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自分の好きなジャンルがごちゃ混ぜになってます。
次回は怪獣グラビトンとの最終決戦です。
今月中に一章は完結する予定です。・・・あくまで予定。
大助は装備品を整えると港に設置された対策本部のテント前に戻ってきていた。
大型二輪車の見た目は変わらないが追加の武装は組み込まれてある。
大助自身も左ももに折り畳み式斧が装備してある。
他にも背中には二メートルあるハルバードを背負い、スピアフィッシングをするのには適さないような凶悪なかえし(・・・)の付いた水中銃を市販のベルトで大型二輪車の左側面に設置してあった。
市販のベルトであればいざというとき機械人間の腕力で引きちぎることが可能だ。
零時抜刀隊の二人は既に到着していた。悠一の父親も含めて最後の打ち合わせをする。
作戦は抜刀隊のヘリコプターが上空から電磁網の端を結び付けた僚機カメラを投入し、操作する。そうして捕らえた怪獣グラビトンを大型二輪車の武装で止めをさす、という手はずだ。
制限時間は陽が落ちるまで。
「丘ならまどっろこしい作戦なんか立てずに私がぶん殴れたのに」
大助たちはアポロが実際に三十メートルある巨体を吹き飛ばした場面を見ているのでなにも言えなかった。
「まだ不満なんですか先輩。諦めてください」
「丘に釣り上げるとかできないの? もしくはお昼みたいに海面に顔を出させるとか」
「作戦時間は寝てたんですか⁉ 保志さんたちにもそんな装備は無いそうですし、海面に顔を出すことは警戒されているだろう、って話したじゃないですか⁉」
「うぅ……後輩が怖い。あんな大物がいるのに私の欲求不満はどうすればいいの?」
「知りませんっ‼」
自分の胸を寄せ上げるアポロに香菜が顔を赤くして答える。
悠一の父親はそそくさとテントに戻って行った。
「大助さんさぁ、作戦が終わったら私のこと抱いてくんない?」
「ぎゃー! 先輩何を言ってるんですか⁉」
ジュニの呆れた声が聞こえる。
『若いっていいですね……』
AIに若さの概念が通じるのかわからないが、どうやら外見に引きずられるらしい。
元はベビーシッター用に製造された機械人間としてノイローゼ気味の女性への対処法も心得ていた。
(ジュニもまだまだいけるよ。色気っていう武器がある)
(そ、そうでしょうか?)
AIプログラムのホログラフでも女性は女性なのだ。
「で、今夜何時に行けばいい?」
アポロが流し目で大助を見つめた。
「……そういう露骨な死亡フラグは踏まないようにしてるんだ」
「そう? でも私はこれでも尽くすタイプよ」
香菜はアポロの横で真っ赤になってあうあう言っていた。
彼女の外見とおりの年齢なら男女の経験もありそうだが、どうやら耐性はないらしい。
『そもそも機械人間は生殖機能がないのです』
「そうなの? でもうちにいる機械人間のたまきさんはおっぱいあるよ?」
アポロの疑問にジュニが答える。
『それは赤ちゃんが本来の母親に違和感を持たないようにするためです。機械人間はセクサロイドではないですから性器は存在しないんですよ』
本当は精巧な機械人間に持て余した人妻やストレスの溜まった父親が間違いを犯さないようにするためなのだが、機械人間の間では信じられていなかった。
理由は“腕力では機械人間には到底及ばない”からだ。大雑把な感情しか付加されていない機械人間には情に流されるということが今一つ理解できないのだった。
「もうこれ以上禁止です! エッチなの禁止! さぁ! 作戦を開始しますよ!」
香菜に背中を押されアポロはヘリコプターに押し込まれる。
「オレたちも行くか」
今まで黙っていた大助が声を出した。
『あなたももう少し耐性を付けるべきですよ、大助』
「……男性型機械人間は一生童貞であることを宿命づけられているんだ……」
わかるんだが、わからないような言葉を吐いて大型二車は海へと潜った。
誤字・脱字が多々あるかもしれませんがご容赦お願いいたします。
発見しだい随時修正していく予定です。