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童話・児童書などまとめ

死神の仕事だって必要な仕事だから

作者: リィズ・ブランディシュカ



 死神は地上に降りてくるな。


 反対、反対。


 けがれの象徴だから、反対、反対。


 不吉を連想させるから、反対、反対。






 人々は死神が嫌い。


 死んだ人を連れていくから。


 大切な人を連れてかれるから。


 そう思うから、好きにはなれない。


 嫌なことを考えてしまうし、かなしい気持ちにもなるから。


 できるだけ見たくないし、近くにいてほしくない。


 だから傷ついた死神は、地上に降りてこられない。


「俺様達がいると、みんなが怖い顔をして追い払おうとするからさ」


 おっかないと、言ってずっと降りてこられない。






 けれど、死神がいないと。


 死んだ人があの世にいけない。


 生きていないのに、ずっとこの世にさまよったままだから。


 この世は幽霊だらけ。


 あっちもこっちも幽霊だらけ。


 そのうち、死んでもすぐ会えるからと、言ってしまうようになる。


 そのうちに、死んでるけどすぐいなくなるわけじゃないからと、言ってしまうようになる。


 生の世界と死の世界があいまいになって、生きているのか死んでいるのか分からなくなる。


「あれ、まだ生きてたっけ」

「あれ、もう死んだんだっけ」




 人々はやっと、これじゃいけないと思って、死神の反対運動をやめるこることにし


 地上に降りてこられるようになった死神は、せっせとお仕事を開始。


 混乱していた世界は瞬く間にすっきり。


 生きてる人たちの世界は、今まで通りの世界になっていった。



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