11
クレア先生と外出する事になりついた場所は。
「久々に遊ぶぞー。」
スポーツ系ゲームセンターだった。
あの、私を遊びに連れて行ってくれたんじゃ?
「何から遊ぶ?ボーリング?」
私は両手を突き出しクレア先生に見せる。
「手?ああ、穴に指が入らないと。卓球もダメだしUFOキャッチャーでもやるか。」
UFOキャッチャーが乱立するエリアに連れてきてもらう。
クレア先生がスマホを急に取り出し何かを見ているようだ。
「よし、これを取ろうか。」
クレア先生が持っていたスマホの画面が少し見えたがオークションサイトのものだった・・・。
売る気か先生。
クレア先生の後ろ姿を見ていると。
「設定おかしいんじゃ無いか?」
ボタンを強めに押し音が鳴る。
他人のふりをする為に離れたいが離れると捕まる。
どうしようかと周りを見回すと店員っぽいお姉さんが注意しようかどうか迷っていた。
金髪で筋骨隆々だけど美人の外国人相手だと私も話しかける時点で尻込みすると思う。
店員さんを助ける意味でもクレア先生のズボンを引っ張る。
「ん?小冬音もやりたいのか?」
そうじゃないと思っていたが両脇を抱えられボタンが触れる位置まできた。
クレア先生を見ると顎でプレイを諭してきたので一度やってみる。
よく見ると景品の重心や何処を引っ掛けたり押したりすれば取れるかが手に取るようにわかった。
ボタンを押しクレーンを動かし手を離す。
するとファンシーな音が鳴り景品が取り出し口に落ちてきた。
「小冬音、よくやった。これで・・・。」
最後の方は聞き取れなかったが売る算段であろう。
嬉しそうに景品を袋に詰めたクレア先生が帰ってきた。
「小冬音、次これ取れるか?」
クレア先生に持ち上げられながら景品を見る。
「取れると思う。」
クレア先生がお金を入れ私がプレイする。
気がつくと3分の1程の景品を1回で取っていた。
周囲で感心している人だかりができており恥ずかしかった。
その中には先程注意しようとしていた店員のお姉さんが別の意味で顔色が悪かった。
居た堪れなくなりクレア先生のズボンを引っ張りゲームエリアに移動する。
「どうした?ゲームがしたいのか?」
クレア先生はそう言いながら格闘ゲームの方に向かって行った。
保護者とは?と疑問に思ったがUFOキャッチャーの景品を大量に持った美人外国人、目立たないわけがなく次第に周りに人が集まってきていた。
私はクレア先生からもらった100円玉5枚で別のゲームを始めた。
前世でもこのゲームをやっていたが何処までやれるのか試してみたかった。
だが問題が一つあった。
ゲームセンター専用のコントローラーみたいなアーケードコントローラーなるものがあるのだが指が短くて届かない。
アーケードコントローラーでプレイしていたが最近だとゲームでよく見るコントローラーがついており問題は解決したがそれでも私の手だと持ちにくい。
100円玉を入れゲームスタート。
このゲームはチンパンと言われる有名なゲームである。
勿論ゲーム名がチンパンなのではなくプレイヤーがチンパンなのである。
チンパンジーなんて何故言われるかと言うとプレイヤーマナーが最悪だからである。
2対2のゲームなのだが負けると『あなたのおかげです』『助かりました』などお礼の言葉で煽ってくる。
ゲーム自体は上手くなれば楽しいが下手だと煽られ精神が疲弊していくゲームなのだ。
最近ではゲームセンターなのにオンライン対戦ができゲームセンターに行く必要性があるのか疑問だが顔を合わせて直接煽られないだけマシである。
子供相手に煽っていた大人気ない大人も前世では見たことがある程に恐ろしいゲームなのだ。
協力プレイなのでまず相手によろしくと通信して対戦が始まる。
すると前世と違い状況の把握能力や反射神経などが上がっていることが手に取るようにわかり相手を倒していく。
気がつけば共闘していたプレイヤーと10連勝をしており初めて煽りでは無い『あなたのおかげです』通信をもらい終了した。
体を動かす分には大人の時にスポーツをしていた事もあり幼児にしては動けるなという印象しかなかったがゲームをやることにより体のスペックがヤバい事になっている事を再認識した。
音楽ゲームもやって試してみたいがあちらは身長、手の大きさ共に不可能なので諦めた。
クレア先生も連勝しているようでそっとしておいた。
次に赤い帽子のキャラが出てくる車のゲームをしようと席に座ったがペダルに足が届かなくて断念。
幼児ができるゲームって少ないんだなと色々なゲームを見ているとクレア先生が終わったようでこちらにきた。
「勝った勝った。小冬音は楽しかったか?」
「勝てて楽しかった。」
頭を撫でられそろそろ帰るかとクレア先生に抱えられるが。
「奥さんになんて言おう?」
そりゃ両家の女性であるお母さんにお嬢さんをゲームセンターに連れて行ってました何て言いにくいだろうね。
クレア先生の袖を引っ張りぬいぐるみが売っている店を指差す。
「ぬいぐるみ買ってアリバイ工作。」
「そんな言葉何処で・・・。まぁいいか。」
クレア先生と共犯関係になれたようでお互い笑みを浮かべながらぬいぐるみ店に入る。
ぬいぐるみの値段を見ていくと。
「高!」
思わず声を上げてしまったが世のお父さんは頑張っているんだなと感心していると店の奥に大きなクマのぬいぐるみが置いてあった。
私の身長をゆうに越える巨体。
「それが欲しいのか?店員さん、この住所までこのぬいぐるみを・・・。」
欲しいので見ていたわけではなかったが購入手続きを済ませてしまったようだ。
クマについている値札を見ると。
「4万税別・・・。」
値段を見て大切にしようと誓うのであった。




