聖女追放された私は辺境で晩酌していただけなのに、なぜか魔王軍が全滅しました。~「即身成仏」させてくれるモフモフの正体が、全人類植物化兵器だった件について~
CWAVE の第一・第三日曜 21:30-22:00
「みちこの寄り道くまもと話」投稿テーマが「おつまみ」と言うことで、投稿原稿書いてるつもりがこんなストーリになりました。
ラジオで読んでいただくことが目的でもなく、自身の不思議な感覚といただいた「おつまみ」を組み合わせてみました。
ご丁寧にみちこさんが意見までいただいた。
御指摘いただくとは思ってもいませんでした。3遍のストーリを一つにまとめ、記念にアップしておくつもりなのが始まりです。
追放された聖女が謎の毛玉と晩酌してたら、愚痴を聞かせた相手が全員植物になって世界平和(物理)が訪れました。
第1章:捨てられた聖女と、生ビール幻覚獣(約2,500字)
**【シーン1:追放の森】**
「役立たずの聖女め。今日から貴様の席はない」
いきなり森の中に突き飛ばされるエリス。勇者カイルとその取り巻きたちの嘲笑。
「祈るしか能がない」「回復魔法も地味」「聖女というより置物」。散々な言われようだ。
エリスは弁解しない。ただ静かに、心の中で毒づく。(あーあ、まーた始まった。これで何回目? パーティ追放RTAなら世界記録ね)
彼らが去った後、エリスは泥だらけの服で座り込む。周囲はSランク魔物が跋扈する「死の森」。
絶望……するかと思いきや、エリスの限界はそこではなかった。
「あーーーー! 酒飲みてぇ!!!」
**【シーン2:遭遇】**
エリスの叫びに呼応するように、茂みがガサガサと揺れる。
現れたのは、巨大な茶色の毛玉。目も口もない。ただ、毛むくじゃら。
魔物だ。死ぬんだ。そう思った瞬間、毛玉がプルプルと震え、エリスの頭に直接干渉する。
*《キンキンに冷えた黄金色の液体》《水滴の滴るジョッキ》《絶妙な塩加減の枝豆》*
圧倒的な「晩酌」のイメージが脳内に叩き込まれる。
「……え? 何これ、幻覚?」
毛玉はエリスの「死にたい」「ムカつく」という負の感情を掃除機のように吸い込み始めた。
「あ、あんた……私の愚痴、食べてるの?」
吸われた瞬間、エリスの脳内麻薬がドバドバ出る。
「ふあぁ……きもち、いい……。もう、どうでもいいや……」
エリスはその毛玉を「ケダマ」と名付け、その日、森の中で最高の野宿(晩酌)をキメる。
第2章:辺境の「居酒屋聖女」と帰農する魔物たち(約2,500字)
**【シーン1:スローライフ開始】**
数日が経過。エリスは死んでいなかった。むしろ肌ツヤが良くなっている。
ケダマはエリスの「負の感情」を主食とし、その排泄物として「聖なる肥料」を出すことが判明。
その肥料で育った森の果実は異常に美味。エリスは森の廃屋を勝手にリフォームし、居酒屋のような拠点を構える。
「今日も疲れたわー。勇者のカイル、あいつマジで足臭かったのよ」
エリスが愚痴る → ケダマが吸う → 脳内に「風呂上がりの一杯」の映像が流れる → エリス昇天。
このサイクルが確立される。
**【シーン2:魔物たちの異変】**
森の凶悪な魔物がエリスの小屋に近づく。
本来なら即死案件だが、ケダマのそばにいるエリスからは「絶対的平和オーラ(通称:賢者タイム波動)」が出ている。
魔物たちはエリスを見た瞬間、戦意を喪失。
「グルル……(なんか、もう狩りとかダルいっすわ)」
「ガウ……(ここで日向ぼっこして一生を終えたい)」
魔物たちが次々とエリスの小屋の周りで寝転び、動かなくなる。
エリスはそれを「懐かれた」と勘違い。
「あら、あなた達もお疲れなのね。一杯やる?」
魔物はエリスから出る空気を吸い、幸せそうに動かなくなる(徐々に足元から根が生え始めているが、エリスは気づかない)。
第3章:勇者パーティの来訪と「緑化」の始まり(約2,500字)
**【シーン1:勇者たちの没落】**
一方、エリスを追放した勇者パーティはボロボロだった。
「聖女の祈り」によるバフが消え、さらに運気が下がったのか連戦連敗。
「あの女が呪いをかけたに違いない! 連れ戻して、慰謝料を請求してやる!」
逆恨み全開で、勇者カイルと聖騎士、魔導師たちが「死の森」へ侵攻してくる。
**【シーン2:ざまぁ展開(物理)】**
エリスの小屋を発見した勇者たち。
「おいエリス! 土下座して戻りたいと言えば許して……ん?」
小屋の周りには、見たこともないほど美しい緑が広がっていた。そして、幸せそうに微動だにしない元・魔物たち。
エリスが出てくる。片手には木彫りのジョッキ、隣にはケダマ。
「あ、カイル。久しぶり。ちょうど今、あんたへの殺意が高まってたところよ」
エリスの殺意(特大の負の感情)を感知したケダマが、激しく振動する。
*ブゥゥゥゥン……*(超音波のような音)
ケダマが増幅して放射した「即身成仏ビーム」が勇者たちを直撃。
「ぐっ……なんだこの光は……! 憎しみが……消えていく……?」
「ああ……戦いなんて虚しい……僕は、大地の養分になりたい……」
勇者の剣が手から落ちる。聖騎士が鎧を脱ぎ捨てる。
彼らは涙を流しながら、恍惚の表情で地面に座り込む。
「エリス……ありがとう……本当の幸せは、ここにあったんだね……」
カイルの足から急速に根が張り、腕が枝になり、頭から美しい花が咲く。
エリス:「えっ、ちょっとカイル? 反省したからって、そんな直立不動で……あら、綺麗な花」
(エリスには彼らがただ静かに反省しているようにしか見えていない)
第4章:魔王来襲と世界平和の完成(約2,500字)
**【シーン1:魔王の焦り】**
部下が帰ってこない。勇者も帰ってこない。
魔王城にて、魔王ゼノンは困惑していた。「辺境の森に、全てを飲み込む『平和の穴』がある」という噂。
「人間ごときに舐められてたまるか。私が直接消し去ってくれる!」
魔王は全軍を率いてエリスの元へ向かう。
**【シーン2:魔王との晩酌】**
空を覆い尽くす魔王軍。絶体絶命のピンチ。
しかしエリスは動じない。なぜなら、昨夜の深酒で二日酔いだからだ。
「うるさいなぁ……朝から何よ」
魔王が降り立つ。「女、貴様が元凶か。死ね!」
膨大な殺気。世界を滅ぼせるほどの「負の感情」。
ケダマが、かつてないほど激しく脈動する。それはもう、ダンスフロアのように。
エリスはため息をつく。
「あんたも大変ねぇ、そんなにピリピリして。中間管理職? 社長? まぁ座りなさいよ。いいハーブティーがあるの」
魔王:「は? 貴様、余を誰だと……」
エリス:「いいから。愚痴くらい聞くわよ。私なんて無職よ?」
この一言で、魔王の中にあった「孤独」や「重圧」が刺激される。
ケダマが魔王の負の感情を**限界突破吸引**。
**【シーン3:ファイナル・リラクゼーション】**
ケダマが白く発光する。
エリスの脳内に【温泉上がりの牛乳】と【コタツでアイス】の最強コンボ映像が炸裂。
それと同時に、世界規模の波動が放たれた。
「あ……あぁ……」
魔王の禍々しい鎧が弾け飛ぶ。
「余は……ただ……褒められたかっただけなのかもしれない……」
「そうよ、頑張ったわね。もう休んでいいのよ」
エリスが魔王の頭を撫でる(ケダマの触手が魔王に巻き付く)。
魔王の体が木質化していく。背中から大樹のような枝が伸び、魔王軍全員がその場で「森」へと変わっていく。
**【結末:叙述トリックの開示】**
数日後。世界から争いは消えた。
エリスの小屋の周りは、世界一美しい庭園になっていた。
勇者の花壇、魔導師の生垣、そして中央にそびえ立つ魔王の大樹。
エリスはテラスで、ケダマを膝に乗せてお茶を飲んでいる。
「本当に静かになったわねぇ。みんな、そんなにここが気に入ったのかしら」
エリスは微笑む。
「平和が一番よね。私の祈り、やっと神様に届いたのかな?」
ここで、視点が「俯瞰」に変わる。
**【地の文での種明かし】**
エリスが「即身成仏」だと思っていたものは、生物を有機植物へ強制変換する古代のバイオ兵器の機能だった。
ケダマは負の感情をエネルギー源とし、対象を「光合成だけで生きられる究極のエコ存在」へと作り変えていたのだ。
勇者も、魔王も、意識はあるが動けない。ただ風に揺られ、光合成をするだけの存在。
思考すら植物並みにスローになり、永遠に「あたたかい……」と感じ続けるだけのユートピア。
**【最後の一言】**
エリスは魔王の大樹に近づき、その根元に飲み残しの茶を捨てる。
「あ、魔王さん。もう根っこが生えて動けないの? じゃあ、いい肥料になりそうね」
魔王(だった木)が、嬉しそうにザワザワと葉を揺らした。
(完)
ストーリーはどうでしたか?私の創作はまだまだ続くよ。
少しでも楽しんでいただけて、良い暇つぶしになっていたら嬉しいです!
実は、もっとみんなと作品についてお喋りしたくて、ミクチャで平日17時から19時くらいで配信をしてます。ただし、創作優先&リアル優先で、おやすみあり イベント目的じゃないからアイテムいらないよ
感想を聞かせてもらったり、創作の裏話をしたり……そんな双方向のやりとりができるのを楽しみにしています。
**ミクチャID:18283637**
ぜひ検索して覗きにきてくださいね。
それでは、また次のストーリーでお会いしましょう!




