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神対応
「な、おい、ちょっと...」
秒で交代させられたのは俺ではなく、
藤島くんだった。多分だけど。俺の感覚的に他のアイドルヲタクの男性諸君より、
時間にしたら短い対応だった様に思う。
俺も、もしかしたらそんな対応、されるのかと思ってビクビクしてたけど、
違った。
ぎゅっ...!
「え」
俺の顔は、火が吹くくらい真っ赤になった。
両手、両手で握られたんだ。
俺の左手を。
あ、俺の利き手は、左手だった。
「な、なんなんだよ、、、!
なんで、、!なんで、そいつだけ、、!!」
「おかしくねぇか...!特別扱いかよ...!?
どうして、そんな陰気なファンにそんな
神対応、してんだよ...!は、はやく手を放せよっ!」
「うるっさいなー!外野は黙っててよ...」
キッと睨みをきかせて。
彼女は藤島くんに対して凄んでみせた。
藤島くんは怯み、
何も言えなくなった。