ガッキーと星野源結婚おめでとう!
現代社会は今現在VUCAとかSDGsとかやらの大変な変化の渦が巻き起こっているわけで決してそれはジェンダーも例外ではないわけである。つまるところ親友に心労をかけたくないという意味でミル子は追わずユウタの弁解を最優先したのであって距離を置かれるのは如何としてもこの現代社会差別などいじめだのはありえぬというわけだ。こういう考えに落ち着いた俺は雨でびしょぬれになった制服姿というバイオレンスな状態からの脱却に勤しむことを始め、風呂に入ってさっぱりした時にはもう既にゲイ疑惑事件の事はあまり考えなくなっていた。このことから俺はミル子のことなどなんとも思っていないのだろう。しかし多少は相合傘するチャンスを逃すとは惜しい気持ちもあった。翌日、いつものように待ち合わせに行くとサナ一人ポツンと待っていた。おかしい、サナ一人しかいないなんて日はこの10年間一度たりともなかった。さては昨日のことだな、と勘づいた俺は心の中で「ジェンダー社会万歳!」と唱えながらなるべく平静を装いサナに話しかける。「おはよう、俺が二番手とは初めてじゃないか?」サナはニコリと笑い「おはよう、ユウタ君には席を外してもらったの。」と予想していた通りの答えを口に出す、そう10年間の付き合いでサナについてまたまたジェンダーな問題に関して察することがある。おそらくサナは恋愛感情としてミル子が好きだ。だから俺は最初の質問の時の手汗を倍にしてまたサナに話しかける。「ふ、ふーん。なんで?」少し声が震えてしまった。「とぼけても無駄よ。」とサナにピシャリと言い切られる。そしてその権幕に少したじろぐ俺、情けない。サナは続けて「ツキジがやったことじゃない。ミル子が休んだ理由もそれよ、ミル子をどうしようっていうの!あんまりよ!」と急に怒鳴られる、しかも呼び捨て。というかミル子が欠席したのが俺のせい?意味が分からん。困惑する俺にサナは近づいてくる、まるでブルーベリー色の鬼に迫られているかのような怖さだ、しかし俺の周りにはロッカーが不運なことになく逃げ場はなかった。目と鼻の距離、なんていい匂いだろうなんて浮かれ気分はサナの今まで見たことないような鬼の形相で消え去る。その顔が近づいてくる。キスでもしてくれるのかな?なんておちゃらけた発想はなかった、喉をごくりと鳴らしたきりである。サナは耳元でこう囁いた。「ツキジ、ゲイなんだってね?」「違う」少し食い気味に言ってやる。「ふーん、ユウタはそうだって言ってたけどなぁ。」俺の頭の頭の上にクエスチョンマークが浮かぶ。昨日すぐさまそのことに関しては弁解したはずだ。おかしい、何かがおかしい。俺があんまりにも阿呆みたいな顔をしていたのだろうか、サナはウフフと笑いながら言う。「私もね、最初ツキジ君がゲイだなんて違うと思っていたの。でもね見逃せなかった理由があってね、ミル子の予知夢。これ結構当たるの。それにね、人はうそをつく生き物だと私は思っているの。そういうことで同じことを十回繰り返して聞いてみたらとうとうゲロったんだよ、ユウタ君。あんまりにも言わないので粘ったものだから早く言えって意味でねビンタもプレゼントしちゃったわ。あとねあとね、その前からなぜか泣いていたものだから鼻水がついちゃったのよ汚~い!あ、話がそれちゃったわね。つまりねツキジ君、あなた嘘ついていない?」随分と長い詰問だ、いや少し違うな。これは脅迫だ。ミル子の予知夢だか何だか知らないがとにかくサナが信じる事はミル子のいった言葉のみなのだ。つまりミル子と違うこと言えば何度でも問いただすし認めればビンタもくれてやると。どっちを選んでも地獄じゃないか。逃げるは恥だが役に立つ、サナはミル子の信者ならば俺はガッキーの信者だ。結婚したって構わない、本人が幸せならそれでオッケーってな具合の模範信者なのだ。ガッキー信者俺逃げます、っと決心した所は流石に見逃されなかった。足を引っかけられる。普段の俺ならあっさり転んでしまう場面。だが何を隠そう俺はリコ○ス・リコイルを履修済みだ。ヤンレズの怖さを嫌というほど知っている。俺の髪は緑色だ!そう自己催眠をかけると足に踏ん張りがきき両足で着地、そのまま勢いよくダッシュ。あっちは油断していたのか「あっ。」っといったきり追ってこない。こうして俺は朝の爽やかな雰囲気ぶち壊しの修羅場を回避し、登校を無事達成する。流石に人目に付くのが嫌なのかサナは学校では声をかけてこなかった。それに安堵し朝の疲れを癒すべく休み時間の眠りのオアシスにつこうとすると肩をたたかれる。顔をあげるとオアシスとはまるで正反対の絵面というより顔面が広がっていた。アン○ンマンもびっくりな頬をさすりながら俺に慰めを求めてくるコイツはおそらくユウタであろう。なんという鬼。まさか本当にビンタをするなんてしかも見れば往復ビンタくさいぞ、哀れなユウタだ。取り合えず謝っておこう。サナ、いやあの鬼畜がいうことには俺に原因があるらしいからな。以降ユウタはサナにビビりまくり俺についてくるようになった。正直俺も怖いのだが、二人でいればそうそう近づいては来ないだろうし鬼さん側も女子のグループとかの関係もあるだろうということだろう。ちなみに幼馴染四人組はクラスが一緒でありユウタと同じ乗馬部の連中は全員ほかのクラスだ。こんな不憫なクラスで余計不憫な因縁ができてしまうとはまったくかわいそうなものだ。それに未だにミル子信者のあいつはミル子のいうことを信じているのかユウタへの謝罪はない。なので朝の集団登校は自然消滅した。これをきりにやめれるのだとしたらせいぜいした気持ちだ、でも少し寂しい気持ちもあった。またミル子は二週間学校を来ていない、休んだ理由は担任が言うには身体的理由でもないそうだ。俺が何をしたのかは知らんがとにかく事情を聴いてみるべきとは思った。ユウタは自分の事というかサナへの恐怖心でいっぱいいっぱいだし、サナだって一番心の距離が近い人物のはずなのにミル子を家から引きずり出せてない。こうなりゃ明日でもミル子の家に尋ねてみよう、そう決心すると俺は眠りについた。
読んでいただき誠にありがとうございます。なんかどんどん話がそれちゃって収集がつきません、これは困った。しかし一応整合性は取れるようにしたのでハチャメチャかもしれませんがどうかお許しください。