を横に振るとメニュー画面が出るのでそこからインベントリをタップすると開くことができます』
右手を横に振ると言葉どうりキャラクターメイクの時に出てきた板と同じ大きさのものが出てきた。
そこには上から
メニュー
ステータス
インベントリ
フレンド
メール
ヘルプ
とあったので俺はインベントリの項目をタップする。
インベントリには角ウサギの皮×3、角ウサギの肉×3が入っていた。
倒したモンスターのドロップ品は自動で解体されてインベントリに収納されるらしい。
そして、容量はなしで、どれだけでも入るらしい、最高だな……
それを確認すると
『これでチュートリアルを終わります。転送します。それではBackword Rgion Liberationをお楽しみください』
という声が聞こえ、視界が白に包まれた。