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 その夜、私たちは星空の下で、いつまでも語り合い、時に肌を重ねて暖もりを確かめあった。

 夜が明ければ現実が襲い掛かってくる。

 私たちのささやかな誓いも、大きな世界のうねりの下では、荒れ狂う濁流に浮かぶ木の葉ほどの役にも立ちはしない。きっともみくちゃにされ、私たちの意志も踏みにじられてしまうだろう。

 けれど、そんなことは百も承知で、これからの私たちはこの夜の誓いを立てた。

 それはこの誓いが、重ねた肌の暖もりの記憶が、互いの鼓動の大きさが、私たちを支えてくれると信じたからだ。

 世界がどれほど深い闇に覆われていようと、どれほど凍てついた冷たい霧に覆われていようと、この誓いがあれば私たちはうまくやってゆける。

 時に道に迷い、時に暗闇の深さに、その重みに耐え切れず、膝を屈することがあっても、この夜の想い出がある限り、私たちは何度でも立ち上がることができる。

 満天の星空の下で、数千光年の闇を貫いて降り注ぐ星々の光の下で誓い合った私たちなら、きっと。

 そう信じて、私たちはその夜を過ごした。

 やがて明けるその夜の終わりを、待ちながら。


〈fin〉

 連載最終回。

 

「恋愛小説」を書いているつもりだったんですが、何だか辻説法みたいな話になってきてしまいました……orz

 それでも、ラストは頑張ってイチャラブ的な展開にしてみましたが、いかがでしょうか。

 ……まぁ、この後、『花嫁強奪』で書いたように、この二人は悲劇的な別れを迎えることになるんですが。

 

 このお話を書く以前から、物語における「ハッピーエンド」って、別に「王子様とお姫様は幸せに暮らしました。めでたし、めでたし」じゃなくてもいいんじゃないか、と思っていました。

 人生って長く生きてればいろいろあるし、最後に悲劇で終わったからと言って、それまでの過程での喜びや幸福に意味がなかったかというとそんなことはないと思うし。

 いや、でも『ハチクロ』の落ちは、つくづく酷い話だよなと感じましたけども(でも好き)。

 そんなわけで、このお話は二人が結ばれたもっとも幸せな瞬間で物語が閉じられます。

 だから「ハッピーエンド」です。

 文句は言わせません。

 

 とはいえ、「フェリア王女の物語」としては、まだ終わった感じはしません。

 なので、もう1作くらい書くことになりそうです。

 そもそも『花嫁強奪』のあの描写ではカオ皇子が「本当に死んだのか」ははっきりしませんし……。

 いやぁ、こんな物騒なキャリア積んだ男が、そう簡単に死ぬかというと──さて、どうなのでしょうね(ニヤリ)。

 

 しばらく別の作品にかかりきりになる予定なので、フェリア王女の続きの物語に取り組むのはまだまだ先になりそうですが、のんびり気長にお待ちいただけると幸いです。

 

 では、また次回作で。

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