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第十話 銀風の輪廻

真っ暗で冷たい、さびしい、世界の廻間。



今の私の傍に、銀狼はいない。


銀狼はあの頃のルキとしか魂の契約をしていない。


時間など無い、この廻間で…“私の銀狼”はもういない。


運命の変え方を求め、強くなりすぎた私が彼を壊してしまったから・・・・・


今の私こそが、この廻間の神のような、悪魔のような存在になってしまった。



「こんな私が泣いたとて、誰も傍にはいてくれない。」






◆◆◆


漆黒の暗闇。あの懐かしい世界の廻間のどれくらい上の世界だっただろうか。

宙に浮く、スカイブルーの髪を靡かせる1人の美しい女性がいる。だが良く見れば無表情で瞳には色が無く虚ろで、目尻は赤く、血が滲み出て頬を涙のように伝い落ちている。



「運命を変える、神々をも越える絶対的な能力(ちから)は何処に…?」



彼女は“化物”に成ろうとも、今もずっと永遠に運命の変え方を探し…何を選び取れば正解だったのかと自分に問い続け、もう自分が何をするために此所にいるのか解らない。

誰もいない、世界の廻間で…赤いあかいアカイ血の涙を流し続けている。

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