カルト集団
マジで会話多いです。
「おい、そりゃホントなのか? ニコなんて一番しぶとそうなのに」
「ホントよ。私が保証する」
小柄な女性が何かを知っているらしい。
「ねぇちょっと、ホーナス。色々聞きたいんだけど。ニコベルって誰? なんで死んじゃったの? 後、他の団長達は何者なの?」
「ニコは隠密を専門とする第2師団の団長だった男だ。死んだ理由はこれから話される。俺もまだ知らない。他の団長は会議の後で紹介するから今はリリーの話を聞かせてくれ」
「そっか」
「ニコに取り付けた魔力波追跡装置という魔法の使用を追跡できる装置よ。で、それがニコの死の間際に大きな反応をしたの。だから戦闘の末に死亡したことになる」
「ちょっと待ってくれ、その前にわしらはニコの出撃を聞いていないはずだぞ。どういうことか説明が欲しい」
「それについては私が話そう。この任務は第2師団と第3師団のみの極秘任務だったのだ。元々ニコの帰還を待って皆に伝える予定だったがこうなってしまったからな。いきなり伝えることになった」
納得はしないものの、皆理解は示している。
そんな中、フレディが切り出した。
「それで、どんな奴にニコは返り討ちにあったんだ?」
皆が気になっていたこと。
「それなのだが、アルトというここ最近結成されたカルト集団なのだ」
「おいおい、ぽっとでの奴らにニコがやられたってのかよ。しかもやられ方が暗殺なんて、まるでニコが雑魚じゃねぇか」
「?? 何でニコさんが暗殺されたってわかるの?」
「そうだ。仮にもニコはスパイだぞ」
「死ぬ直前だけ反応があったんだろ? てことは戦闘開始直後ってよりかほぼ始まる前に殺されたって事になるはずだ。これを暗殺と言わずに何なんだ」
「なるほど、ニコが暗殺か……? じゃあ尚更おかしいな。新興集団にニコを暗殺できる者がいるとは思えない」
暗殺のプロでもあるニコを暗殺できる者などそうはいない。皆にも緊張が走る。
「それが問題でな。最近結成されたことは間違いないのだがなぜか既に国際規模の人数を揃えている。それを不審に感じてニコを向かわせたのだ」
小柄な男が切り出す。
「それで陛下、これからおいら達は何をするんだ? そのアルトって奴らと一戦交えるつもりかい?」
「ニコの存在がバレているからな。戦うことになる可能性は高い。そのためにもできる限り情報が欲しい。とりあえず今は残った第2師団の隊員にニコ達の痕跡を調べさせている……と言ってもニコの痕跡など大して見つからないだろうがな。そしてこれからだが、フレディ、お前にアルトの支部を一つ調べてきてもらいたい。頼めるか」
「まぁ、こん中じゃ俺か。いいぜ。だが戦闘になっても知らんぞ」
「構わん。そのためのお前だ。だから死ぬな。これ以上戦力を減らしたくない」
「当たり前だ。もう終わりか? じゃあもう帰らせてもらうぜ」
「ねぇフレディ! 話さないといけないことがあるでしょ?」
「あぁ、そうだ。南西の森にドラゴンが出た。多分あれは封印竜だな。そんじゃ」
「なっ…………」
「封印竜だと!? ちょっと待て!」
行ってしまった。