その日、全てが壊れた
こんな風に、私たちは夏休みを過ごしていた。
そんなある日。私たちは、近くの山に虫を捕りに行っていた。
ユートが虫に詳しいから、とった虫がなんていう名前なのかすぐに分かる。
「今日、めっちゃとれるね。クワガタに、カブトムシが籠の中でうじゃうじゃいるよ。」
レイは、虫が平気なのかユートが持っている虫かごに普通に近づいて行った。
一方私は、虫が大の嫌いだ。今日だって、本当は山になんか行きたくなかった。
でも、計画しているときに、ユートが
「虫ってね、本当はめっちゃすごいんだよ!…」
と、きらきらした目で私を見つめてきたもんだから、行かなくちゃいけないと思ったんだもん。
「あんたも、よくこの山にいれるわね。」
と言うのは、虫への防御のために肌を目以外全て隠しているユメだ。
「そう?もう、ここまで来たんなら、覚悟を決めないとって思ってさ。」
私も、そう平気なフリをしながらも体をぶるぶるさせていた。
そうこうしている間に、私たちは、山道から出て、大きな車道に出た。その車道は全然車が通らないさびれた道路だった。
「これから、この山の頂上付近にある野原でごはん食べるぞ。」
ユートがこの山について詳しく調べてくれたから、どこにどんなものがあるのかすぐわかる。
「じゃあ、早くいって、ごはん食べよ。」
と、呑気に私が返事した。
その時だった。
バン!
背後から、銃声が聞こえてきた。
「ぎゃー!」
その瞬間、後ろから叫び声が聞こえてきて、森の中で響いた。
「え?」
振り返ると、信じられない光景が広がっていた。
道路に座り込んでいる、見覚えのある体と、服。
道路に滴る血。
そして、すぐそこにある腕であっただろう何か。
「痛い!痛いよ!」
と、苦し気な声が聞こえてくる。
でも、私の体は動かなかった。
きっと、私の後ろにいるユートも、私の横にいるレイも、固まっている。
「西澤さん。狙いは外しましたが、娘さんの仲間だと思われる方を捕らえました。」
そういって、ユメの後ろから姿を現したのは、見たことのないスーツを着た大人だった。




