初遠征
これからサブタイトルをちゃんとつけていこうと思います。
24以前もつけていきます。
小さな村のボロ屋。
「ナニ!? 人喰領!? 名前が物騒すぎない!?」
「なんじゃミアちゃんそんなことも知らんのか。フレディちゃんと教えておかんかい!」
「なんだよおれのせいかよ!! 行きゃわかんだろ」
「はぁー…それもそうだな。よし行こうか」
「いやいやいやいや、先に説明! お願い!」
「いやぁもう面倒くせぇ。行こう」
「外に馬車があるからな。さ、行こうか。説明は中で」
そしてフレディがミアを強引に引っ張って馬車へと向かった。
「なんかデジャブ……」
人喰領へ向かう馬車の中。
「はぁ、それで? 人喰領ってどんなところなの?」
ミアは諦めたようだ。
「そうじゃな、まずはこの大陸に生きる種族について話しておくかの」
「種族? ナニソレ」
「この大陸にはな、4つの種族があってな、1つがミアちゃんやこの馬鹿の人間族。獣と人間が混ざったような見た目の獣人族。人の魂を食べる魂喰族。そして人を食べる人喰族。この4種族が大陸に住み、わしらがこれから行くのが人喰族が住む人喰領というわけじゃ」
「魂喰族も中々やばい名前ね」
「誰が馬鹿だじじい」
「じゃあなんで人喰族がいるところに行くの?」
「人喰領に会いたい人物がいてな。名をバイロン・バックマン。ティモア帝国の皇帝だ」
「皇帝ってまた…その人も強いの?」
「知らん」
「えぇ……スカウトに行くんじゃないの?」
「まぁスカウトじゃが此奴はちょっと違うのじゃよ。さ、もうすぐ着くぞ。あれがティモア帝国の城じゃ」
「なんだあの城」
城は異様な形をしており、至る所から望遠鏡が生えていたり煙が立ちこめている。
「あの城に行くの……怖いのがいっぱい……」
「その前に検問を抜けないとじゃがな」
「はぁ……」
ティモア帝国検問所。
検問所は十数人の列ができていてその後ろに並ぶことになった。
「人間族も人喰族も見た目は変わらないのね」
「獣人族以外は見た目は一緒じゃ」
「なんだ、じゃあ特別強いって訳じゃねぇのか」
「あんたはいつも戦うことばっかり……」
そんな話をしていると最前列までやってきた。その頃には後ろに10人ほど新たな入国者が並んでいた。
「入国証を見せてくれ」
「ほれ」
「……確認した。さぁ、入って良いぞ」
「どうも」
「何よ入国証持ってるんじゃない。『その前に検問を抜けないとじゃがな』よ」
「さっき前にいる奴のをまねして作ったんじゃよ。名前は2つ後ろにいた奴のをパクった」
「え? じゃあその2つ後ろの人は?」
「今頃検問に捕まってるじゃろ」
「えぇ……」
「入れりゃ問題ねぇだろ」
「あんたらの適当さに吐き気がする……」
4時間後、ティモア帝国城下町。
「なんか、すごい栄えてるわね」
「ほぉーー美味そうな匂いもするな」
「この国はな、大陸で唯一魔法とは違う方法で文明を発展させてきたのじゃ」
「それって、科学?」
「なんじゃ、他のことは知らんのに科学は知っておるのか」
「えぇ、まぁ」
(あんまり元の世界の話はしない方がいいんだっけ)
窓ガラスや自動ドア、そして巨大なモニター。明らかに地球の現代文明に匹敵している。
(映画で見る日本って感じね。なんかわくわくしてくる)
城下町を歩いていると人だかりを見つけた。
「なんか面白いことでもやってんのか? 凄い騒いでるぞ」
「さぁ? ん? なにアイツ…」
人だかりの目線の先には城壁の上でバズーカを持って踊っている男がいた。
「あぁ、あいつがわしらが探している奴じゃ」
「アイツがこの国の皇帝!!?」
「ハッハッハ! 今日は大サービスだ! バイロン様マスコットを100個用意したぞ!」
「「「「「きゃぁぁぁぁ! バイロンさまーーー!!!!」」」」」
民衆に向かってバズーカからぬいぐるみをぶっ放していた。




