変な皇帝
ティモア帝国城下町。
「これからも応援よろしく頼むぞ! ガッハッハッハッハ!」
「「「「「バイロンさまーーーー!!!!」」」」」
「あんなんにこれから会うの?」
「ああそうじゃ。あれでも一応凄腕の皇帝なんじゃよ」
「えぇ…あっそう……」
ミアは露骨に嫌な顔をしている。
「さて、此奴にどうやって会うかじゃが……」
「せっかく目の前にいるんなら直接行けばいいんじゃねぇのか?」
「まぁ…それもそうじゃな」
「え??」
ロブとフレディは跳び上がり城壁にいるバイロン・バックマンの元に着地した。
「あーーもう! ホント馬鹿!」
「おっと? ご老人に青年よ、ファンは平等に扱う主義なのでね、ここまで跳んでこれるからといって握手はできんぞ」
「いや、大丈夫じゃ。ちょいと話があってな。お主、世界征服に興味は無いか?」
「もちろん興味があるぞ。興味津々だ」
「ほぉそうか。じゃあ一緒にせんか?」
「ハッハッハッハ! 会って早々世界征服しようとはな! 中々面白い話じゃないか!」
「そうじゃろ? 近くに馬車を止めてあるんじゃが…」
「だが断る」
「「断るんかい」」
「俺はこの国の皇帝だからな。迂闊に国外に出ることは出来ないのだよ」
「ボルト公国との件か?」
「民衆に漏らしたつもりはないのだがな。知っているなら分かるだろ?」
「分かった上だったのじゃがな」
「それで来てくれると思っていたのか! ハッハッハ! 不愉快だな!」
「断られることくらい百も承知じゃよ。とりあえず誘ってみただけじゃ。興味が湧いたらいつでも声をかけてくれ。まぁ、無理矢理振り向かせるがの」
「やってみろじじい」
2人はにやりと笑った。
「そろそろファンサービスの時間は終わりのようだな」
「「「おーーいお前ら! 今すぐその御方から離れろ!」」」
衛兵がやってきてロブとフレディを強引に連れ去っていった。
「まぁまぁ楽しかったぞ! ご老人!」
「あぁそりゃどーも。また会おう」
「あの馬鹿共……これからどうすんのよ…こんなところで一人なんて……」
「あんたあの2人と知り合いかい?」
「えぇ? そうよ。ねぇおじさん。あの2人どうなると思う?」
「どうなるってまぁ…牢屋にでも連れてかれるんじゃねぇか?」
「…ですよねぇ……」
数十分後、ティモア帝国地下牢獄。
「これからどうすっか?」
「あの皇帝に借りでも作れたら楽なんじゃがなぁ」
「借りねぇ…そう簡単に作れるもんじゃないしなぁ……」
「それもそうじゃな…………」
「あいつらまだ勧誘するつもりかよ」
「というか何でここを出た後の話を今してんだ?」
「今入ったばっかなのにな」
看守達は2人の会話を不思議そうに眺めていた。
まぁ、2人はもう牢屋の中にはいないのだが。




