市街戦
題名を『Protect Hero』から『PROTECT HERO!!~勇者争奪戦~』に変更しました!
理由は何かかっこよさそうだからです!
あらすじはいずれ勝手に変えまーす
翌日、ティモア帝国城内会議室。
「ミアの方にも来たようだからミアは知っているだろうが、昨日俺の部屋に侵入者が入った。とりあえず何か知っている者はいないか?」
「「「「「えぇ!?」」」」」
会議室にはミア、ロブ、フレディの人間組とバイロン、マルコ、そしてバイロンの臣下数人がいる。議題は昨日現れた『ハルド三姉妹』の件。
「特にいないようじゃから聞くが、その侵入者とはどんなのなんじゃ?」
「とりあえず女だった。名前はピート。『ハルド三姉妹』と名乗る輩でジャンセン王国でクーデターの後、新たに興す『ハルド』という国家の使者らしい」
「ミアの方に来た者も大体同じようじゃったか?」
「えぇ、私もそんな話を聞いた。名前はえーっと、エロ、だったかな?」
「なんじゃ、破廉恥じゃの」
「え? あ! あんまりよく覚えてないの! でもフレディとかおじいさんの方には来なかったのね」
「俺のところに来ねぇなんてなめてやがるな」
「確かにジャンセン王国に一番関わりが深いフレディのところに来なかったのはおかしいの。三姉妹と言うくらいならもう一人いるはずなんじゃが」
「それは多分俺のところに2人来ていたのかもしれない。俺の方の輩は去り際に何かの名前、確かケライノと呼ばれていた何かの名を叫び消えていった。そのケライノが三姉妹の最後の一人だろう」
「まぁこの国の主に2人というなら納得はいくのじゃが、そのハルド三姉妹はなぜ人喰領のこの国へ来たんじゃ?」
「それを言っていなかったな。理由は宣戦布告だそうだ」
「「「「「宣戦布告!?」」」」」
「お前らはすぐ驚くなぁ。もうちょっとドシッと構えていろ! 俺の臣下だろ!」
これ以降の会話はバイロンの臣下達の狂乱によってほとんど進展はなかったのだがとりあえず、『黒いドロドロのケライノ』、『一瞬で殺すピート』、『風を吹いて消えるエロ』というよく分からない二つ名がハルド三姉妹に付いて会議は終わった。
また翌日、会議室。
「今回は客人は呼んでいない。この戦争は俺たちで片をつけないとな! と、思っていたのだが……」
「戦争だろ? 俺もまぜてくれよ」
今日はグルームのみで会議をする予定で、バイロンも人間組には一切声をかけていない。しかし会議室にはフレディがいる。
「なぜいる」
「野生の勘ってやつだ。参加させてくれれば問題ねぇ。さぁ! 会議を始めるぞ!」
「今日は中々やる気だなぁ、昨日なんて『俺のところに来ねぇなんてなめてやがるな』しか喋らなかったくせに」
「つまらない話は専門外なんだ。気にすんな」
「そなたの頭はやはり全く分からないな。まぁ良いだろう。このまま始めよう!」
こうして人喰族+1会議が始まる。
「さて、敵は南からやってくるわけだが、もうここで問題発生だ。ティモア帝国は魂喰領の最南端に位置している国なわけで南からの敵をほとんど想定していない。南側には一応食料庫は一つあるが砦ないし砦の役割となりそうなものは一切存在しない。あるのは人間領側の草原だけだこれでは防衛側のメリットはないし民の避難ももう始まっているが時間はかかるからもし相当早く敵がやってくるなら後退も出来ない。そうなれば中々不利な戦いになることが予想される」
ちゃんとした会議ではバイロンは『!』一つ付く気配なく冷静に状況を説明している。
「そしてもう一つ、敵の規模が全く想像つかない。量と質ともにだ。現状分かっているのはハルド三姉妹の3人だけ」
「その辺なら俺がある程度知ってるぜ」
「そうか! そなたなら元々ジャンセン王国にいたのだしな! 先ほどはグルームだけでなんて言ったがこの際使えるものは全て使っていこう! どのような戦力なのだ?」
「まず、ハルドと言えばバーンズ大公っていう貴族のまとめ役でジャンセンの王国の財政の権力を握っていたやつが中心の勢力の通称だ。こいつのせいで宴会の費用が削られちまった。まぁそれはいいが、そんなやつには私兵が30人いたはずで、実力は一般王国兵とは比べものにならないらしい。それに王国兵も何割かは寝返っているだろう。こっちは大したことないが第6師団の奴らが寝返っていれば話は変わる。第6師団は40人しかいねぇが大体一師団160人くらいで2~6師団があるから最大でも520人ってところだ」
「なるほど、規模は最大でも550人前後でその中でも注意すべきは70人か……この戦い勝てる。1400の兵で正面から叩き潰すぞ!」
「「「「「はい!!」」」」」
「なら詳細を詰めていこう! 今出せる兵は全て食料庫まで向かわせるんだ! 食料の供給は今まで使っているので大丈夫か……ならば」
突然会議室の扉が乱暴にノックされた。
「何だ!? 入れ!」
「失礼します! ハァハァ、バイロン様に至急耳に入れて頂きたいことが!」
「前置きは良いからさっさと話してくれ。お前も疲れているだろうから早く休みたいだろ」
「申し訳ありません…ハァ、大変です! もうハルドが攻め込んできました!」
「「「「「何!?」」」」」
フレディは席を立ち部屋を出た。
「数は!」
「30です!」
「ならば私兵だけで攻め込んできたか……マルコ! ジャケットを寄越せ!」
「かしこまりました」
マルコはどこからか白衣のようなジャケットを取り出しバイロンに渡した。
「今出られる兵だけ全員出撃するように伝えろ! それ以外は城の護衛だ! 避難民の受け入れに注力させろ! 市街へ出る者の銃器は一番小さいものだけを携帯させるんだ! 民に絶対に当たらないときだけ使うように言っておけ! 行くぞ! マルコ!」
「かしこまりました」
バイロンは渡されたジャケットを身にまとい、走って部屋を出る。
「まさか市街戦になるとはな……数が多いと返って動きづらい……科学兵器も、数の利まで潰されたか。これは相当厳しい戦いになるかもしれないな……」
独り言をつぶやきながらやってきたのは外、ではなく自分の私室だった。
「マルコ! ベランダを開けろ!」
「かしこまりました」
そう言ってマルコがベランダの扉を開けるとバイロンは助走をとり、ベランダ向かって走り出した。
「マルコ! しっかり捕まれよ!」
「……」
マルコが頷くと走っているバイロンと併走し、柵を越え、2人は宙を舞った。そしてバイロンは懐に左手を入れ、水色の手袋をつけた。そのまま左手を伸ばし、掌を上に向けるとその真ん中から白いロープが放出され、上空でパラシュートのように広がり、滑空を始めた。
「待っていろ! 俺のファン達!」
一方その頃ミアとロブ。
「流石科学が発展してるだけあるわ。色んな植物が植えられてる」
「なんじゃ科学とはそんな凄いのか?」
「えぇ。私が知ってるのとは大分違うけど」
「そうかそうか。何だか外が騒がしいの」
「?? そういえばそうね……少し様子を見に行ってみます?」
「それもそうじゃな。ずっと花見てるのもつまらんしの」
ティモア帝国の植物園でのんびりしていた。




