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恋心  作者: 羅依
1/1

中学校の入学式。

初めての制服。

新しい友達。

中学校生活。

そんなことは思っていなかった。

別に仲の良い友達と一緒だったら良いのに、と思ったぐらいだった。

そして私は、クラス表を見た。

私の名前は...あった!

1年1組 桜井真希と書いてあった。

えっと...あいつの名前は...あった。

1年2組違うクラスだ...。

喋る回数減るなぁ。

あいつと言うのは青木翔。

私が小学校の頃から気になっている人。

あと青葉は...あった。

青葉も2組かぁ。

青葉は、とても気が合う私の親友だ。

1組誰か居るかなぁ?

………

クラス表を見て小学校が同じだった人を探した。

えっと女子は...私を含めて3人で、男子も3人かぁ。

その男子の中に翔と仲が良い伊藤大喜が居た。

うわっ大喜いるの!?

私は大喜のコトが少し苦手と言うかすぐ言い合いになるから嫌だった。

クラス表を見終わって腕時計を見る。

時間には余裕があった。

私はゆっくりと靴を上履きに履き替え階段を上って教室に向かった。

学校は5階建てで、1年の教室は一番上の5階だった。

5階まで上がると、さすがに息が荒くなった。

そして私は1年1組の教室のドアを開いた。

ガラッ

教室に入ると直ぐに小学校が同じだった由依が誰かの手を引っ張って私のところに来た。

「真希!この子は私の幼稚園の時の友達の紗季!」

いきなり紹介された紗季は普通に「よろしくね」と言ってきた。

私は「これからよろしく」と応えた。

そして、自分の席についた。

私的には、早く席に着きたくて急かしてしまったかもと少し悪い気持ちになった。

えっと、隣の席の人は...

やっぱり知らない男子だった。

でも、さっき由依が紹介してきた紗季と楽しそうに話していた。

同じ小学校なのかも知れないなぁ。

はぁ、周りがこんなに楽しそうなら本持ってくるべきだったなぁ...

私は想像したかもしれないけど、少し影が薄い。

小学校の頃は、委員会で委員長やったり、書記やったり、代表委員やったり、先生と仲良かったり、成績も良く皆とも仲が良かった。

でも、気付かれないようにしたら気付かれないし、喋って無かったら気付かれなかった。

だから少し影が薄いと言えるのだ。

しかも人見知りもする。

でも、話していくうちに男子とは蹴り合いや言い合いなどをよくする。

女子も同じで話せば仲良くなる。

でも、親友の青葉にはちゃんと心を開いてるけど、他には今だに心を開くことが出来なかったりする。

だから、私は本が好きだった。

青葉と貸し合ったりもするし、なによりも1人の世界に入れるから。

私は青葉がクラスに居ないし、同じ小学校の人とも話す気がなかったから、筆箱を出して机に絵を描き始めた。

私は絵が好きだ。

見るのも描くのも楽しいから。

何回か描いて消してを続けてると、教室に先生が入ってきた。

「これから入学式が始まるから廊下に名前順で並んでください」

女の先生だった。

私は先生に言われた通りに教室を出て廊下に並んだ、私の前と後ろはやっぱり知らない人だった。

少し後ろを見てみると、2組の人達が並んでいた。

そこに居た青葉と目が合い軽く手を降りあった。

確か名前順何だよね。

だったら...

やっぱり居た。

翔が列の一番前に並んでいた。

私は、翔がこっちを見た気がして、前を向いた。

歩き出した列を追っかけるようにして歩いた。

小学校の入学式と同じように校長先生が話して、先輩が話して、校歌を歌って入学式は30分以上かかった。

相当、校長先生の話が長かった。

しかも、眠くなった。

そして、担任の先生について行き教室に戻った。

教室に戻ると先生が自己紹介を始めた。

私は窓側の席だったから外を見ていて、聞いているのか聞いていないのか自分でも分からなかった。

生徒達も自己紹介をしていって私の番になった。

席をたった。

「桜井真希です。趣味は読書と絵を描くことです。皆と仲良くなれるように頑張ります」

自己紹介をして座った。

別にどこも可笑しくない普通の自己紹介だった。

皆の自己紹介が終わると先生は手紙を配った。

これで今日の授業は終わりのはずだ。

「えーと、これで今日は終わりますが、配った手紙に入っている部活の入部届け無くさないようにしてくださいね。じゃぁ今日は起立、例、さようなら」

「「さようならぁー」」

はぁ、帰ったら何しようかなぁ。

私は席を立って、教室を出た。

2組の教室の前を通ると青葉が後ろから追ってきた。

「友達できた?」

「ビミョーかな。青葉こそできた?」

「頑張ろうと思います!」

「頑張るんだぁー」

「うん!真希も頑張れ」

「頑張らなきゃダメ?」

「友達居た方が良いぞ」

「青葉が居れば良いもん!」

私は少し頬を膨らました。

「それもそうだけど、クラスの中に友達1人でもいないと寂しいよ」

「別に小学校の時の友達居るじゃん」

「ダーメ!気が合う友達作りなよ」

「はぁーい。努力します」

やる気の無いような声で言った。

「じゃあ、ここでバイバイだねっ」

「うん、バイバイ」

私は青葉と別れると、まっすぐ家に帰った。


家に帰ると誰も居なかった。

何しよう?

私は自分の部屋に入った。

携帯を開いた。

メールは着ていない。

それもそうだ。

私は携帯をあまり使わない。

メアドも小学校の女子だけだし、メールは青葉くらいしかしない。

別にやることが無い。

本屋でも行こうかな?

明日から読む小説探さなきゃいけないし。

私は制服を着替え、家を出た。

そして自転車に乗って、本屋に行った。

本屋に入ると、私は好きな作者の本を手に取って、レジに行って本を買った。

時間を見る。

PM2:30

まだすごく時間がある。

次はどこ行こう?

信号を待ちながら考えた。

帰って本を読む?

でも読み終わったら学校で読む本無くなっちゃうしなぁ。

やっぱり図書館とか?

うーん...

図書館でいっか!

図書館なら何時間でもいられるし。

信号が赤から青に変わった。

自転車に乗って、図書館に行った。

図書館に入ると、平日だからかあまり人が居なかった。

私は本を選んであまり人がいない席に座った。

ー30分経過。

1冊読み終えてしまった。

もう1冊、本を探しに行った。

トントン。

えっ!?

背中を誰かに叩かれた。

振り向いた。

「し、翔!?」

後ろに居たのは翔で私はビックリした。

「な、なんで居るの!?」

「暇だったから」

「よくウチだって、後ろ姿で分かったね」

「自転車有ったし、もしかしたらって」

「自転車でよく分かるね」

「まぁ。それより何でお前が居んの?」

「ウチも暇だったから」

「へぇ」

「でも、ここの図書館、翔の家から遠くない?」

「時間潰し」

「そっか」

「お前だって俺ん家より遠いいじゃん」

「こっちの本屋に用があったの!」

私は本を選ぶと、さっき座ってた席に行った。

翔も少しすると本を持って私の隣の席に座った。

「なんで隣の席?」

私は本を読みながら、聞いた。

「他あいてない」

「前の席は?」

「良いじゃん」

なんか不思議だった。

隣の席で一緒に本を読みながら話すことが。

2人で話すことはあったけど、なんか不思議な感じがした。

「学校どうだった?」

翔が聞いてきた。

珍しい。

翔は自分からは話しかけることが、あんまり無い。

「つまらないなぁ。2組になりたかった」

「俺、2組だし」

「翔じゃなくて、青葉がいるからっ」

実際は両方居るからだった。

「あいつと仲良いもんな」

「うん」

「新しい友達できた?」

「ビミョー」

「微妙って」

「翔こそどうだった?」

「うーん、微妙?」

「翔だって微妙じゃん!」

「だって、別に小学校の友達居れば良くない?」

うそ!?

翔、さっき私が青葉に言ったことと同じこと言ってるし。

「そうだね」

「なぁ、今何時?」

私は腕時計を見た。

図書館に時計あるのに、なんで聞くのかと思った。

「えっとね、4時だよ」

「あと2時間も暇かよ」

「そうだね」

翔は少し黙った。

翔の考えてることは分からなかった。

「なぁ、どっか行く?」

「へっ!?」

いきなりだったから変な声を出してしまった。

「ゴメン、無理だよな」

「あっ、いや、良いけど」

「どこ行く?」

「あんまり人と会わない所」

「俺と考えてること一緒だな。俺も暇だけど、友達と会うところは嫌だからな」

「えっ、でも、そんな場所ある?」

「んじゃ、南原公園?」

「ダメでしょ。あの公園、小学校の時溜まり場だったし」

「やっぱり?えっとじゃあ、お前何かある?」

「ウチ!?そこはどっか行こうって言った人が決めるでしょ」

「じゃあ...」

翔は、また黙った。

「俺ん家?」

「えっ!?」

翔の家?

なんでいきなり?

本当になんで?

「人は居ないけど...」

「けど?」

「男子ん家じゃん」

「やっぱりダメかぁ」

「男子ん家は...2人だしね...」

「じゃあ、あの場所行こう!ちょっと遠いけど」

「そういえばあの場所、あんまり人居なかったよね」

あの場所とは6年生の時に私と青葉と翔と大喜と惇で遊んでた時、偶然見つけた夕日が綺麗に見える場所だ。

翔と私は、図書館を出ると自転車に乗ってあの場所に向かった。

「ねぇ、何でいきなりあの場所思い出したの?」

私は自転車に乗りながら話しかけた。

「夕日、綺麗だったから覚えてた」

「へぇ」

私と翔は自転車であの場所に全速力で向かった。

結構、坂道があるからスゴく疲れる。

「ついたぁ」

着くと私は、この場所に1つしかない2人用のベンチに座った。

「めちゃめちゃ疲れたぁ。翔も座んないの?」

「座る」

翔が横に座った。

ヤバイ、心臓ドキドキしてきた。

「なぁ」

「何?」

なんだろう?

今日は結構、喋るなぁ。

「あのさ」

「ん?」

「あっ...やっぱいい」

「何なの?気になるじゃん」

「気にしないでください」

「なんで敬語?」

「いいから、気にしない」

気になるじゃん!

何だったんだよぉ。

「あっ!」

「何?」

「夕日!翔も見なよ!」

綺麗だなぁ。

カシャッ

後ろからシャッター音が聞こえた。

振り向くと、翔がカメラを持ってた。

「何、撮ったの?」

「夕日だけど」

「見せて!」

「嫌」

「何で」

私は翔のカメラを取ろうと頑張ったが、身長差で届かなかった。

「背高くてズルい!」

「成長してるから仕方ないし」

「ウチ小学校の時から、あんま伸びてない」

「俺、10?ぐらい伸びた」

「ズルいー!」

まぁ小学校より結構伸びたと思ったけど、ズルいなぁ。

「仕方ないって」

「ぶぅー。で、写真見して」

「いきなりだな。気にすんな、ただの夕日だから」

「ちぇー、ていうかカメラ持ってたんだね」

「あぁ春休み中に買った」

いいなぁ。

「今、良いなぁって思ったろ!」

「えっ!?」

あれ、顔にでてたかなっ?

私は両手で頬に触れた。

顔にでない方なんだけどなぁ。

「なんで分かったの?」

「顔に書いてあった」

「ウソだぁ」

「わかりやすい」

翔は笑いながら言った。

「バカにしてる?」

「してない、してない」

絶対、バカにしてるし。

バカじゃないもん!

「なぁ、今何時?」

「…」

私はバカにされたから無視した。

「なぁっ!」

「…」

「なぁ、こっち向けって!」

「…」

「向けって!」

翔が反対を向いてた私の肩をつかんで自分の方に顔を向かせた。

「!」

目の前に翔の顔があった。

ドキドキ...

心臓がヤバイ。

「悪かったって、そんなに怒るとは思わなかったから」

「うぅ」

「本当にごめん」

「...許す」

翔の顔が目の前にあるせいか物凄く緊張する。

許すって言ったから早く離れてっ...

心臓がヤバイって!

「でさぁ何時?」

翔が顔を少し離した。

良かったぁ...

でも、まだドキドキ中。

「えっとね...」

少し戸惑いながら時計を見た。

「5時半」

「もう、そんな時間?」

「うん」

「そっか...じゃあ帰るか」

翔は立ち上がった。

私も立ち上がって、自転車に乗った。

そして、来た道を戻った。

...翔家、前

「じゃあ、また明日」

私は手を振った。

「じゃあな」

私は家に向かった。

家に帰ると親が帰っていた。

私はご飯を食べて、お風呂に入った後すぐに寝た。

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