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PROTECT HERO!!~勇者争奪戦~  作者: 檸檬
episode2 王と王
39/60

先輩の

 2日後、ハルドへ向かう車内。


 バイロン達が乗る車を戦闘に隣にはリリーが運転するバイク、後ろには10台の自動車。


「今回はたくさんの人で行くのね」

「攻め込むのだからな。まぁ懐に入るのだからあまり大勢では行けないが。そうだ、ここで聞いておこう。今回の戦い注意すべきはやはり3人。ケライノ、ピート、そしてエアロウだ。この3人ばかりは後ろの者達ではどうにもならんだろう。だからここにいるメンバーが戦わなければならない。さぁ、誰が誰を相手する?」

「俺はあの速いの、ピートをやる」

「はや……でもエアロウはバイロンさんが一度倒してるんですよね? ならもう一人も決まりで……

「いや、俺は戦わないぞ」

「え?」

「どうしてじゃ? わざわざ国のトップが戦場まで赴くことすら珍しいのに」

「今回は先輩としての役目を果たしてやろうかとな」

「先輩? 師匠じゃなくて?」

「あぁ、先輩としてな……ほら! なら2人の相手も決めておかないと!」

「わしかミアちゃんじゃな」

「そっか……私もか……」

「まぁ気に病むな! 俺の中ではもうどちらがどの相手をするかは決まっている! ミア! これを持って行け!」


 そう言って渡したのは鉄の棒。


「何コレ?」

「先端にボタンがあるだろ? エアロウに会ったときにそれを押してみろ! きっと役立つさ!」

「あ、はい。ってことは私があの風と戦うのか……」




「見えてきたぞ! あれがハルドの検問だろ?」

「そうですけど、どうやって入るんですか?」

「そんなものこっちは敵だぞ? 堂々と入っていくんだよ!」


 そのまま検問所の目の前までやってくると、自動車の異様さに中からそれを止めようと男が出てきた。


「何だ何だ! これは! 新種の魔物か!?」

「いや! 違うぞ!」


 バイロンが自動車から顔を出して答える。


「うおぉ! 人!? な、何しに来た!?」

「討ち入りだ!」

「は!? 討ち入り!?」


 バイロンは後ろの味方兵士の方を向く。


「おい! 許可が取れたぞ! 攻め込むぞ!」

「いや! 許可なんて出してねぇよ!」


 男の言葉を無視して運転手のマルコは自動車を加速させ、検問所を通り抜け、それに続いて後続の車も続々と国内に入っていった。


「……馬もいねぇのに何て速さだよ……」




「さぁ、なあに入ったわけだが……」


 バイロンはそうつぶやきながら足元をゴソゴソしだした。


「何しているんじゃ?」

「……よっと、これを出そうと思ってな」


 出したのはドローン。


(そんなものまで作ったのね……)


「これは偵察機だ! こいつは俺の思ったとおりに動いてくれてしかもこいつが見ているものを……よっこいしょ、この板に映してくれるんだ!」

「ほぉー! そんな物があったら情報戦は勝ったも同然じゃな!」

「そうだろそうだろ! もっと褒めても良いんだぜ!? というよりもう実演してしまうか! 行ってこい!」


 このドローンはどのように取り付けたのかは不明だがジェットエンジン搭載で、自動車の何倍もの速度で向かっていく。




「よぉし見えてきたぞ~!」

「どれどれ……あまり動きがないようじゃの」

「あちらはまだこちらの奇襲に気づいてないな!」

「まぁこの自動車がどんな馬より速いもんね……私たちが来たことを伝える人より城に着くの絶対先だもん」

「それもそうじゃな。じゃがならば追いつかれぬように急がないとな」

「そう焦る必要はないさ。後もう数十分で着くはずだ! それまではしばし休憩していると良い!」




 数十分後、ハルド城下町。


 中世の町並みを現代風の自動車が何台も爆速で通り抜ける。


「進め進め!」


「ちょっと楽しくなってる……」

「じゃがらしいといえばらしいの。フレディ! お前もいつまでらしくしておるんじゃ! もう着くぞ!」


 そう言って移動中ほとんど寝ていたフレディを起こす。


「んあぁ?? 敵か!!」

「まだじゃ! もう着くから起きておけと言っておるんじゃ!」

「なんだまだか」

「ちゃんと起きておれよ!」

「あいよ。それは良いんだが、前、あれ良いのか?」


 前を見ると王城が正面に。しかしフレディが言っているのはその視界の下。城門の方だ。


「城門が閉まりかけてるじゃない!」

「大丈夫だ! マルコ! 運転代われ! お前はあっちだ!」

「かしこまりました」


 マルコはバイロンに運転を代わり、自動車の外へ出て行った。


「フレディ。お前も片っぽやってきてくれ」

「へいよ~」


 フレディも外へ出る。

 2人はそれぞれ城門の片側ずつへ向かい城門を破壊した。


「「「うわぁぁ!!」」」


それに伴い城門を閉めようとしてた王国兵も破片のように吹き飛んだ。


「フレディ!」


 リリーは速度を上げ、フレディを後ろに乗せた。

 マルコもバイロンが運転する自動車の屋根に着地して城内へ侵入する。




「なんか騒がしいなぁ……ちょっとは静かにできねぇのかよ……」


 ピートは城内の広場でランニングをして汗を流していた。そして彼女の視界に騒音の主がやってくる。


「あれは……!!」


「いた……」


 フレディもピートを見つける。


「競争だ!!!!」


 ピートはバイクに走って行くのに対してフレディはバイクから飛び降り、ピートを蹴り飛ばした。


「フレディ!?」

「大丈夫だ! 先に行ってろ!」


「う゛う゛ぅ……危ねぇ…何しやがる」


 ピートは寸前で身体をずらし真正面から受けるのだけは回避していた。


「今日は俺が相手さ。ご指名だ喜んどけ」

「てめぇじゃねんだよ……あーあ、行っちまった」

「寂しいじゃねぇか。俺じゃご不満か?」

「……ハァ……いいよお前殺してからで」

「イイねぇ! イラついて来てんじゃねぇか!」


 ピートはフレディへ突進する。

 そしてフレディは吹き飛ばされた。

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