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この世界、おかしくない?

この学年には、“従えない人間”があと三人いる。





キーンコーンカーンコーン


キーンコーンカーンコーン


鐘が鳴って、私は手を止める。


私が先程まで手をつけていた物を後ろの席の子が回収して、先生に渡す。


その何とも機械じみた動きに吐き気を覚える。それでも、自分は”あいつら”に囚われている。



先生が紙の枚数を数えている間、みんなは静かに先生を見つめる。



こんなの牢獄みたいだ。



私は、窮屈さと少しの孤独から逃げるように足でトントントンとリズムを刻む。最近ハマったロックの曲のリズムだ。




先生があり得ないと、言うように私を睨むが、そんなの知ったこっちゃない。心の中でベーっと舌を出してみる。




手が震えそうになる。

大丈夫。

この思いを抱えているのは私だけじゃない。

ーこの学年だけでも3人いる。





そんなことを考えていると、先生は持っている大量の紙をトントンと教卓で揃える。その音がまるで合図かのように、みんな一斉に立って挨拶をする。





ああ、やっぱりここは生きづらい。息をしているだけで怒られているみたいだ。




しかし、不思議なものだ。あんな頭が腐ってるやつが決めた、期末試験とかいうものがなくなるだけで、解放感で踊り出してしまいたくなる。




でも、そんなことをしたら、みんなに変な目で品定めをされているような。それでいて、見下しているような。その目が私は、嫌いだ。





期末試験が終わって、登校日が少なくなる。それだけで、私は夏が来るのだということを実感して、思わずにやけてしまう。




 この胸の高鳴りは、夏休みという非現実的な長期休みによって引き起こされるのだろうか。



こんなにわくわくするのは久しぶりでそわそわする。



頭の中で、夏休みの過ごし方を妄想していると、レイが話しかけてきた。



「マリ〜、二十三日の十時集合でいいんだよね?」


「そうだよ。」


「オッケー。でも、無理なら全然大丈夫だよ。」


レイが気負わないように、ニコッと微笑むと、レイの肩の力が少しほぐれたように見えた。




「二人とも何を話していらっしゃるのかしら?」


二人で話しているとユメがやってきた。すると、クラスメイトからの視線が痛く感じ始めた。




「今度の遊びの集合時間の確認だよ。ね、レイ。」


笑顔を絶やさずにレイに確認をとる。レイは、無言で頷いていたが、どこか笑わないように耐えているようだった。




「あら、そうでしたの?でも、秘密をつくったら、どうなるかわかっていますよね?」


と、怖い笑顔をするユメ。


でも、いつもと態度が違うことに、思わずふふっと笑ってしまう。そんな私を見たのかユメは




「マリが笑うなんて酷いですわ。」


泣きまねを始める。そんな様子を見て、今過ぎてる一瞬一瞬が愛おしく感じる。



「そういえば…」



ユメが意気揚々と話し出すところを引き裂くように鐘が鳴る。



 その音が鳴り出すと、みんなロボットのように掃除場所へ向かい始める。ユメは、焦っているように、でも少し怒気を含んだ声で

「いかなきゃ。じゃあね。」

と、笑顔で手を振って去っていった。





終礼が終わり、みんなそれぞれのタイミングで帰りだす。


中には、まだ帰らないのかと問い詰めるような視線を送る輩もいるが、無視している。


じゃあ、なぜ私とレイはまだ帰らないのか。


それは、



「二人とも待たせちゃった?それだったら、ごめんね。」



「二人とも、さっきぶりだね~」



ユートとユメを待っていたからだ。



「全然待っていないから、気にしないで。」



すかさず声をかけるレイ。さすがだ。



「それよりも今日はなにする?」



いつもより、食い気味に聞くユメ。



「実は、全然決まってないんだよね。」



みんなのまとめ役であるユートが言う。


みんなが頭を抱えて悩んでいる中、私は名案を思い付いた。



「ねえ!例えばさ、さっき受けた期末テストの結果とかを流出させたらどうかな?」

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