別視点1
銀髪の5歳くらいの女の子と会話したのち電話をかける。
「いつもお世話になっております本田と申します。デイブ長官と繋いでもらってよろしいでしょうか。」
1分ほどで待たされたのち電話が繋がる。
「ふぅ、ミスターホンダ君との約束通りあの子はそっちでいいよ。こっちでも何人か同じ状況の事件で人数が確保できたしね。」
「ありがとうございます。アメリカの方ではどれくらいあの子たちのこと判明していますか?」
「そっちと殆ど同じだよ遺伝子の98%は我々人類と同じだが2%は違う。普通だとこっちで全部引き取りたいが世界各国で突然できた洞窟みたいなのがあっただろ?洞窟に探索に行った兵士のDNAを検査したら子供たちと同じ変化が見てとれた。必然的に子供たちの価値も下がったのだよ。」
「そうですか。洞窟に化物がいる事は自衛隊でも確認は取れていますが兵士にも変化が・・・。」
「帰還した兵士を精密検査したところ遺伝子に変化があったのも問題だがそれ以上に問題があってな・・・。身体能力が1割から2割高くなっている兵士が複数いたのだよ。」
「それは・・・。こちらでも確認させて頂きます。情報ありがとうございます。」
「いやいや子供たちの件の礼だよ。同盟国だしな。我々アメリカはこの事象による他国の脅威が増加すると見て補正予算もつけるようだ。君たちの方でも何か情報があれば連絡してくれたまえ。これから会議があるので失礼するよ。」
「ありがとうございました。」
本田は電話を切ったのち病院を出て自分の車に乗るとため息をついた。
「同盟国か・・・。」
意識を切り替え各所省庁に連絡していき夜空を見上げる。
「国家間の新たな火種にならなければいいが・・・。」
憂鬱な顔をした男が夜の闇に消えていく。