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自責心による行動の原動力の凄さ

 最近若者言葉として日和るという言葉がなにより俺の今の心境を表しているだろう。そもそも強制されているわけでもないのに辱めを甘んじて受け入れるマゾヒストでもなし、それに深夜テンションという言葉もあるくらいだし人の思い付きとは実に突飛であるという三つの事実を確認したところでさてさて現在の俺をこんなにも思案させている懸案事項はというと彼女でもない女子の家に行くのはどうだという話だ。俺としてはミル子の状態をうかがうことよりサナに追及された自分のミル子に対する責任の確認がしたいというわけでその媒体が女子の家へ訪問というのはなんという運命だろうか。嘆きたくもなる投げ出したくもなる恥ずかしくもあるが一度気になったことを解明しないと夜も眠れない性分の俺はやはり確かめるべく無きにしも非ずの勇気を振り絞って初めての女子のお見舞いに行くことにした。あの骨キャラクターが人気の某ゲームの主人公のようにケツイを固めた俺はいつもの朝の準備をして家を出て学校へと向かう。何事もイメトレが大事だろうということで早速ミル子の家へ向かうことにした。あそこの曲がり角を曲がればミル子の家なのだがなにぶんもう俺が歩いている道の左の壁はミル子の家の壁だ、なので玄関の扉が開く音も聞こえる、「ガチャリ。」ね?ほら聞こえた、あれ?なんで聞こえるのだろう、ははーんお母さんかな、と思案しているともうすぐで曲がり角に突き刺さる所であり陰鬱な鼠色の壁を照らすような美しい金色が目の前に、思わずぶつかろうというところで回避、された人物はなんとミル子であった。自分から来てくれるとはおあつらえ向きだなという気持ちとあれ、髪ショートにしたのか、前のロングの方が好みだったのにという気持ちで半々であった俺の胸中。一方ミル子の表情は逆光のせいか少し赤みがかかっていてぽかんとした表情で俺を見ていた、何も言葉をかけることなく。俺の強烈的な反射神経で繰り出されたローリング回避に驚いているのかはたまたこいつ、例のバレーボール漫画のリベロの真似かと思われたか普通に回避するだけで無様に転がる俺を呆れてものも言えないのかの三択であったがおそらく一つ目の方だろうと推測した俺はとりあえず三択目であった場合の保険としてすました顔でお尻の砂を手で払い立ち上がった。それでもまだ口をぽかんと開けて俺を見ているミル子を見るになにがそんなにおかしいのか驚くべき事実があるのかついに俺の後ろに敵をオラオラやっつけてくれる背後霊が現れているのかそんなことを考えつつとりあえずミル子を観察してみた。するといきなり目をそらされたものだから俺そんなにキモいかねとショックを受けながらもう一つの考え事をミル子を見ながらしていた、俺の責任の部分はミル子の欠席の部分に関係あるのかどうかについてだ。しかしミル子は目の下が赤くはれていてまたクマもできていたため昨日は学校をサボって大方、某おもちゃストーリー3でも見ていたに違いないと西の高校生探偵も驚きの推理をすると俺はまず相手のことも気遣い単刀直入もなんだし当たり障りない会話から始めてみる。いきなり欠席理由を聞くのはさすがにデリカシーのなさで忍ばれるので努めて笑顔で「髪切ったんだな、いいと思うぞ。ユウタの好みの髪型もショートって言ってたしな。俺的には前のショートがベリーグッドなんて韻踏んでるわけじゃなくて冗談抜きで似合ってると思ったがショートも似合うなー、なんて思ったりして。」ここまでまくしたてるのに三十秒、俺のメンタルがロストするまでそう時間はかからなかった。反応なんぞまるで見る気がしないがあくまで会話の途中なので失礼に当たると思いちらりと誰得な上目遣いでミル子の様子を見るとなるほど話は聞いてくれていたようだ目は開いている、そしてまだ動かず俺の正面にいてくれている。ただ顔は思案顔である。この話により得られるものはなんだろうとか考えられていたらそれこそ俺が明日から不登校になるだろう。間が随分と開いた。通行人はおらず代わりに通行蝶々がひらりと俺らの前を横切る、ミル子と同じ髪の色だから見えなくなるの面白いな、なんて脳内小学生みたいな感想を頭で浮かべていると「ロングの方が好きなの?」とモナ・リザで勃起する男性なら激怒するであろうことを平然とやってのけるミル子は質問待ちである。しょうがなく猫のような背後霊をもっていない一般人である俺は平静とイエスの表示である首を前におろした。実のところさっきの早口のまくしたてで喉が枯れてしまったのだ、それに質問を質問で返されるとは思ってもいなかったので特異な人物ミル子に対する対抗処置として俺は首を前に傾ける間喉を潤した。ミル子はそんな繊細な思いで繰り出した肯定の意思をつゆしらずただ単に了承の意であろう顎に親指と人差し指でうずめて「ふーん」といった。また矢継ぎ早にミル子は「なんで私の家の方向にきたのよ。学校とは真逆の方向じゃない。あんたの家からの方がコンビニ近いしいったい何しに来たのよ。」とまた質問してきた、何なのだ一体。とりあえず本心をぶちまけることにした。そっちから核心をついてきたのなら一気に行ってしまおうってわけだ。それでも日和るという言葉が朝から体にしみこんでいる俺は「ユ、ユウタと待ち合わせしてたんだよ。」と嘘をついてしまった。「噓でしょ。」と俺的にとても属性のあるジト目でミル子に見透かされる。「何年あんたと一緒だと思ってんの?そりゃあんまかかわりなかったとは思うけどさ、私も積極性なかったし。でもねあんたのことずっと見てたんだから!」と最後の方はまくしたてるように言う。既に日は雲に隠れているのにミル子の顔は赤い。なんだか二人きりだし告白されてる気分だなとちょっと顔から湯気が出るような浮かれ気分でいると、眼前に持ち直したミル子が近づいてきたのか気になりすぎて前のめりになったのか問い詰めるような表情で見てくる。ほんの赤みかかった頬で目はくっきりしていて鼻筋が通っていて近くで見れば見るほどミル子ってこんなに可愛かったんだなと思わず顔を赤らめて見とれていると、「事実を言いなさい?」と今度は逆に笑顔で言ってくるミル子の詰問で我に返る。こっぱずかしいのはこの状況か、それとも俺の言い分かどっちだろうか。いやどっこいどっこいであると堂々と宣言できる。なので嘘を言う。論理が破綻している?うるせえこっちはパ二くっているんだそれくらいさせろと誰にかましたのかわからない反論を脳内に浮かべ決心して「いや、事実です」となぜか敬語で言い返す。フフフ、それなりに真顔で言ってやったしまぁ多少は頬に赤らみがかかっていたがこれで少しは戸惑うだろうと一人心の中でほくそえんでいるとその数秒後にパンと乾いた音がした。銃の発砲音?決してそんなことはなく普通にミル子に頬をぶたれた。おいおい、木馬の某艦長のビンタより痛いと思うぞってくらい腫れた俺のほっぺた。今度はミル子に別の意味で頬を赤くされちゃったななんて茶目っ気のある冗談なんて普段冗談好きの俺でさえ浮かべれなかった。伝わりづらいかもしれんかったがそれぐらい痛い。ぶっちゃけ眼前にミル子がいなかったら情けなく涙を浮かべていただろう、まあさすがに意地で浮かべはしなかったが。ミル子はいつしか俺の胸倉をつかんでおり俺より身長が低いためまるでキスしているかのような体勢になっていてその状態からもっと顔を近づかせてきた。鼻と鼻が触れ合いそうな距離であり俺は二重の意味で体がこわばった、前のサナの件といい本当に俺は情けない意気地なしだ。しかしミル子がこんな気が強かったのには驚きだ、正直タイプではある。なんて現実逃避さながらの想像をしていると「今度嘘ついたらもっと痛いのをくれてやるわよ」とまたしても見抜かれていてしかも恐喝付きの言葉をミル子に浴びせられる。ふんわりいい匂いだ、もうほんとのこと言っちゃおうかしらなんてもう意志の弱い俺は傾きかけていると不意にミル子の柔らかそうな淡いピンクの唇が目に留まる。もうミル子のいい香りでさながら夢遊状態になっている俺は思わず気持ち良さそうなんて思ったりしてはたまた寝起きとミル子のフローラルな香りで思考停止になってたりして俺はいつしかミル子と唇を重ねていた。戸惑うことしらず目を見開いて体をこわばらせているミル子にディープキスをかます。こうしていれば詰問する口もないななんてキスの気持ちよさに浸って自分のやってることの重大さに気づかぬままに俺はそんないつもの冗談を脳内に浮かべる、もっともこの時の俺に脳みそがあるかどうかの話だが。幸い通行人はおらずなまめかしい音が公道で響くこと三十秒。ミル子は体をこわばらせているが持ち前の高威力ビンタも駆使せずに抵抗もしなかった。キスするときは目をつぶるものだろうと漫画で得た知識を存分に使っていた俺はこのミル子の抵抗のなさというかむしろ舌を絡めてくるのに違和感を感じ目を開けチラリとミル子を見てみるとなんとミル子も自分と同じく漫画の知識を存分に使っているところだった。しかもミル子は顔を赤らめて気持ちよさげでありまた俺の腰にいつしかミル子の腕が、ミル子の腰に俺の腕が巻き付いて抱き合ってキスしている状態なのに気づいた。じっとキスをしながらミル子の顔を見るにやめる様子がない。そろそろ頭が冷えてきた俺は少し冷や汗をかく。彼女でもないのにいきなりキスするとかそれもはや犯罪だよな、お見舞いのリハーサルに比べなんてことをしでかしたのだ俺は、それに先にキスしたのは俺の方だし先にやめるのもなんだか失礼だしやめどきがわからないなどと自己嫌悪またしてや困惑の感情渦巻く胸の中の俺だったが密着しているミル子の意外とグラマーな胸の感触で吹き飛んだ。とにかく人間は快感に弱いのだ。なのでしょうがない、なんてヘタレなことを思いつつ今度はミル子のお尻でも揉もうとするとその丁度のタイミングでミル子は俺とのキスを解く。いましたらバレるななんてキスの状態でもバレるのに脳内お花畑な俺は幸せの前の不幸であるあのビンタの威力を思い出し尻を触ろうとするのをやめる。そもそも前提からして付き合ってすらないのにおかしいのだがそんなことはまったく気にしていなかったキスの魔力におぼれていた俺であった。未だに抱き合った状態ではあるから胸の感触はあった。とても気持ちいい。次はどうしようか、付き合っちゃおうなんて言おうか。なんて思っていると「せ、責任取ってよね!」とミル子から顔を赤らめながら俺から目をそらしながら先手を切られる。こんな金髪美少女と付き合えるなんてこれ以上のことはない。そして今更責任感の謎について少しわかった気がする。その答えはミル子の俺に対する気持ちが多くが関係しているだろうと予測する、おそらくその気持ちの部分は俺の今のミル子に対する気持ちと同じであろう。答えは「好き」である。そうして俺はミル子に告白した。その直後のミル子の熱いキスを見るにそれが答えなのであろう。

最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。恋愛合戦とはなんだろう、もともと思い付いたらそれても書きたい方向に書くのですみません。キスシーン綿密にかきたすぎてすみません。

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