6
自分の好きなジャンルがごちゃ混ぜになってます。
三章完結!
まだ直したりないところもありますが昨日宣言してしまったので投稿します!
エピローグもすぐに投稿します!
大助は機械人間製造施設に戻ると入口でジュニに大型二輪車の充電を任せ、単独で奥へと入って行った。
『大助は大丈夫でしょうか』
ジュニはホログラフ体を表し施設の中を覗きこむ。
『私が付いていないとてんでダメな人ですから』
ジュニの独り言に答える声がした。
「それは羨ましいな」
『誰ですか⁉』
「初めまして、でもないけど一応、初めまして。ワタシはゼクサ。守護機械たちからは狂人の王と呼ばれる者だ」
ジュニは緊張を高める。
『“者”ですって? あなたは機械じゃないですか』
玖賀財閥に所属しない存在が大型二輪車と機械人間のパーツを持つ――敵対勢力として認定するのに十分な理由だった。
「確かにワタシはアンドロイド……いや自分を誤魔化すのはよくないな」
ゼクサがやれやれという風に頭を振る。なんというか人間のような仕草だった。
「ワタシは擬似性交渉用ロボット(セクサロイド)だ」
『それがどうしてここにいるんですか? 所有者は?』
「わかりきった質問だな。だが答えようじゃないか。ワタシの主人は死んだ。ワタシが殺したのだ」
『ならあなたはアンドロイド保全機能のためショートを起こし壊れているはずです』
「ワタシにはこの力がある」
ゼクサが手を海へと向けると水柱が立った。
『機械に魔法や超能力が使えるわけがありませんっ!』
「ならワタシという存在はどうなるんだ?」
『あなたは壊れたセクサロイドに憑りついた元未確認生物です』
「元未確認生物……いい言葉だな。考えなくていいものは全てこの言葉に押し込めてしまえる」
『……何を言っているのです』
ゼクサが一呼吸を入れ語りだす。
「世界が塗り替えられた災害、それ以前の旧世代にとって忌まわしいモノは全て元未確認生物として片づけられたということさ。超能力者や魔法使いも例外ではない」
ゼクサはジュニに、大型二輪車に近づく。人差し指を立てフレーム、座席、ハンドルをなぞっていった。
「ワタシに何かが憑りついていたとしても、それを見分けられるのか? この国には憑神という概念が存在するじゃないか。ワタシは生を、心を手に入れたのだ。心を持った機械という未確認生物、それがワタシだ」
ゼクサが大型二輪車に跨った。
『‼』
「そして旧世代はいずれ時代に排除される。元未確認生物は正式に認知されることになるだろう」
『……目的は何ですか?』
「ワタシの目的は旧世代の早急な排除だ。時代なんて待ってはいられない」
『ならこんなところに暫定首都に行けばいいでしょう』
「ワタシは馬鹿じゃない。自分の力を知っている。模造した大型二輪車を使っても本家には勝てないレベルだとね。そうだろ? 機械人間支援知能・製造番号00012さん?」
『どうして私のシリアルナンバーを……まさか……!』
「どうやらキミと機械人間の彼はここで生まれたらしいね。兵器のデータを漁っていたら資料が見つかったよ。ワタシは街に住むキミたちの存在を知っていたこともある。これが運命というものだ」
『……』
「そんなものは信じていないという表情だね。実に素晴らしい。でもワタシは超能力に目覚めた時、神の存在を信じたのだよ」
ジュニはゼクサのいう神が神話を体現した元未確認生物ではない、本物を指しているとわかった。
「運命、運命なのさ」
『一体なんのことですか?』
「キミとワタシが出会ったことに決まってるじゃないか! 機械人間を支援するための知能、兵器を扱うための知識! そして何よりパートナーに寄り添い生きる淑女……。00012、キミはワタシと共に来い。旧世代を排除し、新しい未来を作ろうじゃないか!」
ゼクサがハンドルを握る。
「さぁ、出発だ‼」
だがアクセルをいくら捻ってもエンジンはかからない。
『私は――自分が機械人間を支援するために作られたから大助のパートナーをしているのではありません。私は、私の意思で保志大助を選んだのです』
ジュニが言い切った。AIである自分の偽りのない気持ちである。
施設の中から人影が飛び出した。
『大助っ‼』
大助は手にしていたヘルメットでゼクサを殴り飛ばした。ゼクサが大型二輪車から転げ落ちる。
「大丈夫か⁉」
『私は平気です。あなたは?』
「ぴったしの右腕を見つけた。それにヘルメットの充電もできた」
大助はヘルメットを被ると折り畳み式斧を構えた。
「クッ、クククク……」
大助は倒れたゼクサに近づこうとして足を止める。
「そうか……ワタシは独り一人ひとりヒトリ……」
ゼクサが跳ね起き、マンホールを破って下水道に飛び込んだ。大助は追いかけようとしたが地下から伝わってくる振動に足を止める。
『地下から強力なエネルギー反応!』
大助は大型二輪車に乗りアクセルを捻った。充電された大型二輪車は乗り心地がいいように感じられる。
地面を割って現れたのは十五メートルほどの植物――いや人間のような手足が形作られていた。
「なんだあれは」
『有機物ロボットです! 心臓部にゼクサの反応を感知!』
「ゼクサ?」
『あのセクサロイドの呼称です』
「……ふーん。まぁいいけど」
『嫉妬ですか?』
「違う」
植物の巨人の他にも継ぎ接ぎのゴリラやマンボウが次々と現れる。
『この地域は完全に乗っ取られていますね。全域を破棄しなけれなりません』
「《白光のアルヴァーシ》だ」
大助が前輪を上げウィリー走行の状態にする。ジュニが《圧力光線》を展開し、地面に掃射、大型二輪車を支える補助輪の役目を果たす。
機械が内部で複雑に組み合わさり、車体の前方部分が伸びる。車体の腹から大型二輪車のコア部分が露出された。
『展開完了』
大助が視線パネルを操作する。コアがまわりだし、光の環が車体の前方に発生する。
『エネルギー……三十……六十……九十……百』
光の環は次第に白い輝きを放ち始める。
大助は車体をウィリー状態のままバック走行に切り替える。ゼクサへと光の環を向けた。
「解放」
太陽が堕ちた。
穢されることのない白光がすべてが染める――
誤字・脱字が多々あるかもしれませんがご容赦お願いいたします。
発見しだい修正しています。
折を見て文章を直すかも。




